記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年9月1日(火曜日)9時25分 於:官邸エントランスホール)
日本漁船「第10邦晃丸」の解放
【NHK 立町記者】日露関係についてお伺いします。昨日ロシアの国境警備局の方に拿捕されていた漁船の乗組員が解放されました。受け止めと,プーチン大統領の年内訪日が検討されている中で,今後の日露関係の進め方についてどうでしょうか。
【岸田外務大臣】まず「第10邦晃丸(ほうこうまる)」ですが,8月31日19時頃,船長及び乗組員は船体と共に解放されました。そして,9月1日,本日,4時15分頃,根室に到着したと報告を受けております。拿捕が発生しましたのは7月17日ですが,それ以来早期解放を申し入れてきましたが,こうして解放されたことについては,政府としても安堵しております。
そして,プーチン大統領の訪日等に影響があるかというご質問につきましては,プーチン大統領の訪日についてはまだ何も決まってはおりません。今後,引き続き,諸点を勘案しながら総合的に検討していく課題であると認識をしています。
【NHK 立町記者】時期についても年内という。
【岸田外務大臣】時期については,日露の首脳間で年内にプーチン大統領の訪日を目指すという点では一致していたと認識をしています。それ以外は何も決まってはおりません。
拉致調査の今後の対応
【NHK 立町記者】拉致問題についてお伺いします。大臣は昨日の委員会の中で再調査について期限を設けることは適切ではないというような発言をされました。今後,日朝外相会談から間もなく1ヶ月になりますけれども,北朝鮮からの反応がない場合にはどのような対応をされていくか。
【岸田外務大臣】まず昨日の発言はですね,1日も早く全ての拉致被害者の方々が帰国することを目指すという趣旨で期限を設けるべきではないと,設けないということを申し上げました。そして,今後,まずは,先の外相会談において,我が国の立場,考え方はしっかりと北朝鮮側に伝えました。それに対して,どのような反応が返ってくるのか,これをしっかり注視していかなければならないと考えます。いずれにしましても,そうした反応を見ながら,具体的な対応を引き出すためには何が最も効果的なのかといった観点から対応は考えております。
中国主催「抗日戦勝70周年記念式典」
【テレビ朝日 千々岩記者】明日,中韓首脳会談でして,引き続いて3日に,明後日には中国抗日記念式典という流れになりますけれども,改めてこうした流れに対する日本の立場と,それからどのような式典になってほしいかという,そういった気持ちがあれば何かお話頂けますか。
【岸田外務大臣】中韓,第三国どうしの対応について何か申し上げる立場にはありませんが,9月3日の式典については,従来から,式典は融和的なものであるべきである,融和,和解,そういった趣旨のものであるべきであるということは申し上げてまいりました。式典についてはどのようなものになるか注視していきたいと思っています。