記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年4月15日(金曜日)8時42分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
平成28年版外交青書の閣議配布
【岸田外務大臣】平成28年版外交青書の要旨を閣議で配布いたしました。今回の外交青書には,戦後70年の節目の年であった昨年に,日米同盟の強化,近隣諸国との関係推進及び経済外交の推進において大きな進展があったこと,また,国際社会の平和と安定にも積極的に取り組んでいることなどについて記述をしております。
日露外相会談
【記者】今日,日露外相会合が開催されますが,その中で北方領土問題について解決の糸口はつかめそうでしょうか。
【岸田外務大臣】はい,これまさに,これから会談を行うわけですから,会談の中身,成果において,今から予断をもって何かを申し上げるのは適切ではないと思います。いずれにしましても,平和条約問題を含めて日露両国関係について,是非,しっかりと議論していきたいと思っています。
平成28年版外交青書
【記者】今,お話があった今年の外交青書についてですが,韓国との間で去年は重要な問題が存在するという記述があったと思うんですが,今年は削除されていました。その意味を教えてください。
【岸田外務大臣】重要な問題があると,去年は書いてあった,今年はない,ということで,その表現ぶりがどうであったかは,ちょっと確認してみますが,いずれにしましても今年の青書の中には,竹島問題,旧民間人徴用工問題,更には日本水産物の輸入規制問題など,こうした問題はしっかりと記述されています。こうした困難な問題にしっかり取り組んでいかなければならない,こうした政府の立場は全く変わっておりません。
【記者】外交青書ですけど,竹島の話が若干具体的になったり,あと,東シナ海,南シナ海についての言及が,今回は増えたように印象を受けました。これは今年も領土問題にかけている日本政府として,しっかりと対応していくという,そういうこだわりと見てよろしいのでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘のボリュームが増えたか減ったか,ちょっと去年と比べていないので,私(大臣)も確認はしておりませんが,今ご指摘のような問題は,大変重要な問題だという認識は変わりはないと思います。昨年からこうした様々な重要な課題にしっかり取り組んでいく,こうした政府の考え方,姿勢は変わっていないと思っています。
韓国総選挙結果
【記者】韓国で選挙が行われまして,与党が過半数割るような結果になりました。今後の,大臣,去年末,大きな日韓合意を結ばれたのですけれども,今後,日韓関係の影響について,あるいは去年末の日韓合意,これがしっかり履行されるのかどうか,その見通しについてお伺いできますでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,韓国の選挙の結果については,韓国の内政,国内での選挙に関することですので,私(大臣)の立場から何かコメントするのは控えます。いずれにせよ昨年末の日韓合意については,両国政府が誠実に履行することが重要であると考えます。その点は変わりはないと思っています。
地震関連
【記者】地震関連ですけれども,関係各国,外相を含めて何か電話会談の可能性はあるか,また,お悔やみ,弔意等の何かメッセージはあったかについてお願いします。
【岸田外務大臣】まず,地震については,今,政府一丸となって対応を続けています。引き続きこの真剣な取組が求められると思っています。そして海外との関係においては,今現在,具体的に電話会談等は予定はされておりません。そして弔意等については,今現在どうなっているか,ちょっとまだ私(大臣)自身は把握しておりません。これから確認いたします。
北朝鮮ミサイル関連
【記者】北朝鮮問題についてお伺いします。北朝鮮で15日に太陽節,金日成(キム・イルソン)生誕節を迎えました。韓国の報道ではムスダンの配備等が指摘されておりますけれども,現在,最新の状況等についてどのように把握されていらっしゃるのか,あと,あるいは対応について何をされているのかお伺いします。
【岸田外務大臣】当然のことながら,北朝鮮に関しましては,様々な手段,そして様々な外交ルート通じまして,あらゆる情報を収集し,そして分析を行っております。具体的な内容については,これは事柄の性質上,これは明らかにすることは控えなければなりませんが,そうした情報に基づいて政府としては万全の体制を整えていかなければなりません。万が一の事態にもしっかり備えられるように,対応することも重要であると考えます。
日露外相会談
【記者】本日のラヴロフ外相との会談ですけれども,停滞している北方領土をめぐる交渉については,どのような話合いをしたいと考えていますでしょうか。
【岸田外務大臣】もちろん,平和条約問題,これはすなわち北方領土問題であると考えています。これも含めて,二国間関係についてしっかり議論していかなければならないと思います。ただ,相手のある話であり,これから会談を行うこの時点において,どんな成果を上げたい云々,その中身について申し上げるのは控えるべきではないかと思います。
岸田大臣の訪中
【記者】4月半ばになりましたが,春頃の訪中についてですけれど,見通しはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】中国を春頃までに訪問したいという私(大臣)の思いは変わっておりません。そして訪中については調整を続けております。ただ,今現在,具体的な日程は確定はしておりません。