記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年7月3日(金曜日)8時39分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

日朝関係:拉致調査

【岸田外務大臣】北朝鮮の特別調査委員会による調査については,北京の「大使館」ルートで働きかけを行ってきたところでありますが,今般,先方より,全ての日本人に関する包括的調査を誠実に行ってきているが,今しばらく時間がかかる旨の連絡がありました。
 政府としては,遺憾ではありますが,北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく働きかけを強化することとし,総理から,私(大臣)と山谷拉致問題担当大臣に対して,その旨の指示がありました。そのような働きかけの結果も見極めつつ,日本政府としての今後の対応を判断してまいります。

日朝関係:拉致調査

【テレビ東京 鵜飼記者】時間がかかるというのは,いつ頃どのようなルートで日本政府にもたらされたのでしょうか。

【岸田外務大臣】特別調査委員会の調査については「大使館ルート」を通じてやり取りをしてきました。そしてご指摘の点,向こうの発言は,そのやり取りの中で昨晩連絡がありました。

【テレビ東京 鵜飼記者】この点に関して総理から何かありましたか。,/P>

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたが,今しばらく時間がかかる旨連絡があったことは遺憾であると思っておりますが,具体的な動きを早急に引き出すべく,働きかけを強化しなければなりません。その働きかけの強化について総理から私(大臣)と山谷大臣に対して指示が,閣議の後,指示があったということです。

【テレビ東京 鵜飼記者】調査結果を報告する時期については,延長する幅についてはどうでしょうか。

【岸田外務大臣】調査について日朝間で合意された具体的な期限があるわけではないとは思ってはおりますが,ただ調査開始から1年経った今も拉致被害者の帰国が実現していないという,このことについては遺憾に思っております。
 そして今回,北朝鮮側から連絡があったのですが,早急に具体的な動きを引き出すために働きかけを強化しなければならないと考えているところです。

【テレビ東京 鵜飼記者】大臣としましては,日朝間の拉致問題に関しては,少し後退したという印象をお持ちでしょうか。

【岸田外務大臣】引き続き北朝鮮側とはやり取りを続けております。ただいま現在調査結果が通報されていないことは遺憾であります。是非総理の指示に従って働きかけを強化していきたいと思います。

【読売新聞 仲川記者】北朝鮮に対する制裁・圧力を強化するべきだと声が上がっておりますけれども,政府としてどのような考えを持っていらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】政府としましては,従来から北朝鮮側から前向きな,そして具体的な行動を引き出すためには何が最も効果的なのか,こういった観点から不断の検討を続けてきました。こうした検討は引き続き続けていかなければならないと思います。そして今回の連絡は,北朝鮮側から調査は誠実に行っているが,今しばらく時間がかかるこういった連絡がありましたので,これを踏まえて我が国として働きかけを強化していく,こういったことを確認した次第です。

【テレビ朝日 藤川記者】今しばらく時間がかかる理由ですとか,現在の進捗状況について確認するために局長級協議等開催される考えはありますでしょうか。

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたように北朝鮮側から今しばらく時間がかかる旨連絡がありましたのは昨晩であります。その連絡を踏まえて働きかけを強化していかなければならないと考えていますが,その上での対応・行動については今の時点ではまだ決まっておりません。
 働きかけを行った結果等も踏まえながら具体的な対応は考えていかなければならないと思います。

【TBS 深井記者】北朝鮮側から今しばらくという連絡がきている理由というのは何かもう少しあるのでしょうか。

【岸田外務大臣】北朝鮮側とは「大使館ルート」等を通じまして,やり取りを続けてきております。その中で,昨晩,ご指摘の連絡を受けた訳ですが,それ以上詳細につきましては今の時点では控えたいと思います。

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