記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年5月9日(火曜日)8時44分 於:官邸エントランスホール)
北朝鮮問題
【記者】北朝鮮の問題ですけれども,中国は対話による協議,またロシアは六か国協議による対話を求めています。また,トランプ大統領もですね,環境が整えば話合いに応じるというようなことも話しています。そんな中,ノルウェーでですね,米朝の極秘協議が行われているのではないかという報道も出ています。北朝鮮が核を放棄する可能性が低いと見られているこの状況の中で,話合いが進むという流れが一部できているということについて,どのように受け止めていらっしゃいますか。
【岸田外務大臣】ご指摘の点,いろんな報道が流れていることは承知しております。報道については承知していますが,その一つ一つについてコメントは控えます。その上で,北朝鮮問題において意味ある対話を行うためには,北朝鮮の非核化に向けた具体的な行動や意志が示されることが重要であると,従来から申し上げてきていますが,この点においては,日米の間で一致をしていると思っています。いずれにしましても日米の間での政策のすり合わせは重要であると思っていますし,引き続き関係国との意思疎通,これはしっかり図っていきたい,このように考えます。
【記者】ロシアが求めている六か国協議については,すぐ開催すべきだというお考えはありますでしょうか。
【岸田外務大臣】これも従来から申し上げていますが,六か国協議,これは意義ある枠組みであるとは認識をしていますが,先ほども申し上げたように意味のある対話のためには,北朝鮮の非核化に向けた具体的な意志や行動が必要であると考えます。今,たちまち六か国協議を開始する状況にはないと認識をしています。
憲法改正関連
【記者】憲法改正の議論ですけれども,安倍総理がですね,2020年に新しい憲法が施行される年にしたいというふうに発言されまして,昨日の自民党役員会でもですね,改憲の議論を加速するように指示しました。9条の1項,2項をそのまま残した形で新たに自衛隊のですね,条項を3項に加えるというような形での改憲ですけれども,これならば公明党の理解も得やすいのではないかというふうな見方もありますけれども,大臣はこの議論についてどのように見ていらっしゃいますか。
【岸田外務大臣】憲法改正に向けていろいろな意見,考え方が示されるということは議論の活性化という意味で,意味があると考えています。今後,党においても,また国会の憲法審議会の場においても,また議論が行われていくものと思います。国民が何を今求めているのか,国民にとって今何が必要なのか,こういった観点から議論が進められていくと考えています。
【記者】安倍総理の提案というのは,理解が得られるものだと考えていますでしょうか。
【岸田外務大臣】様々な意見がある,これは意見が示されるということ,これは議論の活性化という意味で,意味があると思っています。
【記者】憲法について,昨日,古賀誠さんがテレビ番組で,安倍総理の主張について一つの考え方として評価に値するというように発言されました。一方で,大臣自身は派閥の会長として,おととし秋の会合で,当面9条改正は考えない,宏池会は憲法への愛着があるというふうに発言をされました。改めて3項を加えるという加憲という改正,9条の改正について,宏池会会長としてどのようにお考えかお聞かせください。
【岸田外務大臣】様々な意見があります。9条についても,従来の党の議論もありますし,ご指摘のような意見もあります。様々な意見があります。議論の活性化という意味で意味があると思います。
【記者】宏池会会長としての考えが変わったということでしょうか。
【岸田外務大臣】様々な意見があります。私(大臣)の発言については,ご指摘のとおりであります。
韓国大統領選挙
【記者】今,韓国大統領選挙の投票が行われています。まだ結果は,当然分からないわけですけれども,日本への影響というのをどう考えるのか,それから日韓合意ですね,これについての政府の立場というのを改めてお聞きしたいのと,大統領選挙が終わった後,日中韓のサミット,これの見通しというのはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】まず韓国は,戦略的利益を共有する最も大切な隣国です。韓国の状況については,大きな関心を持って注視をしております。
そして日韓の協力・連携は,北朝鮮問題を始めとする地域の平和と安定にも不可欠であると考えます。是非,新政権がこれからスタートするわけですが,新政権との間においても日韓合意を含めしっかりと様々な分野において協力を進めていきたいと存じます。日韓合意の着実な実施,これは重要であると認識をしています。
そして日中韓のサミットについては,我が国としては議長国として,開催を働きかけてきたわけです。具体的な日程については,中国も含めて関係国と引き続き調整を続けていきたい,このように思っています。