記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成29年4月22日(土曜日)15時53分 於:青森県ねぶたの家ワ・ラッセ)
【岸田外務大臣】地方の魅力を世界に発信する「地方を世界へプロジェクト」第4弾の試みとして駐日外交団と共に青森県を訪問させていただきました。たった今,ねぶたの家ワ・ラッセにおいて青森の伝統文化に触れさせていただきました。太鼓体験など,大変楽しく時を過ごさせていただきました。そして,それに先立って地元の企業である大青工業さんにお邪魔させていただいて氷温保存技術,最先端の技術にも触れさせていただきました。更には今日の午前中,弘前さくら祭りにおいて100周年をお祝いする記念式典に参加をさせていただきました。今般の青森訪問ですが,青森を世界に売り込むべく,昨今訪問客数の高い伸びを示しているこのアジアの国々を始め,大使の皆様方とも共に訪問をさせていただきました。そして,青森県からの要望も踏まえてビザ緩和のパッケージ,訪問観光客数の内,高い割合を占める中国からの観光数次ビザについて青森県を含む東北3県へも拡大する,こういったパッケージを今回の訪問に合わせて発表させていただきました。今後とも,地方を世界へ,世界を地方へ,こうした合い言葉のもと,青森県,そして東北,更には日本の魅力をしっかりと世界に発信するべく外務省としても努力を続けていきたい,このように考えます。私からは以上です。
【記者】先ほどお話しがありましたけれども,先ほど弘前で満開に近い桜をご覧になったと思うんですけれども,その印象と今後想定される海外への発信に向けた取り組みをお願いします。ねぶたの感想も含めてお願いします。
【岸田外務大臣】この弘前さくらまつりにおいて本当にすばらしい天気の下,さくらを見せてもらいました。元々,弘前公園の桜というのは日本一の桜だという定評があると聞いてきました。それを目の当たりにし,大変このすばらしさを実感させていただきました。同行した各国の大使,あるいは公使,こうした外交団の皆さんも口々に桜のすばらしさを口にしておられました。そして,この場所においてはこのねぶたの家ワ・ラッセ,ねぶたというすばらしい伝統文化に触れさせていただきました。これ以外にも青森県にはすばらしい魅力が満載であるということを承知しております。十和田八幡平の国立公園ですとか,美術館,温泉,更には食文化,本当に魅力にあふれているということを承知しています。だからこそ青森県が外国人宿泊者数をこの5年間で4倍以上にも増やしてきた,こうしたことなのではないかと思います。そして,大切なのはこの魅力,これをいかに世界につなげていくのかということではないかと思います。これをいかに世界にPRしていくか,更には世界中の人に青森県に来てもらわないとこの魅力に触れてもらえないわけですから,いかに来ていただくか,これが大事だというふうに思います。今日,同行してくれた大使,公使の皆さんも必ずや,今日感じたものをそれぞれの国に伝えてくれるというふうに期待をしていますし,外務省においてもこれまで,例えば一昨年になりますが三村知事と共に東京の外務省の飯倉公館を活用して青森県を紹介するレセプションを開催させていただきました。在外公館を使っての様々なレセプションもやらせていただいておりますし,更にはSNSを活用した様々な魅力の発信,こんなことも行っていますし,そもそも外交団を地方自治体と協力しながら地方に行っていただくプロジェクト,今まで22回行っていますが,500人近い外交官の方々に地方に行って地方の魅力に触れてもらう,こんなこともやってきました。こういった努力を是非続けることによって青森県の魅力をしっかり伝え,そして逆に世界の人々に実際に青森県に足を運んでもらう,こういった結果につながるような取り組みを続けていきたい,このように思っています。
【記者】緊張状態が続いている北朝鮮の核・ミサイル問題ですが度々政府がアメリカを初めとする各国に,中国に北朝鮮への影響力を行使してもらうことを確認していました。具体的に,中国に影響力を行使してもらうために,どういうアプローチをとっていくのか,そして来週,週明けには日米韓の六者協議の首席代表会合が行われますが,中国への対応も含めてこれはどういう成果を期待されますか。
【岸田外務大臣】おっしゃるように,北朝鮮問題において中国の役割は大変重要であると思います。先般行われましたイタリア・ルッカでのG7外相会合においてもG7各国一致して北朝鮮問題において,中国の役割が重要であるということを確認いたしました。私も2月にドイツにおきまして中国の王毅外交部長と日中外相会談を行いましたが,中国に安保理常任理事国として,しっかり役割を果たしてもらいたい,こういった働きかけを行った次第です。引続きまして,日米,日韓,あるいは日米韓,更にはG7,こうした枠組を通じて,連携しながら,中国への働きかけを行っていきたい,このように思っています。そして,28日になりますが,国連におきまして安保理閣僚級会議が予定されています。その場においても中国に働きかけを行っていきたい,このように考えています。来週おっしゃるように25日です。日米韓の六者会合,首席代表による会合を開催しますが,日本が議長を務めることになりますので,是非,議論をリードし,そして,しっかりとした意見交換を行って日米韓の連携を確認する、こうした意義ある会議にしたい,このように思っています。
【記者】28日,ニューヨークへは大臣ご自身も訪問されるのでしょうか。
【岸田外務大臣】出席のレベルはまだ決まっておりません。しかし,いずれにせよ,28日の会議において,日本として,しっかりと言うべきことは言わなくてはいけないと思いますし,その際に日本としての役割をしっかりと果たしたいと思いますし,今,申し上げたように中国への働きかけも行いたい,このように思います。