記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年3月29日(火曜日)8時25分 於:官邸エントランスホール)
平和安全法制の施行
【TBS 深井記者】今日は安全保障法制が施行されました。改めてこの意義について,それからこれが日米同盟,近隣諸国との外交に与える影響についてもお願いいたします。
【岸田外務大臣】まず,国民の命と平和な暮らしを守ること,これは政治にとって,政府にとって大変重要な責務ですが,まずは力強い外交を通じて,好ましい国際関係をつくっていかなければなりません。そしてその上で,万が一の場合に備えて国民の命を,暮らしを守る万全の体制を敷く,そのために平和安全法制,これは必要不可欠なものであると考えています。
是非,こうした平和安全法制については,引き続き丁寧に,そして分かりやすく,国民にも説明をしていきたいと思いますし,この平和安全法制については,米国,欧州,アジアなど,多くの国々から支持をする,歓迎をする,こういった反応をいただいております。国際社会に対しても引き続き,丁寧に,分かりやすく説明を続けていきたいと考えています。
米国大統領選挙関連
【TBS 深井記者】アメリカ大統領選の共和党の候補者のトランプ氏が,在日米軍の駐留について,撤退する可能性についても,最近言及していますけれども,これについてはいかがお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず基本的に,米国でまだ引き続き続いている選挙の中における候補者の発言ですので,私(大臣)の立場から,その発言について何か申し上げるのは適切でないとは思います。ただ,誰が米国大統領になるにせよ,日米同盟,これは我が国の安全保障にとって,また地域の平和や安定にとって,これは大変重要であり,しっかりと維持していかなければならないと考えています。
北朝鮮関連
【TBS 深井記者】間もなく行われる核セキュリティ・サミットの前後にですね,北朝鮮が核実験を行うのではないかという見方も出ていますけれども,現状,日本政府として把握されている状況はいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】北朝鮮については,平素から情報収集・分析にしっかり取り組んでいます。ただ,詳細について明らかにするのは,我が国の情報収集能力に関わる問題であり,事柄の性質上,詳細を明らかにすることは適切ではないと考えます。
ただ,北朝鮮に対しましては,引き続き,累次の安保決議を遵守し,そして挑発行為を自制するということをしっかり働きかけていかなければなりません。北朝鮮の核開発,あるいはミサイル開発は容認できない,これは全く変わりはありません。
米国大統領選挙関連
【中国新聞 田中記者】トランプさんですけれども,日本や韓国の核武装についても容認するような発言をしておりますし,先般はイスラム国に対する核兵器の使用を最終手段というふうに発言していますけれども,これについてはどうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】先ほども言いましたように,今,米国で行われている選挙の候補者の発言について,逐一申し上げるのは控えなければならないとは思いますが,我が国は非核三原則があり,原子力基本法があり,NPT体制を重視しております。我が国が核武装するなどということは,あり得ないと考えています。
日中関係
【産経 田北記者】日中緑化基金が一部の報道であるんですけれど,日中緑化基金について,日本側から中国に打診していた拠出について,中国が拒否したという一部報道があるのですけれど,その事実関係をお願いします。
【岸田外務大臣】その基金につきましては,補正予算で既にお認めいただいています。その趣旨に則って,適切に運営されるべきものであると考えています。詳細については,私(大臣)自身,確認してみないと分かりません。
核セキュリティ・サミット関連
【読売新聞 森藤記者】核セキュリティ・サミットで,日米間で京大の研究用原子炉のウランを45キロ分,アメリカに返還することで合意するのではないかという一部報道があるのですけども,現在の見通しをお願いします。
【岸田外務大臣】核セキュリティ・サミットの際に,日米韓の首脳会談を行いたいと考えています。ただ,内容については,多分ぎりぎりまで調整が行われるものだと思います。具体的な議題について今の段階で予見するのは控えます。引き続き調整していきます。