記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成29年4月29日(土曜日)14時25分 於:トルクメニスタン・アシガバット)
質疑応答
【記者】北朝鮮のミサイル発射について,国連安保理の閣僚会合の開催に合わせての発射となったが,これについて一言お願いしたい。
【岸田外務大臣】北朝鮮は,日本時間29日午前5時30分頃,北朝鮮内陸部の北倉(プクチャン)付近から,1発の弾道ミサイルを発射した模様。50km離れた北朝鮮内陸部に落下したものと推定される。
北朝鮮による核実験や度重なる弾道ミサイル発射は,新たな段階の脅威であるとともに,我が国を含む国際社会に対する明らかな挑発行為であり,断じて容認できない。
とりわけ28日には,国連安保理において北朝鮮の非核化に関する閣僚会合が開かれた直後に,弾道ミサイルを発射したこと、これは,国際社会に対する正面からの挑発であり,緊張をいたずらに高める行為であると考える。いうまでもなく,国連安保理決議そして日朝平壌宣言に違反するとともに,六者会合共同声明の趣旨にも反する。直ちに北京の「大使館」ルートを通じて厳重に抗議した。強く非難を行っている。
その上で,自分(大臣)から以下の三点を関係部署に指示した。
第一に,情報共有や具体的対応を含め,日米及び日米韓での安保協力の更なる深化・強化を加速すること,二点目として,安保理決議第2321号を含め,特に中国をはじめとする関係国に,関連決議の一層の厳格な履行を求めること,三点目として,我が国が理事国となっている安保理も含め,日米韓で緊密に連携すること。この3点をすでに指示を出している。
【記者】ミサイル発射は3回連続で「失敗した」と言われている。どう分析するか。
【岸田外務大臣】いま,自分(大臣)が把握しているのは,申し上げたように,一発発射され,そして50キロ飛んだところで,北朝鮮内部に落下したということである。それ以上については,引き続き,防衛省において,情報収集そして分析を行っているものと承知をしている。
いずれにせよ,発射は行われた。これは明らかな挑発行動であり,断じて容認できないと考えている。
【記者】閣僚級会合とタイミングが重なっていることへの狙いは。
【岸田外務大臣】北朝鮮の意図について私から何か申し上げることはできないし控えなければならないと思う。ただ,国際社会がこうして一致して北朝鮮の挑発行動に対して自省を求め,そして安保理決議の履行をあらためて確認した,こういった,この会議、初めての安保理での北朝鮮問題に対する閣僚会議の直後に行われたということは,緊張を高める行為であるというのは間違いないと思うし,明らかな挑戦と受け止めてもいいのではないか,このように考える。