記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年3月25日(金曜日)8時40分 於:官邸エントランスホール)
ベルギー・ブリュッセルにおけるテロ事件
【NHK 栗原記者】ベルギーの連続テロでですね,邦人が2人,重軽傷を負ったという事件がありましたけれども,この邦人の被害の状況の更新,今の状況とですね,今後,こういった暴力的過激主義対策や,テロ対策などについてですね,G7外相会合でどのようなメッセージを打ち出していきたいか,ということについてお伺いします。
【岸田外務大臣】ベルギーのテロ事件における邦人の被害ですが,重傷の方1名,そして軽傷の方1名が確認されています。重傷の方の容態ですが,依然意識は戻っておられないということですが,容態は安定しているという報告を受けております。一日も早い回復をお祈りしたいと思いますし,負傷された方,そしてご家族に対しましては,現地の大使館を中心に万全の支援体制を敷いています。しっかりと支援をさせていただきたいと思っています。
そして今回のベルギーでのテロ事件は,改めてテロ対策,暴力的過激主義対策の重要性を示すものであると考えています。来たるべきG7サミット等におきましても,テロ対策,暴力的過激主義対策は最重要課題のうちの一つであると考えます。是非,しっかりと議論をしていかなければならないと考えます。
トルコ国内のシリア国境における邦人拘束事案
【NHK 栗原記者】トルコでですね,邦人の20代の男性が拘束されて,解放された後に帰国されました。こういった,トルコはもともとあの地域というのは退避勧告も出ていて,外務省としても渡航しないよう注意を呼びかけていたところですけども,今後邦人に向けてですね,そういった安全対策,どのように呼びかけていくお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】退避勧告地域への渡航は極めて危険であり,渡航することがないように,今までも強く呼びかけてきました。また個別具体的に,そうした渡航のケースを認知した場合には,個別に説得を行う,こうした取り組みも行ってきました。
今回の事案を受けて,改めて広報につきましても徹底をしなければならないと考えます。そして引き続き,個別の事案で,渡航をするというようなケースを認知した場合には,説得にも努めなければならないと考えます。
横井駐中国大使の任命
【NHK 栗原記者】今日の閣議でですね,トルコ大使を務めておられた横井大使が中国大使に起用されることが決まりました。この起用の狙いとですね,今後の日中関係,どのように改善の基調にあるということですけれども,どのように進めていきたいかということについてお伺いできますでしょうか。
【岸田外務大臣】横井大使につきましては,中国の専門家であり,豊富な経験も持っています。適材適所の判断の下に,人事を行いました。そして今後の中国ですが,全体としては,関係改善基調にあると考えていますが,引き続き,あらゆるレベル,あらゆる分野で対話を続けていく必要性については,両国で一致をしています。引き続き,対話を続けていきたいと考えています。そうしたことを積み重ねることによって,戦略的互恵関係に基づいて,両国関係を前進させていきたいと考えます。
岸田大臣の中国訪問
【NHK 栗原記者】岸田大臣の春頃にもと言われていた中国訪問については,今のところ調整状況についてお伺いできますでしょうか。
【岸田外務大臣】今申し上げたように,日中間においては,あらゆるレベル,あらゆる分野で対話を積み重ねていくことの重要性については,一致をしています。ただ,私(大臣)の訪中については,今現在,具体的なものはまだ何も決まっていない状況です。引き続き,対話の努力は続けていきたいと考えます。
横井駐中国大使の任命
【香港フェニックステレビ 李記者】横井大使の任命については,中国の中では,日本の中国との関係重視の表れではないかといった評価の声があります。大臣としては,どのようなご期待がありますか。特に中国に詳しい大使の就任について。
【岸田外務大臣】もちろん,我が国としまして,日中関係は,最も大切な隣国関係のうちの一つであると認識をしております。日中が国際社会に対しても,平和や安定や繁栄に大きな責任を担っているということを考えますときに,中国との関係は重要であると考えます。そうした認識もあり,中国の専門家である横井大使を任命したということです。
トルコ国内のシリア国境における邦人拘束事案
【フジテレビ 藤田記者】トルコで拘束された男性で,昨日,日本に戻ってきましたけれども,外務省としてはどういう経緯か,事情を聴取したということはあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,トルコにおいて事情聴取が行われました。トルコとは様々な形で意思疎通を図っていますが,具体的な内容については控えたいと思います。
そして昨晩,その男性は帰国されました。帰国されてから後は,警察が対応しています。よって,私(大臣)の立場から,その内容について申し上げるのは控えたいと思います。