記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年6月12日(金曜日)8時40分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言―韓国におけるMERS感染症の発生に対する政府の対応
【岸田外務大臣】韓国で流行している中東呼吸器症候群(MERS)に関し,外務省では,これまで現地対策本部を在韓国公館に設け,最新の情報提供と注意喚起を行っております。
今般新たに,感染症の専門医である加來浩器(かく・こうき)防衛医科大学校教授を派遣し,現地の日本人学校及び日本人会関係者に対して講演会を実施することといたしました。昨11日から13日の日程でソウル及び釜山において講演会を開き,正確な情報の提供を通じて在外邦人の皆様の不安を軽減することを目的としております。
9日より韓国政府とWHOが合同で調査・分析を行っております。外務省としては,13日に発表予定の結果を踏まえて,更なる対応を検討していきたいと考えております。
なお,韓国での発生に注目が集まっておりますが,MERSは,元々は中東で発生・流行してきた感染症であり,感染例及び死亡例の多くは中東で報告されております。韓国のみならず,中東への渡航・滞在を予定されている方や既に中東に滞在している方にも十分注意をして頂きたいと考えております。
韓国におけるMERS感染症の発生に対する政府の対応
【テレビ東京 山口記者】今のMERSですけれども,講演会,済州(チェジュ)にも一応対策本部があったと思うのですが,済州では特に開かないのですか。
【岸田外務大臣】対策本部は大使館と釜山(プサン)の総領事館,この2つ・・・。
【事務方】それと済州にも立ち上がっています。
【岸田外務大臣】それと済州とですが,一応講演会の予定はソウルと釜山であると報告を受けております。
日韓局長協議(含:尹炳世外相の訪日,祝賀行事への出席者)
【テレビ東京 山口記者】昨日,日韓の局長会議が行われましたけれど,これの成果とですね,巷間言われているような尹炳世(ユン・ビョンセ)長官の訪日に向けた調整状況,これについてお伺いしたいと存じます。
【岸田外務大臣】日韓の局長協議ですが,11日午前,伊原アジア大洋州局長は李相徳(イ・サンドク)韓国外交部東北アジア局長との間で,日韓間の諸課題に関し,幅広く協議を行いました。
様々な課題について,引き続き議論をしていくということで一致をしておりますが,次回の協議日程等については,今後調整していく,このようにされております。
そして,日韓国交50周年の記念行事等に際して,誰が出席するのか等の協議につきましては,尹長官の訪日も含めて,両国の行事に誰が出席するかについて,引き続き外交当局間で協議をしていく,このようにされたと報告を受けております。現時点ではまだ何も決まってはおりません。
【テレビ東京 山口記者】それぞれの祝賀行事にそれぞれの首脳が参加するということについてはどうでしょうか。
【岸田外務大臣】誰が出席するか等については,協議は行いましたが,現時点ではまだ何も決まってはおりません。
【テレビ朝日 藤川記者】関連で,岸田大臣ご自身の記念行事への出席についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】それも含めて,記念行事は東京,そしてソウル,それぞれで行われます。それぞれの行事に誰が出席するのか,こういった観点から協議は行ったと報告は受けておりますが,現時点では,それぞれに誰が出席するのか,具体的なものは,まだ決まっていないと聞いております。
【読売新聞 仲川記者】韓国側が首脳会談の前提としております慰安婦問題についての解決なのですけれども,日本政府の立場,これまで重ねて韓国側に理解を求めていますけれど,説明していると思いますけれど,昨日の協議で,韓国側が日本の立場に理解をするですとか,どのような対応だったのでしょうか。
【岸田外務大臣】昨日の日韓局長協議においては,幅広い分野にわたって議論が行われました。日本産水産品の輸入規制強化の問題を始め,それぞれの関心事について議論が行われ,その中で慰安婦問題についても議論を行ったという報告は受けております。ただ,その中でどんなやり取りがあったかについては,現時点では控えさせて頂きたいと考えております。
いずれにしましても,慰安婦問題を含む歴史問題についての我が国の立場については,これまでも韓国側に説明をしてきており,我が国としても対応をしてきたわけですが,こうした我が国の立場や考え方については,引き続き韓国側に説明を続け,理解を得ていきたいと考えております。