記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年1月20日(金曜日)9時55分 於:官邸エントランスホール)
文部科学省における天下りあっせん問題
【記者】天下りあっせんの問題に関して,文部科学省に対してですね,監視委員会の方が調査に入っていて,間もなく公表するという状況になっていますけれども,この天下りあっせんの問題について,大臣,どのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】国家公務員法等において厳密に規定されている,あっせんは禁止されているというものであります。こうした法律に従うということ,これは当然のことだと考えます。
【記者】そういった法律に記載されている,決まっている中で,こういった文部科学省においてですね,かなり大きな問題となっている状況についてどうお考えですか。
【岸田外務大臣】私(大臣)の立場から文科省のことについて,十分把握しているかどうか分からない中で申し上げるのはいかがかと思いますが,いずれにせよ当然のことながら,一般論として,こうした法律違反はあってはならないことだと思います。
【記者】安倍総理の方からですね,全省庁,役所に対してですね,調査をするようにというふうな指示が出されるのではないかというふうに言われていますけれども,まずそういった指示があったのかどうかという点と,外務省として今後そういった指示が出されたときに,どういう対応をされていくお考えですか。
【岸田外務大臣】指示が出されたというのは,閣議でですか。閣議の内容については官房長官にお伺いください。いずれにせよ政府としては,決められた方針に従って,それぞれの立場でしっかり職責を全うする,これは当然のことだと思います。こうした法律違反についても,しっかりと対応しなければならない問題だと思っています。
日韓関係
【記者】日韓の関係でですね,昨日,安倍総理大臣と岸田大臣との間で今後の方針等について検討されたと思いますけれども,政府としてこの問題についてどういった対応を取っていく方針でしょうか。
【岸田外務大臣】昨日,私(大臣)は総理とお会いして,総理が海外に行かれている間において議論,問題になりました様々な課題について報告,そして指示を受けました。いずれにしましても長嶺大使の帰任につきましては,何も決まっておりません。総合的に判断していくことになると考えます。
【記者】長嶺大使が一時帰国してからですね,相当な日数も経過していますけれども,現状において状況が改善しているようなふうには見えません。そういった中で,一部ですね,政府からは日本が動くことではなく,韓国側の対応次第だというような考えも出ていますけれども,大臣はこのような点についてはどう…。
【岸田外務大臣】帰任については決まっていません,それだけです。
【記者】日本側が積極的に対応するべき問題ではないと…。
【岸田外務大臣】帰任については決まっていない,それだけです。
トランプ米国大統領就任
【記者】トランプ新政権ですけれども,十数時間後には間もなく発足という形になります。安倍総理とトランプ大統領との間における首脳会談をできるだけ早期にということで,調整を続けてきていると思いますけれども,現状において,その調整状況を改めてお願いします。
【岸田外務大臣】20日,トランプ大統領は就任式を迎えられます。日米同盟は我が国の外交・安全保障の基軸であり,戦後71年間の長い積み重ねの上に立って,トランプ新政権とも信頼関係を築き,日米同盟を深化・発展させていかなければなりません。その両国首脳間で意思疎通を図るためにも,できるだけ早く首脳会談を行うべきであるとは考えます。ただ,まだ調整中です。日程等は決まっていません。
【記者】一部報道で,1月は断念をして2月中にもという報道も出ていますが…。
【岸田外務大臣】何も決まっていません。まだ調整中です。
日韓関係
【記者】韓国・平昌オリンピックの組織委員会のホームページに,竹島のことを独島と表記していたと,その事実関係と政府の対応をお願いします。
【岸田外務大臣】ご指摘の点,承知をしております。平昌2018年のオリンピック・パラリンピック組織委員会のホームページ上の記載内容,これは竹島の領有権,あるいは日本海の呼称に関する我が国の立場に照らして,受け入れられないと考えます。本件につきましては,スポーツの政治利用に反対し,また相互理解を求めるオリンピック憲章の精神にも反していると考えます。
【記者】政府としてはどのような…。
【岸田外務大臣】これは,本件事実を承知した時点で韓国政府に対して,本件に関する我が国の立場を説明するとともに,適切な対応を求めました。
【記者】抗議ということになりますか。
【岸田外務大臣】適切な対応を求めました。