記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成29年1月6日(金曜日)20時53分 於:フランス・パリ)

冒頭発言

【岸田外務大臣】本日の日仏「2+2」では,(1)日仏ACSAの交渉開始や防衛装備・技術協力の具体化など,安保・防衛協力の進展を確認し,また(2)自由で開かれたインド太平洋の確保という戦略的協力のビジョンを共有できたことに手応えを感じています。
 先ほどのワーキング・ディナーにおいて,地域情勢につき率直な議論を行いました。特に,南シナ海,東シナ海,北朝鮮等の問題により,厳しさを増すアジア太平洋地域の安全保障環境に関しフランスと懸念を共有し,緊密に連携することで一致できたことは意義深いと考えます。
 また,「2+2」に先立ってエロー外相と間で日仏外相戦略対話を行いましたが,この対話におきましては,英国のEU離脱に関する対応における連携を確認するとともに,日EU・EPAの可能な限り早期の大枠合意に向けて協力することで一致をいたしました。 本日のこうした成果を土台に,我が国が基本的価値を共有する欧州の主要国フランスと,安保・防衛分野での連携を深め,また自由貿易の旗を共に高く掲げながら,国際社会の平和と繁栄のために,引き続き協力を深めていきたいと考えます。

質疑応答

【記者】本年最初の訪問先にフランスを選ばれたわけですが,この狙い,それから,今年アメリカでトランプ政権が発足する,あるいはフランスでも大統領選挙があって,今年大きな変化があるわけですが,その中でフランスと,このような関係強化が図れた意義をどのようにお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,国際社会が法の支配に基づく国際秩序に対する挑戦や,保護主義の台頭に対する懸念,こうしたものに直面する中にあって,法の支配を始めとする基本的な価値に対する強いコミットメントを有するフランスと連携することは,ますます重要になっていると感じています。
 今の訪問を通じて,政治・安全保障分野での連携を強化し,そして,自由貿易の旗をしっかりと掲げていくことをフランスと確認出来たこと,これは国際社会の平和と安定に資することになると考えます。
 今年はご指摘のとおり,様々な大きな選挙が国際社会の中で予定されております。この選挙の結果によっては,国際社会が変化をする可能性が秘められていると考えるわけですが,こうした不透明な時だからこそ,基本的な価値を共有する国,フランスのような国との間において,しっかり意思疎通をはかり,連携を確認することの重要性は高まっていくのではないか,このように考えます。こういった考え方に基づいて,今年最初の外国訪問先としてフランスを選んだということであります。

【記者】今回交渉でも合意しました,ACSAの交渉ですけども,このACSAをフランスと締結することの意義と,その今後のスケジュール感をお願いいたします。

【岸田外務大臣】フランスとの間において,安全保障,防衛協力を進めるにあたって,ACSAの締結によって,制度面での土台,これを強化することになると思います。こうしたことから,このACSAの締結は重要であると認識をしています。そして,今後のシュケジュールについては,まだ,この交渉の開始を決定したばかりですので,今の段階で締結の具体的な時期を予断すること,これは困難だとは思いますが,しかし,出来るだけ早期の締結を目指したいと考えます。出来るだけ早期の締結を目指して,作業を急ぎたいと考えています。

【記者】最後に欧州から離れてしまい恐縮なのですが,慰安婦の問題を巡って,韓国の大使と総領事を一時帰国させていますけども,この政府としての狙いをお願いいたします。

【岸田外務大臣】一昨年の日韓合意において慰安婦問題は,最終的かつ不可逆的に解決される,このことを確認をいたしました。それにもかかわらず,我が国の公館の前に,少女像が新たに設置されたとう事態,このことは,極めて遺憾であると考えます。
 我が国として,こうした立場を示すとともに,本国での打ち合わせ等を行うために,長嶺駐韓国大使及び森本在釜山総領事の一時帰国を決定いたしました。両名は,来週以降に一時帰国する方向で今調整中であります。
 今回このような措置をとることになったことは残念ではありますが,日本にとって韓国は,戦略的利益を共有する最も重要な隣国であるという,この認識に変わりはありません。今後とも日韓それぞれが合意を責任をもって実施していくことが重要であると考えます。引き続き,韓国側に対しまして,少女像の問題を含め,日韓合意の着実な実施,これを求めて行きたいと考えます。

【記者】その関連で,日本の措置に対して,韓国の外交部が遺憾の意を表明しています。韓国国内の中からも,日韓合意の破棄や再交渉を求める声が高まっておりますけども,そういった反応が出ていることをどのように考えていますか。

【岸田外務大臣】一昨年の日韓合意は,日本と韓国の外務大臣が,世界に向けて,映像を通じてこの合意を確認をいたしました。そして,世界の多くの国が,この合意を高く評価しています。この合意をしっかりと履行していくこと,これは,日韓両国にとって大きな責任であると思います。是非我が国もしっかりと履行していきたいと思いますが,韓国にも,この世界が高く評価しているこの日韓合意を履行をしてもらうよう,しっかりと働きかけを続けていかなければならない,このように考えます。

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