記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年6月19日(金曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言―アジアの平和構築と国民和解,民主化に関するハイレベル・セミナー

【岸田外務大臣】明20日,国連大学で「アジアの平和構築と国民和解,民主化に関するハイレベル・セミナー」を開催します。
 私から基調演説にて,アジアと日本の戦後の歩みを振り返り,日本のこれまでの貢献や今後の課題を紹介し,平和への思いやこの分野で一層貢献する日本の決意をお話しする予定にしております。

尹炳世韓国外交部長官の訪日

【NHK 山崎記者】週末,日韓外相会談が実施と発表になりましたが,現時点で想定される議題,あと大臣としてどういう成果を期待されますでしょうか。

【岸田外務大臣】成果につきましては朴槿恵(パク・クネ)政権がスタートしてから初めて韓国の外務大臣が日本を訪問するということであり,このこと自体ひとつ大きな意味があると考えています。
 そして,尹炳世(ユン・ビョンセ)長官とは日韓間の二国間における様々な課題について議論するのは当然のことでありますが,加えて北朝鮮を始めとする国際情勢につきましても率直に意見交換をしたいと考えています。

【NHK 山崎記者】韓国側からは歴史認識問題について進展があることを期待する声も出ていますけれども,大臣として,今どういう見通しを持っていらっしゃるのでしょうか。

【岸田外務大臣】今時点,まだ会議をやる前の段階ですので,成果について何か申し上げるのは控えなければなりませんが,日韓間における様々な課題,それぞれの関心事についてはそれぞれ取り上げることになるのではないかと思いますし,是非,率直な意見交換をしたいと思っております。

【共同通信 蒔田記者】日韓のことなのですけれど,特に慰安婦問題で,朴大統領がインタビューで進展があると話したりしているわけですけれど,日本側から外務大臣会合でなにか具体的な提案をしたりする可能性はあるのでしょうか。

【岸田外務大臣】日韓間における慰安婦問題を始めとする歴史問題につきましては,これまでも日韓局長級協議等において,議論を積み重ねてきました。その中で議論のやりとりについては,具体的なものは公表してきてはおりませんが,議論の中で率直な意見交換をずっと続けてまいりました。
 そうした議論の積み重ねがあるわけですので,それをもとにまた引き続き外務大臣間でも議論をしていきたいと思っておいます。

安保法制関連

【TBS 深井記者】安保法制に関連してなのですけれど,以前国会で聞かれた「存立危機事態」,海外の「存立危機事態」の例を外務省で調べていらっしゃると伺っているのですけれども,実際そういった事例というのは見つかったでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,「存立危機事態」,要は「新三要件」というものは国際的に見ても大変厳しい厳格な要件となっています。過去の国際的な例を,国際的に見ても,今まで類を見ない厳密な基準に当てはめてどうかということですが,そうした厳密な基準に基づいて,過去の例において,そういった物差しで情報収集をしたということはありませんので,これは当てはめを行うということ自体,かなり難しい問題であるとは認識をしております。
 正式には国会の方にまた報告することになると思います。

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