記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年7月2日(土曜日)23時33分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

【岸田外務大臣】7名の日本人の方の安否が確認できない状況にありましたが,バングラデシュ渡邉大使をはじめとする大使館関係者が,バングラデシュ政府がご遺体を搬送した病院を訪問の上,その中に,7名の日本人が含まれていることを確認いたしました。所持品などから,この7名は,いずれもJICAプロジェクトのコンサルタント関係者であり,男性5名,女性2名であります。氏名等,これ以上の詳細については,ご家族との関係もありますので,現時点では差し控えたいと思います。そして,外務省としては,木原副大臣を現地に派遣し,また,領事,プレス担当の専門家,医務官などを含む海外緊急展開チーム(ERT)を派遣し,総勢30名以上の体制を現地に作るなど,対応に万全を尽くしてきたわけですが,このような結果に終わりましたことは痛恨の極みであります。そして,ご家族の気持ちに寄り添い,なし得る限りの支援をしていきたいと考えます。この一環として,ご家族の意向を踏まえつつ,明日にも,政府専用機を派遣すべく準備を整えているところです。残虐非道なテロで,罪のない方々の尊い命が奪われ,強い憤りを覚えております。いかなる理由であれ,テロは決して許されるものではなく,断固として非難をいたします。国連安保理においても,本件を取り上げ,しっかりとメッセージを発信したいと考えております。

質疑応答

【記者】今後の予定としては,政府専用機を出してご遺体をこちらに搬送するということになると思うのですけれども,負傷された方については,どのように。一緒に連れて帰ってくるという方向で今調整しているのでしょうか。

【岸田外務大臣】負傷された方につきましても,現地におきまして最大限の支援を行っているところですが,負傷の状況,治療の状況等も勘案しながら,そしてご本人の意向もしっかり確認した上で,できるだけ早く帰国を実現するべく努力をしていかなければならないとは考えております。いずれにしましても,治療の具合,ご本人の意向をしっかり確認した上で,ご本人,あるいはご家族のお気持ちにしっかり寄り添いながら最大限努力をしていきたいと考えます。

【記者】昨日から日本は国連安保理の議長国になりました。大臣の方から国連安保理でもこの問題を取り上げるという話がありましたけれども,具体的には,国際間の紛争ではないので,緊急会合を招集するとか,どういった対応をされるのでしょうか。

【岸田外務大臣】こうした国際社会として,こうしたテロに対して強い非難のメッセージを発しなければならないと考えています。具体的には,ニューヨークにおいて,国連の安保理,あるいは関係国としっかり意見調整をしていきたいと考えております。具体的な形は,そうした意思疎通や協議をした上で決定したいと考えます。いずれにせよ,ニューヨークを舞台にして,至急,取組を開始していきたいと考えます。

【記者】それは議長声明なども含めた・・・。

【岸田外務大臣】そうですね,いずれにせよ,具体的な形は関係者と協議した上でだと思いますが,国際社会としてこうしたテロは決して許すことはできない,テロをしっかり非難し,国際社会としてしっかり連携しながらテロ対策を進めていかなければならない,そういった趣旨のメッセージを発することは重要であると考えます。

【記者】負傷された方が1名いらっしゃいますけれども,その方からは直接事件の状況についてお話を聞けているのでしょうか。

【岸田外務大臣】病院に大使館の職員は足を運び接触をさせていただいております。一方で治療を続けておられるとも聞いております。治療に差し支えない範囲でしっかりとお話を聞き,ご意向も確認したいと思っております。

【記者】あと亡くなった方についてのお名前ですとか年齢については,ご家族の了解が得られた上でいずれは公表するということになるのでしょうか。

【岸田外務大臣】そうですね,お名前と具体的な詳細につきましては,ご家族のお考えも確認した上でなければ,我々として公にすることはできないと思います。確認した上で適切に対応していきたい,このように思っています。

【記者】政府専用機を活用されると検討されている件ですけれども,これはやはり犠牲になられた方々がODAの関係の方々という,そういう要素もあるのでしょうか。

【岸田外務大臣】これは,今回の件につきましてのさまざまな状況,そして政府として負傷された方,あるいは犠牲になられた方,そしてご家族に対して最大限配慮しなければならない,さまざまな点を勘案した上で政府専用機を出さなければならないと判断した次第です。さまざまな状況を総合的に判断した結果であります。

【記者】明日,副大臣は着いてまず何をするような形になるのでしょうか。

【岸田外務大臣】着いて・・・ですから今はまだ移動中です。その間にも,大使,あるいは大使館職員がご遺体が安置されている病院に足を運び,そして今申し上げたような確認も行っています。そういった状況を踏まえて到着時点でやるべきことをしっかり判断したいと思います。今まだ移動中でありますので,外務省の緊急対策本部としましても,現地対策本部としっかり連携しながら到着後の日程については何をするべきなのか,しっかり検討した上で副大臣の到着を待ちたいと思います。今そういった連絡・調整を行っている最中であります。

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