記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年5月24日(火曜日)9時21分 於:官邸エントランスホール)

沖縄県うるま市の女性行方不明事件

【記者】沖縄のですね,死体遺棄事件で,アメリカ軍の軍属の男が逮捕された事件に関してですね,沖縄,来月19日にも県民大会を行うなどですね,沖縄地元での反発がかなり強まっています。20年前もですね,同様の事件で,それは結果的には橋本政権のSACO合意という大きな動きにつながったわけですけれども,今後の,どうこの事態をですね,政府として収束していくお考えなのかということと,今後,どのように沖縄と向き合い,どのように説得していくかということについて,簡単にお伺いできますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,今回の事件は将来ある女性に対する卑劣な行為による残忍凶悪な事件であり,極めて遺憾なことであります。そして米国に対しましては強く抗議をし,そして今捜査が進んでいるこの捜査に,全面的に協力をすること,そして米軍人,米軍属の綱紀粛正,そして効果的な再発防止,これを求めています。まずは米国の努力が重要であると考えます。米国の対応をしっかりと確認をしなければなりませんが,この再発防止に向けては日本政府もしっかりと成果が上がるように,協力,努力もしなければなりません。是非,日米でしっかり取り組んでいかなければならないと考えます。
 まずは今申し上げた対応が重要であると思いますし,そのことをそうした取組について,あるいは米国の対応について,地元沖縄の皆様にしっかり説明をすること,これが重要であると考えます。そうした取組を進めながら,沖縄県民の皆様方の声にもしっかり耳を傾けながら,今後について考えていくべきであると思います。

【記者】沖縄への対応ですけれども,翁長知事はですね,明日日本を訪れるオバマ大統領との面会を求めています。これは実現する可能性は少しでもありそうですか。

【岸田外務大臣】オバマ大統領の日程については,まだ引き続き調整が続いています。ぎりぎりまで調整が続くものであると考えています。まだ何も決定しているものではありませんが,一般論として申し上げるならば,外交安全保障については,政府同士が話し合う課題であると認識をしています。

【記者】オバマ大統領とのですね,首脳会談ですが,これまで再三,日本側はアメリカ側に強く抗議したりとか,再発防止の策定について申入れをしたりしてきましたけれども,オバマ大統領との首脳会談でどのような,また改めて要請ですとか,やり取りというのがある…。

【岸田外務大臣】今回の事件に関してということですか。首脳会談の中身については今申し上げたように,ぎりぎりまで調整が続くものであると考えてはおりますが,今回の事件,大変深刻であり,大変重要な事件であります。この事件についても申入れが行われるものであろうと思っております。

日台関係

【記者】台湾の新政権が沖ノ鳥島から巡視船を撤去すると,新しい対話枠組みをこれから立ち上げるということなんですが,受け止めをお願いします。

【岸田外務大臣】これは確か昨日発表されたと思いますが,交流協会と亜東関係協会の間で日台海洋協力対話が立ち上がることになっています。この枠組みを通じまして,海洋協力に関する日台間の意思疎通が図られることを期待しており,日本政府としましてもできるだけの支持と協力をしていきたいと考えております。

オバマ大統領の広島訪問

【記者】オバマ大統領の広島訪問に関連してお伺いするのですけれども,日本政府はこれまで原爆投下の謝罪を求めないというような方針ですけれども,広島・長崎への原爆投下をめぐっては,国際法違反なのかどうかなのかという議論が今でもあるところですが,改めて大臣としてのお考えをお伺いしたいのですが。

【岸田外務大臣】我が国政府の立場ですが,原爆の投下によって多くの人命が失われ,そしてその後障害などですね,人道上極めて遺憾な事態がもたらされたと認識をしています。そして国際法の思想的な基盤である人道主義に,この原爆投下は合致しないというのが,日本国政府の考え方であったと承知をしています。こういった考え方については,これまでも様々な場で説明をしてきました。国際法との関係については今申し上げたのが日本の立場であります。

【記者】オバマ大統領の広島の平和公園訪問の際にですね,被爆者の方の参加というのが検討されているかと思うのですが,これについて大臣,どのようなお考えをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】これはまだ調整中でありますし,米国の考え方も踏まえなければなりませんので,私(大臣)の立場から,今の段階で何か具体的に申し上げるのは控えたいと思います。様々な意見があるのは承知しています。こうした意見も念頭に,最後まで調整をしていきたい,このように思います。

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