記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年10月25日(火曜日)22時20分 於:都内)

冒頭発言

【岸田外務大臣】本日夕刻日本に到着されましたドゥテルテ大統領及び随行の閣僚の方々をお招きして夕食会を開催いたしました。
 8月に私がフィリピン・ダバオを訪問させていただいた際に大統領の迎賓館でミリエンダ・セナというフィリピンの伝統的な軽食でおもてなしを受けました。今晩はそのお礼を兼ねて,ドゥテルテ大統領がお好きな日本料理をくつろいだ雰囲気の中で召し上がっていただき,旅の疲れを癒やしていただくためにこのようなあつらえとさせていただきました。
 本日の夕食会は社交を目的としたものであり,様々な話題に花を咲かせました。
 ドゥテルテ大統領の実直なお人柄,祖国を愛する気持ち,国を発展させたいという強い意欲がよく分かり,国民的人気を得ておられることを改めて認識をいたしました。
 そしてドゥテルテ大統領は日本とゆかりの深いダバオの市長を長く務められたことから,日・フィリピン友好の歴史,ダバオと日本のつながり等について,大統領個人の思いについて色々とお伺いすることが出来ました。
 私からは,明日の首脳会談で表明する日本の支援策について,その背景等を説明させていただきました。先日の中国訪問の際の率直な印象についてもお話を聞かせていただきました。
 また,日本についても大変強い親近感を感じさせる様々なお話を聞かせていただきました。その中で,是非日本国民に伝えて欲しいと,フィリピン国民は心から日本に感謝している,自分の世代において十分にお返しをすることが出来るかどうか分からないが,次の世代においては必ず日本の国民の皆さんにお返しをさせていただきたい,こういった温かいお言葉もいただきました。
 大統領の信念を感じさせるような様々なお話も聞かせていただき,大変波長の合った会話が続きました。個人的な信頼関係も感じさせていただき,大変盛り上がった会合であったと感じています。
 最後には,大統領から,来月も良かったら日本に呼んでくれ,というお話がありました。そうでなかったら,是非,岸田大臣フィリピンにお招きしたい,そういった暖かいお言葉もいただきました。
 ドゥテルテ大統領は健康に留意されているということであり,健康食品として有名なカスピ海ヨーグルト,そしてそのための器を贈呈させていただきました。
 明日の首脳会談を始め,明日からの訪日日程に対応されるにあたりまして有意義な滞在となること,これを心からご期待申し上げたいと思います。
 私からは以上です。

質疑応答

【記者】本日は元々一時間半という予定だと承知していたんですけど,大幅に30分ほど盛り上がったということなんですけれども一番盛り上がった話題というのはどういったことだったんでしょうか。また地域情勢については,政治的な南シナ海の問題ですとか,アジア太平洋地域でのアメリカのプレゼンスですとかこういった話というのも出たんでしょうか。

【岸田外務大臣】内容,中身においてはですね,様々な話題それぞれにおいて盛り上がったと感じています。そして,地域情勢についても,先日の中国訪問の印象など様々な話が出ました。しかし本日の会合の趣旨は社交でありますので,具体的な地域情勢等におけるやりとり,これは控えさせていただきたいと思います。明日,日・フィリピン首脳会談が予定されています。首脳間において,是非,率直な意見交換が行われることを期待したいと思います。

【記者】今日午後,到着されてから,フィリピン人コミュニティとの懇談というイベントがあったんですけれども,その場でもドゥテルテ大統領が反米的な発言をされたということなんですが,アメリカとの関係ですとか,そういった話は特に今日においては行われなかったんでしょうか。

【岸田外務大臣】様々な地域情勢について話題は及びました。しかし,具体的なことについては,今日の会合の趣旨から考えまして,少なくとも私の方からは控えたいと思います。

【記者】どの話題が一番長く時間をとったのでしょうか。

【岸田外務大臣】それぞれの話題,大統領はそれぞれ熱弁を振るっておられました。大変思いのこもったお話で,興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。

【記者】また来月にでも,日本に来たいと仰っていらっしゃったということなんですけれども,特に今日の料理で,これがおいしいですとか,これが気に入ったとか,そういったお話はされたのでしょうか。

【岸田外務大臣】それぞれ楽しんでおられました。お酒もほどほどに召し上がっておられました。

【記者】お酒というのは地元のお酒なんでしょうか。

【岸田外務大臣】はい。日本酒は私の地元,広島から取り寄せました。

【記者】明日,首脳会談控えていまして,明日は懸案である中国,アメリカ等々,首脳間で意見交換されると思います。その明日に向けて,大臣の今回の夕食会,明日に向けたステップというか,その手応えというのは大臣どうお感じですか。

【岸田外務大臣】大統領として初めてドゥテルテ大統領に訪日いただきました。首脳会談を通じて,首脳間の信頼関係,是非しっかりと,より一層深めていただきたいというふうに思いますが,それにつけても,訪日全体の印象,日本に対する好印象,これが大事だと感じます。訪日直後,到着直後,こうした夕食会を,催させていただき,そして大統領に大変喜んでいただいたと受け止めています。今回の訪日が,大統領にとって,良い印象,良い思い出となることにつながる夕食会であって欲しいと,心から願っております。

【記者】大統領から中国訪問の印象のお話があったということですが,具体的にどういったお話を。

【岸田外務大臣】詳細は控えます。

【記者】大統領の方から,日本にお返しをしたいと,自分の世代じゃないかもしれないけれども,将来世代かもしれないけれども,これはどういったことを念頭に大統領は仰っていたのか,もう少し具体的に・・・・

【岸田外務大臣】日本に対して信頼している,日本に対して感謝をしている,そういった話の延長で,そういった話が出てきたと記憶しています。

【記者】何か具体的に触れられたわけではない・・・・

【岸田外務大臣】具体的な詳細は控えます。

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