記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年4月28日(金曜日)15時35分 於:米国・国連本部)

冒頭発言

【岸田外務大臣】まず,本日,ティラソン米国務長官および尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官との間で2か月ぶりに日米韓外相会合を開催しました。私からは,「全ての選択肢がテーブルの上にある」というトランプ政権の断固たる姿勢を評価するとともに,更なる挑発行動に対し厳しい措置を含む断固たる対応が必要であること,そして中国の役割が極めて重要であり,中国の更なる取り組みが必要であること,こうしたことを強調いたしました。これらの点を含め,3大臣の間で国連の場も含めた緊密な連携を確認し,三カ国で政策のすり合わせを行うことができました。引き続き安全保障面を含む日米韓の協力を推進してまいります。拉致問題については,米韓両国の理解と支持を得ました。

 日米韓外相会合の前に,ごく短時間,ティラソン長官と立ち話を行いました。私からは,先般のペンス大統領の訪日は大変有意義であったということ,そして今回の安保理会合の開催に当たってのティラソン長官のリーダーシップに敬意を表し,高く評価する旨述べ,ティラソン長官からは謝意表明がありました。また,ティラソン長官との間で,日米間の安全保障分野での協力を更に推進するため,2+2閣僚会合の早期開催に向けた調整を進めていくことで一致しました。

 そして,その後,ティラソン米国務長官が議長を務める北朝鮮の非核化に関する安保理の閣僚級会合が開かれたわけですが,冒頭,グテーレス事務総長から,北朝鮮による核・弾道ミサイル開発についてブリーフィングが行われ,続いて安保理理事国および韓国が発言しました。私からは,北朝鮮の核・ミサイルの脅威は新たな段階に入り,非核化のためには国際社会の圧力が必要であるといった内容のステートメントを行いました。

 その後,閣僚級昼食会が開かれ,出席をいたしました。安保理理事国と韓国の閣僚およびグテーレス国連事務総長が招待され,北朝鮮の非核化に関する率直な意見交換を行いました。

 そして,本日11時30分から約45分間,王毅・中国外交部長との間で,日中外相会談を行いました。王毅部長とは,本年から来年にかけて,引き続き,ハイレベルの対話を重ねながら,懸案を適切に処理し,肯定的な側面を拡充・強化しながら,日中関係の改善を一層進めていくために,ともに努力をしていくことで一致をいたしました。その上で王毅部長とは,日中関係のあり方や当面の取り進め方について率直な意見交換を行いました。北朝鮮に関しては,日中両国が連携して取り組んでいくことで一致しました。私からは北朝鮮の更なる挑発行動に対しては断固たる姿勢を示すことが重要であり,中国が更なる役割を果たすことを求めました。また,拉致問題について中国側の理解と指示を期待する旨改めて伝えました。

 そして,本日の午後,ジョンソン英外相と日英外相会談を約30分間行いました。ジョンソン外相とは今年2月のG20の際に会談を行い,そして今月初め,G7外相会談でもお会いしており,また今日お会いするということで,今年に入って緊密な意思疎通を図っているわけですが,日EU・EPAの早期大枠合意に向けた協力,そして,英国のEU離脱の予見可能性等の重要性を再確認し,離脱後の日英経済関係の維持・強化,さらには,日英ACSAも日本の国会で承認されたことを踏まえ,安保・防衛面での協力を進めていく,こういったことでも一致しました。さらには北朝鮮,シリア情勢についても意見交換を行いました。

質疑応答

【記者】安保理の閣僚級会合において大臣も出席されたわけですが,その評価,大臣としての手応え等はいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,今回の北朝鮮の非核化に関する安保理閣僚級会合ですが,自分からは,北朝鮮の核・ミサイルの脅威は新たな段階に入っており,北朝鮮の非核化のためには国際社会の圧力が必要であるということ,北朝鮮の核・ミサイル開発のため北朝鮮の人々の福祉は犠牲になっており,拉致問題を含む基本的人権の侵害に対する対応も含め,北朝鮮に具体的な行動を強く求める上で国際社会の理解と協力が必要である旨述べました。
 そして,ティラソン米国務長官からは,北朝鮮体制に更なる外交的・経済的圧力を加える必要があるということ,北朝鮮による将来的な挑発に対応する全ての選択肢がテーブルの上にある必要があるといった,力強い発言がありました。そして各国からは,北朝鮮の非核化を進める必要性,非核化に向けて国際社会が連携することの重要性を強調する声が上がりました,北朝鮮の非核化に関する閣僚級協議,これが安保理で閣僚級会合が行われたのは,初めてのことであり,国際社会にとって,この問題が喫緊の課題になっていること,これを表していると思いますし,また,国際社会として累次の安保理決議を厳格かつ全面的に履行することの重要性,また,北朝鮮の更なる挑発行為に対して断固として対応することの必要につき改めて確認することのできた貴重な機会であったと評価しています。

【記者】北朝鮮問題については,中国およびロシアの役割が必要だと思います。今日の会談でも,中国とは対応の仕方に温度差があるという点が明らかになっています。こういった意見の違いにつき今後どういう対応をとっていくのでしょうか。

【岸田外務大臣】ご指摘のように,中国と我が国との間においては,基本的な考え方の違いがあるわけですが,今回の会合の議論等を通じて感じたのは,中ロともに現下の地域の安全保障環境が厳しいものであることや北朝鮮の非核化の必要性については元々言及しており,これらの点については,中国とそして我々とは認識を共有できていると思います。そして北朝鮮に対する制裁を含めた安保理決議を履行することについても中ロは言及しています。中ロはともに安保理常任理事国であり,かつ六者会合のメンバーでもあります。北朝鮮の非核化に向けて中ロの役割は重要であります。引き続き中ロとも緊密に連携しながら,北朝鮮に対して,挑発行為の自制,安保理決議の遵守を強く求めてきたいと思います。

【記者】王毅外相との会談においては,北朝鮮に関し,中国は具体的にどのようなことを求めたのでしょうか。

【岸田外務大臣】中国に対して,日中外相会談の中でも,北朝鮮に対してさらなる挑発行動があったならば,これは断固たる姿勢を示すことが重要であり,国際社会として圧力を高めていくことが必要であるとの観点から,中国が更なる役割を果たすことが重要であると申し上げました。中国が役割を果たすことを求めました。具体的なやりとりは外交的なやりとりなので,控えます。これに対して王毅部長からは,対話を通じた平和的な解決の重要性等につき言及がありました。いずれにせよ,引き続き,日中の外相間でも緊密に意思疎通を行っていくことで一致した会談でありました。

【記者】先ほどの関連で,大臣の方から,新たな挑発行動のあった場合には断固たる姿勢を示す旨王毅外相に述べられたとのことだが,制裁の強化については,王毅外相は対話が重要とのことで認識が違っていたのか。

【岸田外務大臣】制裁については安保理決議の内容をしっかり履行していく,こういったことについては中国側も言及をしています。それについては会合の中でも一致をしているというふうに認識をしています。それ以上のやりとりにいては,先ほども申し上げましたが,詳細なやりとりについては控えます。

【記者】日中外相会談の中で,関係改善についての努力を認識したとのことだが,懸案である東シナ海,南シナ海について話をされたのか。

【岸田外務大臣】両国の関係改善については,今年が日中国交正常化45周年であることを踏まえて,両国間で努力を続けていく,こういった内容のやりとりがありました。よ東シナ海,南シナ海,地域情勢につきましては,今日は北朝鮮中心でありましたので,東シナ海,南シナ海のやりとりはありませんでした。

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