記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年3月3日(金曜日)8時46分 於:官邸エントランスホール)
トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表の発言
【記者】北方領土についてお伺いしたいんですけれども,北方領土での共同経済活動,首脳間で決めましたけれども,ロシアの副首相が,協議の成り行きによっては一方的に開発することも辞さないという発言をしているのですけれども,これについてどのような受け止めでいらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】発言は承知しております。昨年12月の首脳会談を受けて,政府としては先日,共同経済活動関連協議会を立ち上げて,各省がしっかり協力しながら議論を進めていく,こうした体制を作りました。3月18日に共同経済活動等について次官級の協議を行う,これはもう決まっています。我が国としましては,3月18日の議論で,しっかり考え方を申し述べたいと考えております。しっかり議論を進めていくつもりでおります。
【記者】議論を具体的に18日に始める前に,出鼻をくじかれたような発言なんですけれども,これについては…。
【岸田外務大臣】正に18日から,そうした会議の場が持たれるわけですから,その会議の場でしっかり議論することが大事であると思っています。そして我が国は,共同経済活動関連協議会を作って,議論をしっかり進めていこうという体制も作っています。是非,議論をしっかり進めていきたい,このように思っています。
金正男殺害事案
【記者】金正男氏殺害事件なんですけれども,日本政府も大変注目している事件なんですが,今拘束されている唯一の北朝鮮国籍の男性が,今日釈放されるということなんですけれども,これによって事件解明が行き詰まる可能性も出てくるかと思うんですけれども,これに対してはどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘の事件につきましては,まず,マレーシア検察が容疑者二人を殺人罪で起訴したと承知しておりますし,また併せて今ご指摘がありましたが,北朝鮮人容疑者一名を釈放し,国外退去処分にするとの報道があること,これも承知をしています。ただ基本的には,これは他国の司法手続の話ですので,我が国政府の立場から何かコメントすることは控えます。引き続き,関連国とも緊密に連携しながら,関心を持って情報収集に努めていきたいと考えます。
森友学園事案
【記者】今,国会で論争が続いている森友学園の話題ですけれども,これについて大臣のこの問題に対する受け止めと,一部面談の記録が破棄されていたという事実が発覚したと思うんですが,そうした政府の文書管理や説明責任のあり方についてどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘の点については,まだ国会で引き続き議論が続いています。その議論の中で様々な説明が行われていくものであると思っています。今の時点ではそこまでです。
【記者】野党側は参考人質疑も求めていますが,それについてはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】今,議論が続いています。国会参考人等,国会での議論のあり方,それには様々な取扱いについては,国会のご判断かと思いますが,まだ議論が続いています。その中で説明が行われていくものであると考えます。
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)
【記者】今日まで,神戸の方でRCEPの交渉がありますけれども,どのような成果を期待していますでしょうか。
【岸田外務大臣】RCEPは今回で17回目の交渉になりますが,是非,引き続き努力をし,包括的でバランスのとれた,そしてレベルの高いものになるよう,引き続き努力をしていきたいと考えます。関係国の中でもASEANが今年50周年を迎えて,RCEPに対して期待が高まっている,こういったことも承知をしています。こういった動向も見ながら関係国と引き続き協力をしていきたい,このように考えます。