記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年7月24日(金曜日)10時08分 於:官邸エントランスホール)
メドベージェフ首相の北方四島訪問
【テレビ東京 鵜飼記者】ロシアのメドベージェフ首相が北方領土を視察する意向を示されましたけれども,日本政府としてはどのように受け止めておられるのでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,報道は承知をしております。そして仮にですが,メドベージェフ首相の北方四島への訪問が行われたとしたならば,北方四島に関する日本の立場とは相容れません。また日本の国民感情を傷つけるものと思います。受け入れられないと考えます。
【テレビ東京 鵜飼記者】今,日露間で,年内の日露首脳会談を模索していると思うのですが,実現を模索していると思うのですが,このタイミングでロシアがこういう行動を取るということはどのような理由があると分析されますか。
【岸田外務大臣】まず,ロシア側の意図について何か申し上げる立場にはありません。そして,プーチン大統領の訪日ですとか,更には,外相訪露の件につきましては,様々な要素を総合的に考慮して検討していくという方針は,変わりはありません。現在のところ何も決まっていないという点においても変わりはありません。
【テレビ東京 鵜飼記者】閣議後,かなり長時間残られていましたけれども,総理と会われていたのでしょうか。
【岸田外務大臣】いや,官房長官を中心に,沖縄の問題につきまして色々と情報交換を行っておりました。
【テレビ東京 鵜飼記者】どのような話があったのでしょうか。
【岸田外務大臣】沖縄に関する様々な課題について色々と全体的な情報交換を行ったということです。
【テレビ朝日 千々岩記者】官房長官との話しで,別の大臣が北方領土の話をされたとお話しになっていましたが。
【岸田外務大臣】今,閣議が終わった後,大臣が集まって話した中に,北方領土問題があったかということでしょうか。全くありません。
【テレビ朝日 千々岩記者】お話しになっているとお聞きしました。
【岸田外務大臣】沖縄です。
【テレビ朝日 千々岩記者】沖縄のみですか。
【岸田外務大臣】沖縄のみです。沖縄問題です。
【毎日新聞 小田中記者】メドベージェフ首相の件ですが,プーチン大統領の訪日,また,大臣の訪露について総合的に判断していくということなのですけれども,今回の一件が,またこの前の拿捕,それから保健相の訪問と続いていますけれども,影響についてはどのようにお考えですか。
【岸田外務大臣】拿捕ですとか,保健相の北方領土訪問という点については,皆さんご承知の通りでありますが,その上で、今,現状において先ほど申しましたように、種々の要素を総合的に勘案して検討していく,この方針は変わらないということであります。
そして,ご指摘のメドベージェフ首相の訪問については,報道は承知しております。そして,その上で注視をしているということであります。
【毎日新聞 小田中記者】外務省として大使館などを通じて働きかけをしているということでしょうか。
【岸田外務大臣】申し入れにつきましては,23日,在ロシア大使館,公使参事官から,ロシア外務省第3アジア局次長に対し懸念を表明しております。メドベージェフ首相の北方四島への訪問が行われないよう申し入れを行ったということです。
【毎日新聞 小田中記者】先方からそれに対して何かありましたか。
【岸田外務大臣】私(大臣)が聞いているのはそこまでです。
【朝日新聞 村松記者】関連ですが,日露間では国境は未確定であるということを確認していると思うのですけれども,メドベージェフ首相は,北方領土を国境防衛の拠点にするというように発言しているのですが,それについての受け止めを。
【岸田外務大臣】ロシア側の様々な動きについては注視をしております。いずれにせよですね,根本的に,北方領土問題自体を解決することが必要であると考えています。双方受入可能な解決策を作成する交渉,これを是非粘り強く取り組んでいきたいと考えます。
【読売新聞 仲川記者】関連で,メドベージェフ首相の発言に関連してなのですが,もし,今後,これまでロシアの保健相が色丹島に行ったりとか,今回メドベージェフ首相がこういうような発言をしていると,場合によっては総合的に勘案して,岸田大臣の訪露ですとか,プーチン大統領の訪日だとか,総合的に検討していくということですけれども,場合によっては,そのようなことを取り止めるですとか,考え直すということもあり得るのでしょうか。
【岸田外務大臣】現状においては,先ほど申し上げたように総合的に勘案し,検討していくというこの方針は変わっておりません。
李登輝・台湾元総統の訪日(安倍首相と面会との報道)
【テレビ東京 鵜飼記者】昨日,安倍総理が台湾の李登輝元総統とお会いになられましたけれど,この時期,日本の総理が台湾の政治のリーダーと会うというのは,極めて異例だと思うのですが,この狙いというのは。
【岸田外務大臣】この件については,安倍総理自身が会っていないと発言をされたと聞いております。総理がそう言っておられますので,私(大臣)も会ってはおられないと思っております。
【テレビ東京 鵜飼記者】我々の取材に対しては,李元総統は会ったということです。
【岸田外務大臣】でも安倍総理は,何か,昨日,自分も会っていないと,発言をされたと聞いております。
日本経済新聞によるフィナンシャル・タイムズ・グループの買収
【フジテレビ 藤田記者】日本のメディアがイギリスの名門メディアのフィナンシャル・タイムズを買収しましたけれど,これによって日本の発信力というのは大きくなるということはあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,この件は報道で承知をしております。そして,これは報道機関に関わる,そして,個別の案件でありますので,これについてコメントは控えたいと思いますが,フィナンシャルタイムズは国際的に影響力のある報道機関であると承知をしております。そういった観点からは注目はしております。そこまでです。