記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年12月22日(火曜日)10時57分 於:官邸エントランスホール)
日韓請求権に関する韓国の憲法裁判所の決定
【TBS 深井記者】明日,韓国の憲法裁判所が日韓請求権協定の違憲性を訴えた裁判の判断を下すということですけれども,日本政府の立場,改めてと,それから今後の日韓関係に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,ご指摘の件については承知しておりますが,裁判所の判断ですので,この判断を注視したいと思います。いずれにしましても,日本と韓国の間の財産・請求権の問題につきましては,日韓請求権・経済協力協定によりまして,完全かつ最終的に解決済みである,これが我が国の立場です。
日朝非公式協議
【TBS 深井記者】続きまして,日朝ですけれども,一部報道で先月から日朝の非公式協議を3度ほど行ったという報道がありましたけれども,現状,日朝協議はどのような状況なのか,それから,北朝鮮側が今しばらくというように,もう少し時間がかかるというように言ってから,だいぶ時間が経っていますけれども,この先,どういうような進展をスタートさせたいか,いかがでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,ご指摘の点につきましては,報道について承知はしています。ただ報道の一つ一つについてコメントをすることは控えたいと存じます。いずれにせよ,重要なことは北朝鮮が,日朝合意を誠実に履行して,そして全ての拉致被害者を一日も早く帰国させることであると考えています。
対話と圧力,行動対行動の方針の下,引き続きしっかり働きかけを行っていきたいと思いますが,加えて,先般,日本とEUが共同提案した国連の人権決議,これも採択されました。また国連安保理におきましても,北朝鮮について議論が行われました。
こうした国際社会との連携,こういったものもしっかり重視しながら北朝鮮に対して強いメッセージを送ることが重要であると考えます。
自民党「歴史を学び未来を考える本部」第一回会合
【TBS 深井記者】今日,自民党でですね,朝,「歴史を学び未来を考える本部」の第一回会合が行われましたけれども,この議論の行方,どのような議論を,外務大臣として,宏池会の会長として,どのような議論を期待されますでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘の本部については,谷垣幹事長を本部長として発足し,今日,第一回目の会合が行われたと承知しています。今後,有識者のヒアリングなどを行って,議論を積み重ねていくということを聞いております。これは党本部における会合ですので,政府の立場から,これについて何か申し上げるのは控えたいと思います。どのような議論が行われるのか注視をしていきたいと思います。
日韓請求権に関する韓国の憲法裁判所の決定
【毎日新聞 小田中記者】韓国の徴用工の日韓請求権協定の関係なのですけれども,憲法審の方で違憲となった場合ですね,韓国政府としても協定に基づいて,新たに請求権について出さなければならない事態になる可能性がありますが,日韓関係においての影響というのは現時点ではどのように・・・。
【岸田外務大臣】これから下される裁判所の判断について,予断を持って何か申し上げるのは適切ではないと考えます。いずれにせよ先ほど申し上げたように,我が国の立場は,日本と韓国の間の請求・財産権につきましては,日韓請求権・経済協力協定によって完全かつ最終的に解決済みであるという立場であります。是非,日本としましても,そういった立場に基づいて適切に対応していくことになります。
次回TICADの開催時期
【毎日新聞 小田中記者】今日,一部報道で,TICADVIについて8月の下旬にケニア開催の方向で調整しているという報道が出ていましたが,現在の調整状況は・・・。
【岸田外務大臣】今調整中ですが,日程が決まったということはありません。引き続き調整を行って,開催国のケニア,そしてアフリカ連合委員会,そして共催の様々な国連機関と協議をして決めていくことになります。現時点ではまだ決まっておりません。