記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年11月22日(火曜日)8時50分 於:官邸エントランスホール)
日露関係
【記者】日露首脳会談についてなんですけれども,ロシア側からですね,北方領土での日露の共同経済活動について,ロシア主権の下でそういった活動をしていきたいう発言があったということですけれども,この受け止めと,来月にもロシアでラヴロフ外相と会談することで一致したかと思うんですけれども,どのような任務を帯びて,どのような成果を収めたいと考えていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,1点目ですが,北方領土問題に関する具体的なやり取りについては,我が国政府は一貫して明らかにしてきていない,控えさせていただいてきております。これは交渉中の事柄であり,今後の交渉にも影響するからであります。よって,ご指摘の点についてやり取りがあったかどうかを含めて控えさせていただきますが,北方領土に関する共同経済活動については,従来から申し上げておりますように,我が国の法的な立場を害さないということが大前提であるということであります。
それから私(大臣)の訪露については,今現在,何も日程は確定はしておりませんが,9月に行われました日露外相会談において,12月のプーチン大統領訪日の準備の一環として,訪日前に私(大臣)がモスクワを訪問して日露外相会談を行う,こういった点については一致をしています。この考え方に基づいて現在も引き続き調整中です。
【記者】プーチン大統領が記者会見で共同経済活動について発言されたと思うんですけれども,この訪日の直前に,このタイミングでそういった発言をされたというのをどういう…。
【岸田外務大臣】先ほど申しましたように,我が国政府は今日まで北方領土問題に関するやり取りについては,具体的な点,明らかにすることは控えております。交渉中であり,交渉にも影響を与えます。控えさせていただきます。
日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)
【記者】GSOMIAに関してなんですけれども,明日にも締結ということなんですけれども,という報道が韓国のメディア中心にあるんですけれども,閣議で今日はそれは議題になったんでしょうか。
【岸田外務大臣】GSOMIAにつきましては,14日ですか,実質合意に至っております。仮署名を行ったところでありますが,そして署名につきましては,できるだけ早いタイミングでの署名を,今,調整しています。そして閣議において取り上げられたかどうかということについては,控えたいと思います。できるだけ早いタイミングで署名を目指しているということであります。
日露関係
【記者】ロシアの関係の共同経済活動なんですけれども,我が国の法的立場を害さないことが前提ということですけれども,北方領土の帰属の問題が解決されれば,この共同経済活動というのも将来の日露の関係のあり方としては,あり得るというお考えなんでしょうか。
【岸田外務大臣】我が国の方針は,四島の帰属の問題を明らかにして,平和条約を締結するということであります。この基本的な方針,これはしっかりと守っていかなければなりません。そして一般論として申し上げるならば,共同経済活動,これは否定するものではありませんが,あくまでも我が国の法的な立場を害することがない,これが大前提であるということは強調しておかなければならないと思います。
TPP
【記者】TPPのことなんですが,先週,ペルーの首脳会談でも早期発効に向けて一致されたと思うのですが,トランプ次期大統領,改めて就任初日に離脱をするということを表明されました。それについて改めて受け止めをお願いします。
【岸田外務大臣】トランプ次期大統領は,今までも度々,様々な発言をされてきております。今の段階で新政権の具体的な政策について予断をもってコメントするのは控えたいと思います。引き続き動向を注視し,新政権の関係者とも意思疎通を図っていきたい,このように思います。
大臣の宮城県訪問
【記者】今朝,宮城と福島の方で,地震で津波警報が出ていますけれども,明日,宮城で講演されることになっていますが,その事態についての受け止めがもしありましたら…。
【岸田外務大臣】今朝,東北地方において地震が発生し,津波が発生しました。心からお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。そして明日の日程については,現地の状況,よく把握させていただき,対応を考えなければならないと思います。現地の皆さんに負担がかからないような形で行うことができるかどうか,よく確認したいと思います。