記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年12月6日(火曜日)8時55分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
核兵器廃絶議案の国連総会本会議での採択
【岸田外務大臣】ニューヨーク時間5日午後,国連総会において日本の核兵器廃絶決議が,米国を含む167か国の圧倒的多数の支持を得て採択されたことを歓迎いたします。核兵器国と非核兵器国の対立がますます強まる中,昨年を超える支持を得て決議が採択されたことは,我が国の決議が「核兵器のない世界」に向けた現実的な道筋を示したものであることを表しています。今後とも唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」に向けて努力を続けていきたいと考えます。
安倍総理のハワイ訪問
【記者】昨日ですね,総理が真珠湾を訪問することを正式に発表されました。この件については,岸田大臣の動向も取りざたされていますけれども,この辺りの事実確認と,併せて訪問される意義について大臣のお考えをお聞かせください。
【岸田外務大臣】4年間,安倍総理とオバマ大統領とが力を合わせて築き上げてきた日米同盟の総括として日米首脳会談を行い,併せて真珠湾を訪問すること,昨日,総理が発表されました。強固な日米同盟のありよう,そしてアジア太平洋地域,更には国際社会の平和と安定に日米同盟が大きな役割を果たしていること,こういったことを発信する良い機会だと思います。何のためにかというご質問に対しては,亡くなられた多くの方々の慰霊のためであり,二度と戦禍を繰り返してはならないという未来に向けた強い意志を示すことであり,更には強い日米同盟のありようを示すものである,このように思っています。そして私(大臣)も同行することを予定しております。
【記者】大統領の任期は間もなく終わるタイミングですけれども,オバマ大統領とともにそこに行くということに意味があるんでしょうか。
【岸田外務大臣】先ほど申し上げました,4年間の両首脳間で築き上げてきた日米同盟を総括する意味で首脳会談を行います。そして併せて真珠湾を訪問するということを決断した,そういったことであります。
岸田大臣のロシア訪問
【記者】ロシアとの関係なんですけれども,この週末,大臣はロシアを訪問されプーチン大統領,ラヴロフ外相と会談されました。また双方,安倍総理とプーチン大統領の親書も手渡されていらっしゃいます。残すところ日露首脳会談までわずかとなってきますけれども,北方領土問題を一歩でも前進させていくために,今後の期間どういったことを,どういった協議を進めていくお考えかということと,また更に15日に向けての成果,どんなことに期待されていますか。
【岸田外務大臣】今回の私(大臣)のロシア訪問は,12月15日に予定されているプーチン大統領の訪日に向けて,訪日を意義あるものにするためには何が必要なのか,日本の考え方をしっかり示し,しっかりと意見交換を行うことができたと感じています。大統領訪日に向けて有意義な訪問であったと考えます。そしてプーチン大統領訪日に向けて,引き続き準備の努力を続けていかなければなりません。様々なレベルを通じて,ぎりぎりまでしっかりと準備を続け,訪日を意義あるものにするため努力を続けていきたいと考えます。
安倍総理のハワイ訪問
【記者】総理のハワイ訪問に関連してなんですけれども,大臣も同行されるということですけれども,これは同行されて具体的に総理とは別の,何かどういった日程を検討されているのか,大臣が同行される意味というのを教えていただけますか。
【岸田外務大臣】この4年間を総括する日米首脳会談が開催されます。私(大臣)もこの4年間,外相として務めてきました。是非,同行したいと考えています。具体的な当日のスケジュール等については,まだこれから調整していくことになると考えます。
【記者】ハワイの訪問なんですが,オバマ大統領の広島訪問との関連性についてと,あと真珠湾に行ったとき,日本として謝罪すべきかどうかについて,どうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,オバマ大統領の広島訪問とは関係はありません。そして先ほど申し上げました,今回の訪問は亡くなられた方への慰霊であり,そして未来に向けて二度と戦禍を繰り返してはならないという強い意志を示すものであり,更に言うと日米の和解をしっかり示すものであると考えます。
【記者】日米関係をめぐってはですね,昨年の総理の米議会での議会演説が戦後70年でありましたけれども,そこからオバマ大統領の広島訪問,そして今回の真珠湾ということで,日米の和解を象徴する出来事が続いたわけですけれども,昨年から今年にかけての日米関係のありようというのをどのように大臣としては総括,またはお感じになっているでしょうか。
【岸田外務大臣】日米同盟が戦後71年かけて揺るぎないものになっているということをしっかり示す,様々な出来事であったのではないかと思っています。アジア太平洋地域,そして国際社会にとっても日米同盟が平和と安定を維持するために,大変重要であるということも国際社会にしっかり示すことができたのではないか,このように感じます。
【記者】米国の議会で安倍総理は痛切な反省と悔悟の意を表したと思うのですが,今回の訪問は特に痛切な反省,あるいは謝罪の予定はないということでしょうか。
【岸田外務大臣】先ほど申し上げたとおりであります。亡くなられた方への慰霊と,そして未来に向けて戦禍を繰り返してはならないという強い意志と日米の和解,こうしたものを示す機会であると考えます。