記者会見
岸田外務大臣臨時会見記録
(平成28年2月7日(日曜日)23時59分 於:中央玄関ホール)
冒頭発言
【岸田外務大臣】先月の核実験に続いて,弾道ミサイルが発射されるという,北朝鮮の挑発行動を受けて,本日夕刻から,韓国,フランス,ロシア,英国,イタリア,マレーシア,そして米国,合わせて7か国の外相と電話会談を行いました。忌憚の無い意見交換を行うことができました。これら7カ国とは,まず,北朝鮮の一連の行動,これは,安保理決議に反するものであり,決して容認することはできないこと,そして,引き続き緊密に連携し対応していくということ,こうしたことを確認いたしました。
その中で,米国及び韓国との間においては,私の方から,我が国独自の措置を行う方針を固めた旨伝え,我が国が断固たる対応をとることについて,両国から前向きな反応を得るとともに,日米韓,3カ国による安保協力の意義も再確認いたしました。
そして,ロシアに対しましては,安保理における協力を求め,専門家レベルを含め,様々なレベルで連携していくことを確認いたしました。
また,日米韓の働きかけを受けて,8日未明,すなわち,8日日本時間の午前1時に,安保理で緊急会合が開催されます。関係国間で議論が続いている新たな安保理決議も含め,引き続き,安保理において,しっかりとした対応を行って参ります。
我が国としましては,G7の議長国,また,国連安保理非常任理事国としての責任をしっかり果たしていきたいと考えています。
北朝鮮に対しましては,国連安保理決議,あるいは六者会合声明を誠実に履行するよう,国際社会とも連携しながら,しっかりと求めていきたいと考えています。
質疑応答
【記者】大臣,最後のケリー国務長官とは,具体的にもう少し詳細を伺ってもよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】基本は,日本側からは独自の措置を行うこと等について説明を行い,米国の状況判断,或いは考え方,こういった説明をケリー長官から受ける,こういったやりとりでありました。具体的な中身については,特に米国側の説明について私から何か申し上げることは控えたいと思いますが,引き続きまして,安保理の場等において日米が協力していくこと,これが大変重要であるということ,それから日米韓の協力が重要であること,この点では一致を致しましたし,何れにせよ,安保理の場で北朝鮮に強いメッセージを伝えていくこと,これが重要であるということにおいては一致を致しました。基本的にはそういったやりとりでありました。それ以上の詳細は控えます。
【記者】ケリー国務長官との電話会談の話なんですけれど,日本としての独自の措置を行うということについて,アメリカ側からはどういった反応があったのでしょうか。
【岸田外務大臣】米国,韓国には日本側が独自の措置を行う方針を固めたことを伝えました。そしてそれに対して米国からも韓国からも前向きな反応を得ることが出来ました。
【記者】独自の措置というのはいつ頃というふうに考えたらよいのでしょうか。
【岸田外務大臣】これは,官房長官も会見等で説明していますが,出来るだけ速やかに,そういう方針で取り組んでいます。
【記者】独自措置について関連なんですけれども,措置については一昨年ストックホルム合意において,日本側は一部制裁を解除したわけですけれども,今回,核,またはミサイルで再度独自の措置をとるということになると,拉致問題とどういうふうに整合性,説明をつけていくのか,というのがあると思うのですが,その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】内容についてはまだ何も決まっていません。総理の指示を受けて政府として検討を行っています。是非我が国としての強い思いが伝わるような措置にしなければならないと考えます。引き続き検討を続けます。
【記者】大臣,そうしますと,拉致の調査を開始するという北朝鮮の申し入れを受けて解除した部分を,また元に戻すということなのか,それ以上のより強いものになるということなのか・・・
【岸田外務大臣】内容は何も決まっていません。
【記者】今日7か国と外相会談しましたが,中国とは予定しているのか,或いは調整しているのかどうかという点についてお願いします。
【岸田外務大臣】中国とは電話会談は別に予定はしておりません。