記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年7月5日(火曜日)7時29分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

【岸田外務大臣】先ほど,7名の犠牲になられた方々のご遺体と,そして,御家族の皆さま方が搭乗された政府専用機が,日本に戻って来られました。羽田空港でお出迎えをさせていただき,そして,哀悼の意を込めて,献花をさせていただきました。国際協力の最前線において,ご尽力をされてこられた方々が,残虐非道なテロによって尊い命を奪われ,こうした残念な結果になったことに,改めて痛恨の極みであるという思いを感じ,そして,空港において,お出迎えをさせていただく中で,改めて深い悲しみ,そして,強い憤りを感じた次第です。
 卑劣なテロリストによる銃撃人質事件に,日本人の方が巻き込まれている可能性があるという第一報を受けてから,外務省としまして,全力をあげて本件に取り組み,木原外務副大臣を現地に派遣するなど,対応に万全を尽くしてまいりましたが,このような結果に終わったことは痛恨の極みであります。
 罪のない人々の命を奪うこうしたテロは,いかなる理由があっても許されるものではありません。国連安保理において我が国が主導して発出したプレス・ステートメントは,卑劣なテロを強く非難する国際社会の総意であると考えます。我が国としては,このような悲劇が繰り返されることがないよう,国際社会と一層しっかりと連携していかなければならないと考えますし,また,外務省そして在外公館総力を挙げて,邦人の安全確保に万全を期していかなければならない,このように感じています。そして,先般の伊勢志摩サミットにおいて取りまとめました,テロ対策の行動計画,これを着実に実施し,今後特にアジアにおいて,テロ対策の強化に取り組んでいかなければならない,こうしたことを感じている次第です。

質疑応答

【記者】今朝,羽田に着かれてから30分ぐらいですか,遺族の方々とお会いになって言葉を交わされたと思いますけれども,これはどういうふうなやりとりだったのでしょうか。

【岸田外務大臣】現地に行かれずに日本でお待ちになられたご家族の方々がおられました。そしてその後に現地に行かれたご家族の方々がご帰国をされました。こうしたご家族の皆様方にお会いさせていただき,大変疲労の色の濃く出ておられる方も大勢おられました。言葉少なでございましたが,それぞれ心身ともに大変なご負担の中にあるのではないか,このように感じた次第です。こうしたお姿を見る中にあって,改めて強く,深い悲しみ,そして強い憤りを感じた次第です。

【記者】空港で献花・黙祷をされていましたけれども,どのような大臣自身はお気持ちでどのような言葉を述べられたのでしょうか。心の中で。

岸田外務大臣】まずは,心から哀悼の意を表させていただきました。そして,国際社会,国際協力の最前線でご尽力をされてこられた皆様方がこうしたテロ事件に巻き込まれ残念な結果になったわけですが,こうした皆様方のバングラデシュの発展にかけた強い思い,そして高い志に心から敬意を表させていただきました。そして,政府,外務省としましても,残された家族の皆様方に対しましても,しっかりと今後とも対応させていただかなければならないという思い,こうした思いをこめさせていただきながら献花をさせていただいた次第です。

【記者】政府として今後のご家族への対応というのはどういったことを具体的にお考えですか。

【岸田外務大臣】ご家族の皆様方に対してしっかりフォローさせていただかなければなりません。それぞれのご家族に担当をつけさせていただきまして,今後もそれぞれのご家族に対するフォローに万全を期していきたいと考えます。

【記者】副大臣の方に伺ってよろしいでしょうか。現地に実際に行かれてみてどういうような印象を受けたのかということと,あと帰国される時の機内での皆さんの様子というのを少し聞かせていただければと思います。

【木原外務副大臣】現地は2日間にわたりましてバングラデシュ政府が喪に服するということでありまして,日本,私ども,もちろんでありますけれども,バングラデシュ全体として大変な悲しみの中にあったということであります。そしてご家族の皆様には大変厳しい,またつらい環境の中でご家族と対面をいただくということになりましたが,ご家族の皆様には大変忍耐力をもって対応をいただきました。改めてご家族の皆様にも感謝と敬意を申し上げたいとこのように思っております。機内の中では,やはりこれからご家族の皆様にとっては最愛なるご親類の皆様と静かに時を過ごしていくと,非常に大切なことでありますので,機内から含めてこれからもぜひしばらくの間,静かに思いを胸にお過ごしいただけるように機内でもお過ごしをいただいたということでございます。

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