記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年3月22日(火曜日)8時35分 於:官邸エントランスホール)
北朝鮮関連
【フジテレビ 藤田記者】昨日,北朝鮮から4発の飛翔体が発射されたのですけれども,それはミサイルか,ロケットか,今は確定していないかと思うのですけれども,それの受け止めと,これからの対応というのを教えていただけますでしょうか。
【岸田外務大臣】北朝鮮に関しては,平素から情報収集・分析に努めていますが,ご指摘の点につきましては,我が国の情報収集にも関わる問題ですので,発言は控えますが,我が国への飛翔体の飛来は確認されておりませんし,我が国の安全保障に直接影響が生じているということは認識しておりません。我が国としましては,引き続き関係各国と連携しながら,北朝鮮に対して自制や安保理決議等への遵守を働きかけるとともに,あらゆる事態に対応できるよう,万全の体制で備えておかなければならないと考えます。
【フジテレビ 藤田記者】これから北朝鮮に対しての抗議ということは,対応としては,政府はとっていくのでしょうか。
【岸田外務大臣】先ほども申し上げましたように,事柄の性質上,それ以上申し上げることは控えます。
【フジテレビ 藤田記者】それは飛距離が今回は短いということ・・・。
【岸田外務大臣】情報収集に関わる問題です。我が国の情報収集能力に関わる問題ですので控えます。
G7外相会合
【フジテレビ 藤田記者】昨日までヨーロッパを歴訪されてお戻りになったかと思うのですけれども,今回,G7外相会合に向けて各国の外相を平和記念公園と原爆資料館への招待をされていますが,イタリアからは前向きな発言があったかと思うのですけども,フランスの外相からは,今回,平和記念公園への訪問ということに関しては,前向きな発言があったのでしょうか。
【岸田外務大臣】イタリア,フランス両国の外相に対しまして,被爆地を訪問し,被爆の実相に触れるということは,国際的な核兵器のない世界を目指すという機運を盛り上げる意味で,大変重要であるという考え方,そしてそうした考え方に基づいて,G7外相会合の関連行事を決定していきたい,こういった日本の考え方を説明させていただきました。こうした日本の考え方は理解が得られたと受け止めています。
日韓局長協議
【フジテレビ 藤田記者】本日,日韓局長協議が開催されることになっていますけれども,去年の日韓合意以降,非常に友好的な基調で進んでいるかと思うのですけれども,今日の協議に期待することは何がありますでしょうか。
【岸田外務大臣】今日午後,我が方が石兼アジア大洋州局長,そして先方が新しく就任されました鄭炳元(チョン・ビョンウォン)韓国東北アジア局長,この両者の間で日韓局長協議を開催いたします。
今回の協議は,昨年末の日韓合意後,初めての局長協議となります。中身について今の段階で予断は控えますが,合意のフォローアップを含めて,有意義な局長協議が日韓間の様々な課題について行われることを期待したいと思います。
北朝鮮関連
【NHK 渡辺記者】北朝鮮の飛翔体の発射についてお伺いしようと思いますけれども,従来の,例えば弾道ミサイル中距離,短距離含めて,発射された場合は抗議されていましたけれども,今回抗議されないと,何か従来と違うことがあるからできないのでしょうか。
【岸田外務大臣】何もそれ以上,具体的なこと申し上げないということを言っております。少なくとも我が国に対する飛翔体の飛来は,確認されておりません。
【NHK 渡辺記者】具体的に発射されたかどうかは確認が取れていないということなのでしょうか。
【岸田外務大臣】具体的なことを申し上げないと申し上げております。
南シナ海情勢
【産経新聞 田北記者】インドネシア近海でですね,中国漁船が出てきて,インドネシアと中国と対立をしているのですけれども,今回の中国の対応というのは,結構かなり,ちょっと過激な対応をとっておりまして,これについてどういうふうに考えておられますか。
【岸田外務大臣】ご指摘の点につきまして,報道等承知しております。それで南シナ海においては一方的な緊張を高める行動については,懸念をしています。関連各国は関連国際法に従って,行動を自制するとともに,対話を通じて平和的に解決を図るべきであると考えます。
【産経新聞 田北記者】外相サミットでもこの問題については取り上げる考えは・・・。
【岸田外務大臣】どの問題,具体的な話については,今,何を取り上げるかとかいうことは,まだ調整中でありますし,決まっておりません。法の支配や国際法を遵守する,こういった議論は当然大切な議論であると思っています。