記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年1月8日(金曜日)8時32分 於:官邸エントランスホール)
日英間の外務・防衛閣僚会合
【日本テレビ 鳥羽記者】まずは,北朝鮮の核実験を受けて,大臣は昨日,一昨日とG7の外相らと電話会談をされてきました。本日,日英「2+2」に向けて英国外相とはどのような意見交換を交わしたいとお考えですか。
【岸田外務大臣】本日,2回目の日英「2+2」を開催する予定になっています。昨年1月に1回目を開いてから以来の「2+2」になりますが,まずはテロ対策ですとか地域情勢について意見交換を行い,そして両国の安全保障,防衛協力について議論することになると思いますが,あわせて今回の北朝鮮の核実験についても取り上げたいと思います。
英国は安保理の常任理事国でもありますので,安保理において新しい,強い内容の決議を迅速に採択するためにも,是非,英国と協力することを確認できればと思っています。
北朝鮮の核実験
【日本テレビ 鳥羽記者】韓国政府が北朝鮮の核実験を受けて宣伝放送を本日の正午から再開するとしています。日本政府の立場は。
【岸田外務大臣】ご指摘の宣伝放送を本日の正午から再開するということについて発表がされたと承知をしております。我が国としましては,引き続き韓国政府とは緊密に連絡をとりながら,ご指摘の動きについても注視をしていきたいと考えます。
【毎日新聞 小田中記者】現地時間7日なのですが,米中の電話外相会談が行われまして,緊密な連携とおっしゃっていたのですけれども,その会談の受けとめと,中国は従前,安保理決議をする際に中では慎重な意見が強かったと思うのですが,今回,中国の対応に期待する点を・・・。
【岸田外務大臣】まず,米中の外相会談については,私(大臣)の立場から何か申し上げるのは控えますが,中国とは是非,この安保理における,新しい,強い内容の決議を迅速に採択する上において,しっかり協力をしていかなければならないとは考えています。
【毎日新聞 小田中記者】日本側として,米中外相会談を受けて,日中の外相協議の予定は今のところは。
【岸田外務大臣】日中におきましても,外相会談等,意思疎通を図るべく努力をしたいと考えています。電話会談についても調整をしたいと考えます。
慰安婦問題
【NHK 栗原記者】慰安婦問題なのですけれども,昨日行われた自民党の部会で大使館前にある少女像の撤去が10億円を支払う条件にすべきだという意見が相次いでいました。先の日韓外相会談では大臣と尹炳世(ユン・ビョンセ)長官の間で,そこはどういうやりとりがあったかはわからないのですけれども,昨日の自民党の部会のそういった意見の受けとめと,今後政府がどういう対応をするかという点をお願いできますでしょうか。
【岸田外務大臣】財団をつくること,資金を拠出すること,そして少女像の撤去等につきましては,12月28日,私(大臣),そして尹炳世長官が共同記者発表で発表させていただいた合意に尽きております。それ以上でもそれ以下でもありません。それぞれがそれぞれのやるべき内容を履行していくというのが合意の内容であると思っています。その合意に従って両国が適切に対処するものであると考えます。
南シナ海情勢
【朝日新聞 安倍記者】南シナ海についてなのですが,中国が人工島にできた滑走路に相次いで民間機を着陸させていますけれども,中国は民間利用を強調しているようですが,これについて受けとめはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】この一連の中国の動きにつきましては,一方的な現状変更及びその既成事実化を図ろうとする行為であると考えます。我が国としましては深刻な懸念を表明いたします。こうした行動は控えるべきであると考えます。
是非,開かれた自由な,そして平和な海を守るために,国際社会,関係国とも引き続き連携していきたいと考えます。
慰安婦問題
【読売新聞 森藤記者】先ほどの慰安婦像の関係で,私(大臣)と尹長官の合意に尽きているというお話だったのですけれども,自民党の稲田政調会長は慰安婦像の撤去を前提条件にすべきだというような意見も言われているのですが,前提条件ではないということが。
【岸田外務大臣】合意した内容は共同記者発表で発表したとおりであります。
日印原子力協定
【共同通信 河内記者】原子力協定の関係で,先月インド政府と合意した原子力協定について今国会の提出を見送るという報道がありますが,現在の見通しについては。
【岸田外務大臣】ご指摘のインドとの原子力協定については,今,具体的な文言を詰めている段階です。よって,署名ですとか国会提出については,まだ具体的なものは何も,日程は決まっておりません。