記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年3月6日(月曜日)9時55分 於:中央玄関ホール)

質疑応答

【記者】大臣,今日北朝鮮が,朝,飛翔体を発射したという情報がありますけど,その分析,どのようにしていますでしょうか。

【岸田外務大臣】本日7時34分頃,北朝鮮西岸から4発の弾道ミサイルが発射され,約1,000km飛翔し,内3発が我が国のEEZ内に落下したものとみられます。詳細については引き続き分析中であります。北朝鮮による核実験,あるいは度重なる弾道ミサイルの発射,これは新たな段階の脅威であるとともに,我が国を含む地域並びに国際社会の安全保障に対する明らかな挑発行為であり,断じて容認することは出来ません。とりわけ我が国の排他的経済水域,EEZ内に落下したことは,我が国の安全に対する直接的かつ重大な脅威であると考えます。北朝鮮によるこの弾道ミサイルの発射は今回のものも含めて,昨年11月に採択されました安保理決議2321号を含む一連の国連安保理決議,そして日朝平壌宣言に反するものであり,そして六者会合共同声明の趣旨にも反するものであると考えます。北朝鮮に対しましては大使館ルートを通じまして,既に厳重に抗議するとともに,最も強い表現で非難を致しました。そして,その上で私のほうからは3点指示を出しました。1点目は情報共有も含めて米国,韓国と緊密に連携し,日米あるいは日米韓の安保協力を加速するということ。そして2点目としまして,安保理決議2321号を含む国連安保理決議の完全な履行を中国をはじめとする関係国にしっかり求めていくということ。そして3点目として,安保理で力強いメッセージを発出するべく,働きかけを行うということ。これにつきましては既に米国,韓国と接触を行っております。以上3点を私のほうから指示した次第であります。以上です。

【記者】今,米韓合同軍事演習が行われている最中でのこうした行動ということですが,このあたりはどのように受け止めていらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】北朝鮮のこうした挑発行動の意図について私の立場から何か申し上げるのは控えたいと思います。ただ,様々な情報収集にしっかり努めて,情勢判断等には努めていきたいと考えます。

【記者】北朝鮮は米韓合同軍事演習が始まった後に,労働新聞に新型ミサイルの発射を示唆するような論評を出したわけですけど,今回発射されたミサイルについてはどのような分析をなされているのでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,北朝鮮の意図について申し上げるのは控えますし,情報収集・分析については先ほど申し上げたように,関係国とも連携しながら今しっかりと努力をしているところです。そして,この情報の分析について何か申し上げるということについては,やはり事柄の性質上控えなければならないと思います。いずれにしましても,情報収集・分析にはしっかり努め,そしてあらゆる事態に対応できるよう,政府としまして万全の体制をしいていかなければならない,このように考えます。

【記者】あともう1点,安保理についてなんですけれども,米韓との接触を既に行っているということなんですが,こちらは安保理の緊急会合ですね,日本としては招集を求めていくということなんでしょうか。

【岸田外務大臣】安保理として力強いメッセージを発するために具体的にどうするべきなのか,こういった観点から関係国とも接触を始めた次第です。是非しっかりと連携しながら具体的な形としてメッセージを発するようにしたいと思います。結果的にどうなるか,これは相手もある話ですので,今の段階で断定的に申し上げるのは控えます。

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