記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年9月9日(金曜日)16時36分 於:本省中央玄関)

冒頭発言

【岸田外務大臣】北朝鮮による核実験の実施を受けて,本日正午前に外務省緊急対策本部会合を実施し,米国及び韓国などと緊密に連携すること。また,国連安保理でもスピード感をもって対応すること等を指示いたしました。
 これを受けてニューヨークに於いて安保理緊急会合の実施,すでに要請をいたしました。そして13時15分からケネディー大使による表敬を受け,そして14時から尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官と電話会談を行い,さらに15時05分から米国のケリー国務長官と電話会談を行いました。
 私からは,先ほど冒頭申し上げた我が国の立場を伝え,さらなる連携を確認いたしました。そして米国側からは,北朝鮮による度重なる挑発的な行動は明白な国際法違反であり,地域の安定にとっての脅威であるということ,そして,米国の同盟国に対する揺るぎない防衛コミットメント,これはオバマ大統領がラオスで述べたとおりであるということ,そして,日本をはじめとする関係国と安保理でも緊密に連携し,北朝鮮に強い圧力をかけ,北朝鮮が自らの行動の結果を甘受せざるを得ないようにすべき,こういった旨の発言があり,日米及び日米韓で緊密に連携・協力していくこと,これを改めて確認をいたしました。さらに韓国の尹長官との間においては,北朝鮮に対する圧力を強化していくべく,安保理を含む,国際社会において日韓米で協力していくこと,こういったことで一致をいたしました。
 そしてその他の関係国とも随時電話会談を行い,連携を確認していきたいと考えています。調整を今行っていますが,今日中に行うことが確定しているのが,英国のジョンソン外相と今日中に行うということで一致をしております。それ以外はまだ調整中ということです。私からは以上です。

質疑応答

(記者)前回の核実験以降ですね,独自制裁,追加の制裁を科しているにもかかわらず挑発行為がエスカレートしていますけども,この制裁の実効性について何か会談で話はあったのでしょうか。

(岸田外務大臣)まずは今回の核実験に対して,連携を確認し,迅速にスピード感を持って対応することが重要だということを確認しました。いずれにせよ,従来,すでに明らかにしている各国独自の措置,あるいは安保理決議に基づく措置の実効性は引き続き確保するべく努力をしていかなければならないと思いますし,そして,今後についてもこの北朝鮮の反応ですとか,あるいは各国の取り組み状況,そういったものをしっかり確認しながら,北朝鮮から,建設的な行動,前向きな行動を引き出すためには,何が効果的なのか,こういった観点から,しっかりと検討を続けて行かなければならない,このように考えます。

(記者)関係国との電話会談,調整中ということですが,総理からも中,ロとの関係も強化しなさいという話もありました。このあたりとの調整状況は。

(岸田外務大臣)中,ロとも当然調整を行っています。

(記者)特に中国のコミットメントが重要になってくると思いますが。

(岸田外務大臣)それは安保理ということでしょうか。

(記者)そうです。

(岸田外務大臣)安保理において確かに中国等の関係国との連携は重要だと思います。

(記者)コミットメントを強化するにはどういったことが必要だと思われますでしょうか。

(岸田外務大臣)先ずは緊急会合の招集を要請しました。この国連安保理を舞台にした,こうした連携も具体的に進めていかなければなりません。中国の存在,北朝鮮との間において歴史的にも或いは経済的にも深い関係にある中国の存在は大きいとは考えます。何れにしましても,しっかり連携,対話を進めていくよう努力をしていきたいと思います。対話,これはこれからですので,しっかり取り組んで行きたいと思います。

(記者)日本の独自制裁の関係なんですが,菅官房長官がさらなる独自制裁を考えていきたいと会見で言われていたのですが,具体的に,ヒト,モノ,カネでいうとどういった制裁内容を追加的に考えられるのでしょうか。

(岸田外務大臣)先ほど言いましたように,今現在,我が国としましては厳しい独自の措置を課しています。その上で今後については,何が前向きな行動を引き出すために効果的なのか,北朝鮮の反応,各国の動きを見ながら検討していきたいと思っています。そして,今のさらなる独自の措置についても,検討を,今,既に行っています。ただ具体的な中身については,今申し上げたように,北朝鮮の反応ですとか,各国の取り組みもしっかり確認した上で我が国独自の対応についても決定をしていきたいと思います。今検討中であります。

(記者)このタイミングでこうした実験を行った北朝鮮の狙いについてはどのように分析されていますか。

(岸田外務大臣)今の状況の中で私の立場から北朝鮮の意図について確たるものを申し上げることは難しいと思います。ただ,関係国との情報共有,そして情報の分析これは引き続きしっかり続けて行きたいと思います。北朝鮮のこれからの言動については注視していきたいと思います。

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