記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年3月14日(火曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
中東・アフリカ地域における飢饉への支援
【岸田外務大臣】今般,我が国は,国連の要請に応え,南スーダン向け600万ドル(6.9億円)を含め,中東・アフリカ6か国,すなわち南スーダンに加えて,ソマリア,ナイジェリア,エチオピア,イエメン,ケニアにおける飢饉対策のための支援として,計2,600万ドル(約29億9,000万円)の緊急無償資金協力を実施し,食料,栄養,保健及び水・衛生分野で,早急に支援を実施していく予定です。
日米外相会談
【記者】アメリカのティラソン国務長官が,明日から来日することになっておりますけれども,まず,日米の外相会談で期待する成果というものと,それと北朝鮮の脅威が別のレベルに上がっている中で,アメリカが今,対北政策の見直しを進めている中に,日本としてどのような点に力点を置いてですね,政策を反映させていきたいというお考えですか。
【岸田外務大臣】政権発足してから後,早い時期にティラソン国務長官が訪日すること,これを歓迎いたします。そして地域の安全保障環境が厳しさを増す中にあって,ティラソン国務長官が我が国を含めて東アジア地域を訪問するということ,これは時宜を得たものであると考えます。国務長官訪日の際には,総理表敬,そして日米外相会談を行うことを予定していますが,その中にありまして,まずは先の日米首脳会談の成果を踏まえながら,北朝鮮問題を含む諸問題について率直な意見交換を行いたいと思います。
内容については,相手のある話ですし,予断をもって申し上げませんが,意義ある会議にするために事務レベル等で準備を進めているところであります。
【記者】やはりこのタイミング,北朝鮮政策の見直しを行われる中での会談というのは,一つ意味として大きいものがあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】米国政府として,北朝鮮政策の見直しを行っているということを聞いております。ただ,その見直しがどの程度進んでいるかは,まだ十分承知しておりませんし,会議においてどんなやり取りがあるかは予断できませんが,しかし厳しい安全保障環境は事実でありますし,日米が緊密に頻繁に意思疎通を図ること,これは大変重要なことだと思います。
幸い新しい政権が発足して1か月余りの間に,ティラソン国務長官と直接お会いするのも今度で3度目になります。この厳しい,そして変化する安全保障環境の中で,これからも頻繁に両外相間で意思疎通を図っていきたい,このように思います。
日米経済対話
【記者】同じ日米関係で経済の方なんですけども,4月にもと言われております,麻生副総理とペンス副大統領との経済対話ですけれども,これ外務省として準備等進めている段階だと思うんですけれども,政府としてどのような準備段階にあって,どのように成果を導き出していきたいというようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】ペンス副大統領については,4月にも訪日をされ,その際に麻生副総理との経済対話を行うことを考えています。ただ,詳細,日程についてはまだ調整中です。中身については,まさに先日ですね,外務審議官を始め,4省の次官級の幹部が訪米しまして,調整を行ったところであり,まだこれから時間もありますので,引き続きしっかり調整を続けていかなければならないと思います。まだ内容については確定はしておりません。
米中首脳会談
【記者】米中関係です。アメリカの報道では,4月にも中国の習近平(しゅう・きんぺい)主席が訪米してトランプ大統領と会談するという,そういう報道も出ているのですけれども,この会談について率直に外務大臣として,どのようなものになるというふうにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】米中首脳会談,日程が決まったということは何も聞いておりません。承知しておりません。加えて,これは第三国間の首脳のやり取りですので,私(大臣)の方から何か申し上げるべきではないとは思います。米中関係については,国際社会に影響力を与えるものであり,注視はしていきたいと思います。
中東・アフリカ地域における飢饉への支援
【記者】冒頭ご紹介いただいた中東への援助なんですけれど,狙いとか目的をお願いします。
【岸田外務大臣】先ほど紹介させていただいた6か国を含め,国際社会における飢饉に対する危機感,大変大きいものがあります。先日,グテーレス国連事務総長からも,こうした飢饉に対する要請が特別に行われたということであります。こうした要請等も踏まえながら日本として,こうした飢饉対処ということで,支援をさせていただくことといたしました。
日韓関係
【記者】日韓の関係についてお伺いします。韓国では朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免が決まりまして,大統領選に向けて本格化しております。主要候補者はですね,対日関係について日韓合意を含めて批判的な候補者も多いわけですが,日本政府としては,今回の大統領選に対してどのようなアプローチ,または働きかけをしていくのでしょうか。
【岸田外務大臣】大統領選挙,選挙につきましては,他国の内政,選挙に関することですので,私(大臣)の立場から何か申し上げるのは控えます。ただ,韓国は我が国にとって,戦略的利益を共有する大変重要な隣国であります。現政権もちろんですし,大統領選挙後の新政権とも,安定した関係を築いていかなければならないと思います。そういった意味では,韓国の動きには大きな関心を持って注視をしていきたいと思います。