記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年12月25日(金曜日)10時25分 於:官邸エントランスホール)
岸田外務大臣の訪韓
【NHK 渡辺記者】大臣の韓国訪問についてお伺いしたいと思いますけれども,週明けの韓国訪問においては,慰安婦問題,あるいは,その他日韓問題でですね,具体的な進展というものは望まれるのでしょうか。
【岸田外務大臣】日韓関係につきましては,今年11月に日韓首脳会談が行われました。その際に慰安婦問題,日韓関係の発展に影響を与えているという認識の下に,今年が日韓国交正常化50周年の年であるということを念頭に,早期の妥結に向けて,協議を加速するという,こうした点で一致をしています。
そうした首脳会談での一致を受けて,11月あるいは12月,日韓の間では局長級協議が行われました。そして,こうした日韓間でのやり取りにつきましては,総理に逐次報告をし,指示を得てきております。
そして,その上で,ご質問の私(大臣)の韓国訪問につきましては,現在調整中です。私(大臣)自身としましても,この日韓関係,そして慰安婦問題につきまして,知恵を絞り,全力で取り組んで,そして,汗をかく用意があります。状況は以上です。
【NHK 渡辺記者】調整中ということなのですけれども,調整中という段階に入ったということは,直近の日韓の動きにですね,例えば,産経新聞の支局長の裁判の問題とか,徴用工の問題とかございますけれども,韓国側に何がしかの歩み寄りがあったので,そういう調整中の段階に入ったということでよろしいのでしょうか。
【岸田外務大臣】いや,日韓首脳間における一致を受け,協議を加速するようにという指示を受けて,両国の外交当局の間で議論を行い,努力を続けてきました。そして,外相訪問についても調整を行っているということであります。
【朝日新聞 安倍記者】今回,訪韓調整中ということですけれども,訪韓された場合には,どのような成果というものを期待されるのでしょうか。
【岸田外務大臣】これは首脳間で合意した協議の加速をし,早期の妥結をするということ,これをしっかりと実行するべく努力を続けています。その努力の一環であります。
【NHK 渡辺記者】そうしますと,努力の一環ということですけれども,外務大臣が訪問されるということは,懸案事項について,何らかの前進はどの程度期待されているのでしょうか。
【岸田外務大臣】相手のあることでありますので,今の時点で予断を持って申し上げることは控えます。
【毎日 小田中記者】一部報道ですけれども,慰安婦問題に関して現状,フォローアップ事業の拡充とか,基金の話などの報道がありましたけれども,今回,もし訪韓された場合に具体的な何か提案とかありますでしょうか。
【岸田外務大臣】相手のあることであり,協議を行っている最中であります。調整中であります。今の時点で,私(大臣)の方から,内容について申し上げることは控えなければなりません。
【毎日 小田中記者】昨日,総理と会談されておられますけれども,総理の方からはどのような方針について指示があったのでしょうか。
【岸田外務大臣】総理には,日韓関係について,あるいは慰安婦問題について,これまでも逐次報告をさせて頂いております。そうした中で様々な指示も頂いてきました。それを受けて今日まで努力を続けてきました。【テレビ朝日 千々岩記者】今回の訪韓ですけれども,交渉に行かれるのか,もしくは最終的な決着を見据えて行かれるのかどちらでしょうか。
【岸田外務大臣】首脳間での早期の妥結に向けて協議を加速するようにという指示を受けて,努力を続けてきました。引き続き,続けていきます。こうした努力の一つです。【テレビ東京 鵜飼記者】最終的な解決には首脳会談の場がふさわしいということでしょうか。
【岸田外務大臣】これからについてはまだ何も決まってはおりません。【テレビ東京 鵜飼記者】今回を最終的な解決にすることを目指しているということですか。
【岸田外務大臣】相手のあることです。早期の妥結に向けて全力で努力をしたいと考えています。
【NHK 渡辺】韓国側は年内の妥結ということにこだわっておりましたけれども,そうした動きに対して日本側としてこれに応えるという位置づけなのでしょうか。
【岸田外務大臣】我々としては首脳間で一致をした点を踏まえて,早期の妥結に向けて努力をしてきました。これからも努力を続けていきます。
普天間飛行場の移転問題
【共同通信 河内記者】沖縄の米軍普天間飛行場の移転問題の関係で,翁長知事が埋め立て承認を取り消した効力を,石井国交相が停止したのは違法だとして,今日にも国を相手に裁判を起こす方針です。国と県がお互いに訴えるという事態になっているのですけれども,それの受け止めと改めて国の立場について・・・。
【岸田外務大臣】ご指摘の点につきましては,報道は承知しています。ただ今現時点で,この提訴が行われたということは報告はまだ受けていません。ですから,提訴される前の段階で私(大臣)の方から何かコメントすることは控えます。