記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年11月8日(火曜日)9時47分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

岸田大臣の宮城県訪問

【岸田外務大臣】11月23日,地方の魅力をグローバルに発信する取組の一環としまして,宮城県を訪問し,東北大学においてシンポジウムに出席をいたします。被災地の方々と直接対話を深めることによって,力強く復興している東北の魅力をグローバルに発信していきたいと考えております。

パリ協定

【記者】パリ協定に関してなんですけれども,今日の本会議で承認案が可決される見通しです。当初から政府の見通しの甘さみたいな批判もありましたけれども,承認に当たっての大臣のご所感と,それからこの分野で,今後どういった役割を果たしていこうとお考えかをお願いします。

【岸田外務大臣】パリ協定については,歴史上初めて全ての国が参加する公平な枠組みであり,我が国のこの分野における主張とも合致する協定であると考えます。こうした画期的な協定であり,我が国としてもこの協定を重視し,速やかな締結に向けて作業を進めてきました。ご承認いただいたならば,是非,速やかに締結手続を行っていきたい,このように考えます。
 そしてこの分野においては,既に7日からモロッコでCOP22がスタートしています。この会議においてもパリ協定の実施指針策定など,この協定の実施に係るルールの議論が行われると想定しています。既にこうした実施指針の策定の議論等は,我が国も参加する形で議論が行われていますが,是非,透明性を高め,実効性を高めていくべく,引き続き議論をリードするべく努力をしていきたい,このように思います。

米国大統領選挙

【記者】アメリカの大統領選挙ですけれども,日本時間の明日にも大勢が判明すると見られておりますけれども,接戦と伝えられていますけれども,現状をどうお考えか,それから誰がなるか分かりませんけれども,新しい政権にですね,どういう姿勢で,どのようにアプローチしていくお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】接戦だと聞いています。注目をしております。ただ,誰が大統領になったとしても,日本外交にとって日米同盟は基軸であると考えています。引き続き日米で連携しながら二国間関係のみならず,アジア太平洋地域,そして国際社会における平和と繁栄のために,協力をしていかなければならないと考えます。新政権とも緊密な連携をしていかなければならないと考えています。

日韓関係,日中韓サミット関連

【記者】韓国の情勢ですけれども,国内情勢,混乱が治まる兆しがありませんけれども,大臣,かねてから日中韓のサミットは予定どおり年内にとお話になっておりますけれども,一方で日韓合意に対する批判も韓国国内では高まっていると聞いているんですが,この日韓合意の履行についてですね,何らか影響を懸念する部分がありますでしょうか,その辺りお考えをお願いいたします。

【岸田外務大臣】まず,韓国国内の動きについては内政の問題ですので,私(大臣)の立場からコメントすることは控えます。
 そして日中韓サミットにつきましては,この3か国の対話の枠組み,大変重要な枠組みであると認識をしておりますし,今年は我が国が議長でありますので,議長として開催に向けて引き続き努力をしていきたい,このように思っています。
 そして日韓合意については,これは両国政府が合意の内容を誠実に履行する,これが何よりも大切なことです。引き続きこの合意に基づいて,両国政府は努力していくと考えます。

TPP協定

【記者】TPPのことなんですが,今日の採決は厳しい状況になりまして,大統領選の前に衆議院通過という一つの目標が実現できなくなったと思うんですが,それによるTPP審議に与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】TPP審議,要する国会での審議については,国会で判断されることでありますので,私(大臣)の立場から何かコメントするのは控えなければならないと思います。ただ,審議が続くわけですので,政府としましてはTPPの経済的重要性,戦略的重要性,我が国のみならず国際社会に与える影響など,TPP協定の重要性についてしっかり説明をし,ご理解をいただく努力を続けていかなければならないと考えます。是非,TPP協定をご承認いただけるよう,引き続き説明努力を続けていきたい,このように思います。

日中韓サミット関連

【記者】日中韓サミットですが,もう2か月切っている状況で,中国からは返事はありましたでしょうか。

【岸田外務大臣】今,調整中です。

【記者】中国は調整するというような意思表明は…。

【岸田外務大臣】調整中です。

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