記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年2月16日(木曜日)18時30分 於:ドイツ・ボン)

冒頭発言

【岸田外務大臣】ボンでの最初の日程として,17時30分から,35分間,昨年の国連総会以来5ヶ月ぶり,またティラソン国務長官就任後初となります日米韓外相会合を開催いたしました。会合では,12日の北朝鮮による弾道ミサイル発射や,金正男(キム・ジョンナム)殺害を踏まえ,北朝鮮を巡る問題に議論の時間の大半を割きました。そして共同声明を発出いたしました。ティラソン国務長官およびユン外交部長官との間で,日米韓が緊密に連携し,北朝鮮に対し,挑発行動の自制や安保理決議の遵守を強く求めていくことで一致をいたしました。今晩以降予定されている各国外相との二国間会談や,G20外相会合においても,北朝鮮を巡る問題をはじめ,地域および国際社会が直面する共通の課題について議論をしていきたいと考えます。

質疑応答

【記者】共同声明をまとめられたということで,非常に強いメッセージになると思うんですけれども,今回どうしてこのような形で,文書に落とし込もうと考えられたのでしょうか。

【岸田外務大臣】5か月ぶりの日米韓外相会合,北朝鮮の弾道ミサイル発射直後に会合を開催するということで,会合のタイミングとしては誠に時宜を得たものであると考えます。こうした会合ですので,明確なメッセージもしっかりと発出する必要があるといったことで,共同声明,具体的な紙にまとめる形で,メッセージを発出した,こういったことであると考えます。

【記者】共同声明には,「核の傘」,「拡大抑止」等,そういった文言も盛り込まれているのでしょうか。

【岸田外務大臣】日米韓がアジア太平洋地域の安全保障において,しっかり連携するという内容を具体的にしっかりと盛り込んだ内容になっていると感じています。

【記者】金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害について,大きく時間を割いたということなんですけども。

【岸田外務大臣】時間を割いたのは北朝鮮問題全体のことを言っております。

【記者】金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件についてはどのような話し合いが行われたのでしょうか。

【岸田外務大臣】具体的なやりとりについては控えるべきだと思います。そういった問題も含めて,北朝鮮問題を会議全体の中でしっかり取り上げたということです。

【記者】北朝鮮の問題が大半だったということなんですけども,日韓合意を巡る話というのは話題になったのでしょうか。

【岸田外務大臣】日韓合意に関しましては,今行われた会議の中では取り上げてはおりません。明日,開催をするべく調整をしている日韓外相会談の中で取り上げたいと思っています。

【記者】明日,日韓外相会談が開かれるとして,釜山の少女像,慰安婦像の問題につてはどういうメッセージを韓国側に...

【岸田外務大臣】まずは今,日韓外相会談をやる方向で調整をしております。これから行われる会議の中身について,予断を持って私から何か具体的に申し上げるのは控えなければなりません。しっかりと二国間の諸問題について議論を深め,そして,未来に向けて両国関係を前進させるためにはどうあるべきなのか,しっかりと意思疎通を図っていく会議にしたいと思っています。

【記者】北の話について,米国の国務長官が就任をされて,国防長官は日韓を歴訪して強い姿勢で臨むということをおっしゃられたんですけれども,今回の会議でティラーソン国務長官は北に対して,意思表示とか,どういう姿勢で臨むかというのは,どうおっしゃられたのでしょうか。

【岸田外務大臣】会議の中でそれぞれ突っ込んだ発言を行い,しっかりとした意見交換を行いました。ただ,具体的に誰がどういう発言をしたかというのは控えるというのが常識だと思います。いずれにせよ,やりとりの結果も踏まえて共同声明が発出されたものです。議論の成果は,共同声明,紙の中にまとめられているものであります。

【記者】今日の会談ではTHAADの配備などを含めて,軍事面での連携についても話し合われたのでしょうか。

【岸田外務大臣】様々な連携,情報も含めた様々な連携について意見交換を行いました。ただ,具体的に何を話したか,何をどのように話したか,それは控えなければならないと思います。会議の成果は共同声明という形でまとめました。

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