記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年1月29日(金曜日)9時50分 於:官邸エントランスホール)

北朝鮮関連

【NHK 栗原記者】北朝鮮のですね,ミサイル発射場で発射の予兆とも見られるような動きが,衛星写真が民間のサイトでも確認されています。これについて現時点,日本政府としてどのようなこと把握されているかということと,あと今後,日本政府の対応としてどのようなことをお考えになっているかということについてお伺いできますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,北朝鮮の動向につきましては,大きな関心を持って情報収集,分析に当たっております。ただ,詳細につきましては,インテリジェンスの問題でもあり,内容に鑑みても明らかにするのは控えなければならないとは思っています。ただ,今日までの金正恩(キム・ジョンウン)体制の行動に鑑みれば,ミサイル発射等さらなる挑発行動をとるということも,可能性は否定できないと考えています。
 そして,私(大臣)もこの直後,アメリカ・ケリー国務長官と電話会談を予定しております。米国,韓国を始め関係国と引き続き緊密に連携をとりながら,北朝鮮にまずは自制を求め,そして安保理決議等の遵守を求めながら,一方であらゆる事態に備えて万全を期していきたいと考えます。

【NHK 栗原記者】一方でですね,国連安保理では,先の北朝鮮の核実験をめぐって,制裁決議をめぐって議論が行われています。今回のミサイル発射の予兆というのがこの決議に向けた協議に影響を与える,協議の期間とかですね,決議が出るタイミングに影響を与えるとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】具体的な情報については,何か申し上げることは控えなければならないと思っていますし,その影響について申し上げるのも控えさせて頂きたいと思います。ただ,安保理決議につきましては,引き続き関係国の間で様々なやり取りが行われています。先日行われました米中の外相会談においても,双方とも新たな制裁決議が必要という認識は述べられたと承知をしています。引き続き関係国と連携しながら,新たな決議の採択に向けて,我が国としましても積極的に対応していきたいと考えております。

外務大臣就任期間歴代4位

【毎日新聞 小田中記者】話題変わって恐縮なんですけれども,明日でですね,大臣に就任されてから河野洋平氏に並ぶ歴代4位になりますんで,平成に入ってからは最長の外相となられるのですけれども,改めて12月には日韓合意の外相会談など成果も上げられましたが,これまでのご自身としてどのように振り返っていらっしゃるのか,今後どのような成果を上げていきたいか,抱負を伺えますか。

【岸田外務大臣】外務大臣としての就任の期間についてご質問頂きましたが,外務大臣をある程度の長さをもって務めるということは,人間関係を形成するとか,様々な経験を積むという意味で,意味はあるとは思いますが,長ければ良いというものでもない,やはり中身が重要だと考えます。国際情勢,様々な動きがあり,不透明な現状にあると感じています。引き続き緊張感を持って外務大臣としての仕事を務めたいと思っています。

【共同通信 河内記者】大臣は一方で派閥,自民党内において派閥の会長であり,派閥の領袖であるわけですけれども,その立場から,今後将来的に,いわゆるポスト安倍に向けてどう発信力を高めていくか,お考えがあれば教えてください。

【岸田外務大臣】派閥,政策集団というものは,同じ政策なり志を持つ,同士が集まっている集団であり,大変貴重な人間関係であると思っています。こうした活動も引き続き大切にしていきたいとは思っています。それと外務大臣として与えられた職務をしっかり果たしていきたいと思っています。今思っているのはその二つです。

慰安婦問題関連

【産経新聞 田北記者】数日前に,元慰安婦が2人来日して日韓合意を破棄せよというような集会などをやったりしたんですけれども,これはやはり日本国内にもですね,元慰安婦を日本に呼んでという動きもあると思うんですけれども,こういうのは合意の中にある互いに非難・批判したりしないとか,そういうものと整合性というのですか,そういう観点からどのように思われますか。

【岸田外務大臣】この慰安婦問題に関する日韓合意につきましては,様々な意見をお持ちの方がおられるということは承知をしています。ただ大事なことは,日韓両政府が最終的・不可逆的な解決であることを確認したわけですので,この合意の内容を誠実に履行すること,これが何よりも重要だと思っています。

【産経新聞 田北記者】つまり,民間の動きはそれほど・・・。

【岸田外務大臣】日韓の政府の間で合意がなされました。この合意をしっかり履行することが大事だと思っています。

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