記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年7月31日(金曜日)8時37分 於:官邸エントランスホール)
「中華人民抗日戦争及び世界ファシスト戦争勝利70周年」記念行事
【NHK 栗原記者】中国なのですけれど,9月3日に抗日戦争の記念式典に安倍総理大臣を直接招待したというように明らかにしています。この式典をめぐってはロシアなど20か国以上の国から首脳が参加をするという見通だということですけれども,日本政府として対応はどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず招待については,日本としては,招待状は受け取っておりません。そして9月3日の対応については何も決まっておりません。
ASEAN関連外相会議
【NHK 栗原記者】来週ASEANの関連の一連の外相会合が予定されています。まだ調整中だと思うのですが,もし仮に行くとしたら,どういった議論が期待されるのかということと,バイ会談などをどのように調整していくのか,どういったバイ会談を行っていきたいかということについてお伺いできますでしょうか。
【岸田外務大臣】会議については,今年はASEANの共同体が実現する年とされています。ASEANの結束を支援する立場から日本としても貢献していきたいと考えています。
南シナ海を始め地域社会共通の課題について議論が行われるものだと思っております。そしてバイ会談等につきましては,まず,そもそも,今国会開会中であり,来週のASEAN関連外相会合等には,政府として誰が正式に出席するのか,これも決まっておりません。日程も決まっておりません。よってバイ会談等についても具体的なものは決まっておりません。
【NHK 栗原記者】今,南シナ海のお話がありましたけれども,中国の海洋進出をめぐってASEAN諸国とかアメリカも来られるみたいですけれども,こうした国々の共通の関心事であると思うのですけれども,この会議では,どのような議論が行われるというようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】従来から南シナ海においては「法の支配」あるいは「航行の自由」,こうしたものが尊重されなければならない,こういった議論が行われてきました。そうした議論が引き続き行われるのではないかと想像いたします。
メドヴェージェフ首相の択捉島訪問
【時事通信 水谷記者】ロシアの極東発展相が政府要人による北方領土訪問は定期的に行われるという発言が先日ありまして,メドヴェージェフ首相が択捉訪問とか,北方領土訪問をするとされている計画を含めて,こうしたロシア側の姿勢と,あと大臣の検討されている訪露への影響について改めてうかがえればと思っています。
【岸田外務大臣】メドヴェージェフ首相の北方四島訪問等が報道等で報じられていますが,こうしたことについては,北方四島をめぐる我が国の立場とは相容れません。日本の国民感情も害するものだと思っています。我々としては 受け入れることができないと考えます。
そして,一方で両国首脳間では本年中にプーチン大統領の訪日を実現するということで一致をしております。その準備の意味合いもあって,外相訪露が検討されていますが,これらについては様々な点を総合的に勘案して決まっていくものだと思っています。
今の段階では何も決まってはいませんが,こうした努力をしていくということについては変わっていないと考えています。
総裁選関連
【読売新聞 仲川記者】昨日の平成研究会の例会の後,額賀福志郎会長が記者団からの「総裁選はどういう形が好ましいか」という質問に対して,「考えたことがない」「考えていない」と言いつつも,「無投票再選が好ましいか」と更に問われたところ,「うん」と肯定される考えを示されました。宏池会長として岸田大臣はどのような形になるのが総裁選は望ましいとお考えになりますでしょうか。
【岸田外務大臣】総裁選挙については宏池会として話をしたことはありません。私(大臣)もまだ何も考えていません。
【読売新聞 仲川記者】支持率が各社とも,徐々に安倍内閣について下がっている中で,無投票再選について,対抗馬が出る方が活性化していいという考えも党内にあるようですが,その点も考慮して,会長としてどのようにお考えになるかというのはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】私(大臣)自身は1人の閣僚として重要法案もあり,国会の審議に専念するべきであると考えています。事実,それに集中をしております。先のことは考えたことはありません。