記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年9月9日(金曜日)11時37分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
北朝鮮関連
【岸田外務大臣】本日,朝9時30分に,自然地震とは異なる可能性のある地震波が検知されたという件でありますが,引き続き米韓などの関係国と情報共有,そして情報分析に努めています。そして核実験であるならば,これは国連安保理決議,日朝平壌宣言,六者会合共同声明に反し,NPTを中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦であると考え,断固非難をいたします。
そして10時44分,北京の大使館ルートを通じて抗議を行いました。そして国連の場におきましても連携を行わなければならないということで,日本時間の10時前に,既に緊急会合招集の調整を開始いたしました。是非,国連の場においても,強いメッセージを発出しなければならない,このように考えます。
北朝鮮関連
【記者】北朝鮮に抗議したということですが,日本政府としてはこれは核実験の可能性が高いというか,蓋然性が高いというふうに見ているということでしょうか。
【岸田外務大臣】引き続き,情報共有・分析中ではありますが,まずは自然地震とは異なる可能性のある地震波を検知したということ,そして核実験であるならば,断固非難するという内容の抗議を行った次第です。
【記者】米韓との連携についてなんですけれども,今後電話会談なり,何か予定するものはありますでしょうか。
【岸田外務大臣】引き続き調整中ではあります。電話会談も含めて連携を確認,深めるためにどうあるべきなのか,調整をしていきたいと考えます。
【記者】それから国連の場での緊急会合ですけれども,3月にですね,制裁決議が出ていると思いますが,これに加えて更に強い制裁というか,更に強い対応というのは何か考えているものというか,考えられるものはあるんでしょうか。
【岸田外務大臣】国連の安保理としては,強いメッセージを発することは重要であると考えます。ただ,その具体的な形につきましては,緊急会合,今調整を開始したところですので,その場で議論をされ,結果として確定されるものでありますので,今の段階では具体的なことは控えます。
【記者】総理から,中国やロシアとも連携するようにというように指示があったかと思うのですけれども,今後,中国やロシアを含めて,電話会談など,どのような連携を…。
【岸田外務大臣】関係国との連携は先ほど申し上げたとおりです。電話会談も含めて,連携をこれから調整していきたいと思います。ただ,今現在,何も決まっておりません。
【記者】北朝鮮との話合いの場として六者協議があると思うんですけれども,EASでも六者協議の再開ということに言及されていましたが,その六者協議再開をする考えはあるのかということと,今の六者協議の枠組みの実効性というのはどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】六者会合の枠組みというのは,議論の場として,対話の場として有効な枠組みではあるとは思いますが,そのためにも,まずは北朝鮮側から核・ミサイル開発について国際社会と協調する建設的な言動がですね,示されることが重要であると考えます。話合いのための話合いであってはならない,これは従来から申し上げてきたとおりであります。
【記者】建設的な言動とは,核の実験はしないということなのか,そういうことがあった場合は六者協議というのは…。
【岸田外務大臣】六者会合は六者会合の枠組みでどうあるべきかを考えるべきだと思います。今申し上げたのは,日本として話合いのための話合いであってはならないということから,従来から申し上げている態度について,今お答えさせていただきました。