記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年1月13日(水曜日)18時24分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

(1)日露外相電話会談

【岸田外務大臣】先ほど,午後5時45分から25分間,ロシアのラヴロフ外務大臣と電話会談を行いました。私の方から,今回の北朝鮮の行動,行為は,地域と国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な脅威であり,累次の安保理決議等に明白に違反しているとともに,国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であるということ,そして,国際社会が断固とした対応をとることが極めて重要であり,安保理常任理事国であるロシアとも緊密に連携していきたい,こうした旨述べました。これに対しまして,ラヴロフ外務大臣からは,北朝鮮の行動は,国連安保理決議に違反しており懸念する,そして,ロシアとしても新しい安保理決議の協議に参加する用意がある,こうした旨の発言がありました。引き続き,安保理非常任理事国として,ロシアを含む関係国間でしっかり連携をしつつ,国際社会の平和と安全に対する責任を果たしていきたいと考えます。

(2)軍縮・不拡散イニシアティブ(NODI)共同声明の発出

【岸田外務大臣】12日,日本など12か国が参加する軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)は,1月6日の北朝鮮に対する核実験を強く非難する共同声明を発出いたしました。本件声明は,日本が豪州と共に主導し発出したものです。今回,地域横断的な軍縮・不拡散のグループでありますNPDIが北朝鮮の核実験を非難する声明を発出したことは意義深いものであると考えます。日本としては,「核兵器のない世界」の実現に向け,引き続き国際社会を主導していきたいと考えます。

質疑応答

【記者】北朝鮮が核実験を行って一週間になるわけですが,安保理常任理事国のロシアに具体的にどのような働きかけを求めたのでしょうか。具体的なやりとりがありましたら。

【岸田外務大臣】国連安保理における様々な議論については,今,引き続き継続して行われています。具体的なやりとりについては,今,こうした公の場で述べるのは控えるべきだと思います。何れにしましても,先ほどのロシアとのやりとりの中にもありましたように,ロシアもこの問題につきまして,新しい安保理決議の協議に参加する用意があるということで,この議論に参加するということですので,引き続き連携しながら具体的な成果に向けて努力していきたいとと思います。

【記者】核実験が行われて一週間ですが,本日の会談はロシア側の休日とかが関係してこのタイミングになったということなのでしょうか。

【岸田外務大臣】先週はロシア側が色々都合があり,電話会談が成立しませんでした。週が明けて調整を行い,本日電話会談を行ったということでありました。

【記者】国連の常任理事国として中国は非常に重要な役割があると思いますが,中国との電話会談は。

【岸田外務大臣】引き続き調整をしています。相手のある話であり,日本側も予算委員会の審議等があります。調整を引き続き続けていきたいと思います。

【記者】成立していない理由としては純粋にタイミングがあわないということでしょうか。

【岸田外務大臣】全くその通りだと思います。

【記者】ラブロフ外相との電話会談のことなんですが,北朝鮮の核実験を受けてのやりとだったと思いますが,同時に今年,安倍総理にとってプーチン大統領の日本訪問というのが課題になっていると思うのです,そうした今後の日露の政治対話についてのやりとりというのはあったのでしょうか。

【岸田外務大臣】基本的に北朝鮮問題を通じての日露の連携を確認したということです。もちろん,政治的な対話の大切さは日露とも認識しておりますが,ご指摘のような首脳間のやりとり等,具体的なことについてのやりとりは,今回はありません。

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