記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年10月9日(金曜日)10時55分 於:官邸エントランスホール)

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冒頭発言

岸田大臣のイラン及びカタール訪問

【岸田外務大臣】私は,10月11日から15日までの日程でイラン・イスラム共和国及びカタール国を訪問いたします。
 イランでは,ザリーフ外務大臣などと会談を行います。イランとの伝統的な友好関係に基づき,核問題最終合意の誠実な履行を働きかけるとともに,経済関係を含む二国間関係の強化や中東地域情勢等について意見交換を行う予定です。
 カタールにおきましては,アティーヤ外務大臣などと会談を行います。カタールは我が国にとり重要な原油,天然ガスの輸入先であります。それぞれ第3位,そして第2位の輸入先となっています。それのみならず,大切なパートナーでありますカタールとの「包括的パートナーシップ」の促進と拡大,そして中東地域情勢等についての意見交換,こうしたことを行っていきたいと考えております。

日露次官級平和条約締結交渉

【テレビ東京 小林記者】昨日,日露の次官級協議があったかと思うのですが,領土問題の最新の協議状況と,プーチン大統領の訪日の見通しなどについてお願いします。

【岸田外務大臣】10月8日,モスクワにおきまして杉山外務審議官とモルグロフ・ロシア外務次官との間で日露次官級の平和条約締結交渉を行いました。
 この日露間の平和条約締結交渉は1年9か月ぶりです。先の私(大臣)のロシア訪問の際に実施を合意したものであります。詳細につきましては,杉山外務審議官の帰国後,詳細な報告を受ける予定にしておりますが,今現在,連絡を受けておりますところによりますと,協議におきましては先般の国連総会の際の日露首脳会談を踏まえ,平和条約締結問題に関する歴史的,法的な側面も含め約7時間にわたり率直かつ詳細な意見交換が行われ,今後につながる建設的なやり取りが行われたと聞いております。
 そしてプーチン大統領の訪日につきましては,昨年11月の日露首脳会談において本年適切な時期に大統領訪日を実現するための準備を進める,こういったことで一致しております。この方針は今現在も変わってはおりません。

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射の動向

【テレビ東京 小林記者】もう一点,北朝鮮がミサイル発射を示唆している10日を明日に控えていますが最新の情報とあと最新の対応状況などお願いします。

【岸田外務大臣】北朝鮮のミサイル発射についてですが,類似の安保理決議は北朝鮮による弾道ミサイルの技術を使用したいかなる発射も禁止しております。よって長距離弾道ミサイルの発射は仮に衛星だと称したとしても,これは明白な安保理決議違反です。
 先日国連総会の際に,米国,韓国との間におきましても日米韓三国外相会議を開きこの問題について協議をしましたが,米国,韓国等とも連携しながら,まずは安保理決議,そして六者会合声明,こうしたものをしっかり遵守することを働きかけなければならないと思っていますし,何よりも北朝鮮に自制を求めていかなければならないということで引き続き努力を続けております。
 そして現状につきましては,情報収集,あるいは分析に引き続き努力をしております。内容につきましては事柄の性質上,今ここで詳細を申し上げることは控えたいと思いますが,引き続き情報収集・分析に努めて行きたいと考えております。

中国のユネスコ記憶遺産申請

【フジテレビ 藤田記者】中国が今世界記憶遺産として,いわゆる慰安婦問題,「南京大虐殺」,この二つを申請しているのですけれども,登録に向けて,間もなく発表が行われるのかと思うのですけれども,申請に何を内容として申請するのか,開示されないというシステムになっているようなのですけれども,こういった申請のあり方とか,透明性がないとか,そういった問題があるかも知れないのですが,どのように受け止めているのでしょうか。

【岸田外務大臣】ご指摘の件,国際諮問委員会における審査状況および審査結果,今現在ユネスコから対外公表はされていません。この段階で我が国から何かコメントを申し上げることは控えたいと思います。
 今日まで我が国の立場につきましては累次ユネスコに対して説明は続けてまいりました。
 そして,今,おっしゃった透明性等,手続きの問題点については様々な意見があります。これは今後の課題として引き続き真剣に検討しなければならないものだと思いますが,取りあえずご指摘の点につきまして今日まで我が国として,我が国の立場をしっかり説明してきましたので,今後結果がどういうことになるのか注目していきたいと思っています。

