記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年4月18日(火曜日)8時46分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
日豪外務防衛閣僚協議(「2+2」)及び日豪外相会談の実施
【岸田外務大臣】4月20日,東京で,第7回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)及びビショップ豪外相との日豪外相会談を行います。
日豪「2+2」においては,現下の喫緊の課題となっている北朝鮮問題などの地域情勢,さらには日豪間の安全保障・防衛協力の強化の方途などについて,率直な議論を行いたいと考えます。
ビショップ外相との会談は,私(大臣)にとりまして,14回目となります。これまで積み重ねてきた協力と信頼関係をベースに,日豪関係の更なる強化,国際場裡での協力等について議論を更に深めたいと考えます。
ペンス副大統領の訪日
【記者】アメリカのペンス副大統領が今日来日します。北朝鮮が挑発の度合いを高める中,韓国に続いて日本を訪問しますが,北朝鮮問題についてどのような議論を行われるとお考えでしょうか,また,対話のために圧力が必要というのは政府の考えだと思いますが,圧力という意味では経済制裁等も議論されるのでしょうか。
【岸田外務大臣】ペンス副大統領の訪日に際しては,麻生副総理との経済対話を行い,安倍総理とも会談を行う,意見交換を行う予定であると承知しております。経済面,そして安全保障面も含めて日米関係,一層深まることを期待いたします。
その中で,ご質問の北朝鮮についてですが,新たな段階の脅威となっている北朝鮮の核・ミサイル開発について,認識を共有するとともに,北朝鮮問題への対応を強化すべく我が国としての考えを伝え,そして日米間でしっかりと政策のすり合わせ,これを行いたいと考えます。日米間で緊密に連携しつつ,北朝鮮に対して挑発行動の自制,そして累次の安保理決議の遵守,これをしっかり求めていきたいと考えています。北朝鮮問題については,以上申し上げたような意思疎通をしっかり図っていきたい,このように考えます。
【記者】政策面でのアプローチとして,新たな制裁等について,今日は議題となるのでしょうか。
【岸田外務大臣】様々な課題,論点について議論を行うことになると思います。具体的に何を話すか等については,私(大臣)の立場からは控えたいと思いますが,率直な意見交換を行うことによって,日米間の政策のすり合わせをしっかり行うことは重要であると考えます。
北朝鮮の宋日昊大使の発言
【記者】北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)大使がですね,残留日本人問題で日本側から要請があれば取り組む考えがあるというふうなことを発言したというふうに言われています。一方で朝鮮半島が火の海になった場合,困るのは日本だというふうな言い方もしておりまして,これは対話が必要だと,対話を何か臭わすような発言だとも受け取れるのですが,その発言について大臣の受け止めをお願いします。
【岸田外務大臣】発言については,いちいちコメントすることは控えさせていただきますが,我が国の方針,「対話と圧力」,「行動対行動」の下に,ストックホルム合意の履行を求め,全ての拉致被害者の帰国を目指す,この方針は変わりません。この方針の下に,北朝鮮側から前向きな行動を引き出すべく,何が最も適切な対応なのかを引き続き検討していきたい,このように思います。
【記者】宋日昊大使は,ストックホルム合意はもうなくなったというふうに発言しているそうですが…。
【岸田外務大臣】北朝鮮は,昨年2月に,我が国がストックホルム合意を破棄したという発言をしていますが,全く受け入れることはできません。先ほど申し上げましたように,我が国としてはストックホルム合意の履行,引き続きしっかり求めていきたい,このように考えます。
宏池会60周年
【記者】明日,宏池会の60周年のパーティーが開かれますが,派閥の会長として,宏池会のこれまでの歩みと,国際情勢が緊迫する中で,宏池会としてどんな存在意義を示していかれるお考えか,明日の会の意義も含めてお考えをお聞かせください。
【岸田外務大臣】60周年を記念するパーティーを開きますが,是非,歴史を振り返りながら未来に向けて私たち政策集団として,どうあるべきなのか,これを考える良い機会にしたいと思っています。
国際情勢についても,過去,宏池会は環太平洋構想を始め,国際社会における協力・対話を重視しながら外交力を重視していく,こうした取組を続けてきました。是非,不透明な国際情勢であると言われる中ですので,外交においてもしっかりと外交力を充実させるべく,貢献をしていきたい,このように考えます。