【フジテレビ 藤田記者】世界遺産登録の時には日韓外相会談を行って,その上で登録という形になったのですが,日本は登録に関しては反対する立場かと思うのですけれども中国と日本の間で,政治レベルで対話というか,話し合いの場というのは設けられないのでしょうか。

【岸田外務大臣】本件につきましては,記憶遺産ですので,先般の世界遺産登録とは手続きが異なっているようです。ただ我が国としてはこの問題について,登録は問題であると認識をしておりますので,中国側とこの問題について協議することは全くやぶさかではありません。ただ現状,中国側とこの問題について協議したり議論したりしたということはございません。こうした点も含めてユネスコ側には我が国の立場を説明をしております。

宏池会の政策

【日経新聞 黒沼記者】宏池会の政策のことでお伺いしたいのですが,先日の派閥の研修会で大臣は,軽武装,経済重視というのは宏池会の政策の本質ではないとおっしゃったことに対して,昨日の総会の方で出席議員から異論が出たということを伺っているのですが,改めて宏池会の政策の本質についてご説明頂いていいでしょうか。

【岸田外務大臣】もう少し丁寧に言うと,宏池会として軽武装,経済重視という政策をとりました。しかし,そのとったことが宏池会の政策の本質ではないと申し上げました。要はですね,実際問題,軽武装,経済重視の政策をとってきた訳ですが,何でそういった政策をとったかということを考えないと本質は見えないという意味で申し上げました。何でその軽武装,経済重視の政策をとったかといえば,当時の国際情勢,あるいは国民生活の状況を考えたならば,やはり時代が求めているのは軽武装,経済重視の政策であった,こうした時代の要請,国際情勢の要請が,軽武装,経済重視,こうした政策をとる判断につながったということを申し上げた訳であります。軽武装,経済重視という政策を否定したことでも全くありませんし,事実そういった政策をとった,これもまた事実あります。その上で何でそういった政策をとったのか,この理由は何なのかというところまで見ないと本質が見えないという意味で説明をさせて頂きました。この点につきましては引き続き丁寧に説明をしたいと思いますし,この間,宏池会の研修会で申し上げたのは,昨今,マスコミ等で宏池会の政策について色々な議論が行われているので,当事者である我々自身がこういった問題について今一度議論を整理する必要があるのではないか,しっかりと議論していきましょうという呼びかけを行った上で,私の考え方を申し上げました。そして,今週の例会におきまして,これがまた議論になった,これは私が申し上げたとおり,議論を活発にやろうといった呼びかけに応えてもらったものだと歓迎しております。

米国によるアフガニスタンでの誤爆

【共同通信 蒔田記者】米軍がアフガニスタンで国境なき医師団を誤爆してオバマ大統領も謝罪しましたが,このことの受け止めと,日本としてどのような対応があり得るのかお願いします。

【岸田外務大臣】ご指摘の点については,おっしゃったように,米国が誤爆を認めたということ,承知をしております。まず何よりも民間人の方々が犠牲になったということについては大変遺憾なことであり,犠牲となられ方々に対しまして,深い哀悼の意を表し申し上げたいと思います。そして実体について調査が続けられていると承知をしています。関係国,あるいは関係機関の調査について引き続き注視していきたいと考えます。

中国によるユネスコ記憶遺産申請

【NHK 栗原記者】先ほどのユネスコ記憶遺産に関してですね,こうしたユネスコの遺産が政治利用されているという現状があるなかで,こういった手続きについて様々な問題があると伺ったのですが・・・。

【岸田外務大臣】色々これについては議論があり,それは引き続きどうあるべきかといった検討は続けていくべきではないか,そういったことを申し上げました。

【NHK 栗原記者】そういった検討というのは,何か日本としてそういう国際機関の審査のあり方について,何か働きかけをしていくということでしょうか。

【岸田外務大臣】今後必要であればそういうことはあるでしょう。ただ一方で今,現実に日本として問題があると考えている案件がかかっていますので,将来の手続きの問題とこの本件に対する対応は,これはまた整理して考えるべきではないかと思います。

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