記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年5月29日(金曜日)8時37分 於:官邸エントランスホール)

ストックホルム合意から1年

【日本テレビ 有田記者】ストックホルム合意の発表から1年が経ちます。北朝鮮側から何ら実効性のある回答というものがなされていない中で,今後7月4日なのか,1年の目処ということですけれど,それに向けて,日本政府として,今後,新たに何か出来る措置というものがありますでしょうか。またどういうことを北朝鮮側に求めていきたいでしょうか。

【岸田外務大臣】今後の具体的な日程については,今,何も決まったものはありません。日朝合意に従って,速やかに調査を行い,迅速かつ正直に,調査結果を通報するべく求めていく我が国の立場は,変わってはおりません。
 そして,今後についてですが,北朝鮮から前向きな具体的な態度を引き出すためには何が効果的なのか,こうした観点からの検討は,続けていかなければならないと思っております。

【日本テレビ 有田記者】昨日,菅長官が,1年の目処という区切りを9月とも取れる発言をされていたのですけれども,確認なのですが,1年を目処というのは,起点はいつだと考えておられるでしょうか。

【岸田外務大臣】調査が始まったのは昨年7月です。そして,昨年の9月に北朝鮮側から1年を目処に調査を行いたいという発言があったということも事実であります。そういった事実は承知はしておりますが,具体的な期限について,いつまでとかいうことについては何も決まってはおりません。

【日本テレビ 有田記者】認識として,1年を目処というのは,7月4日起点なのか9月の時点なのかというのは,はっきりしていないということでしょうか。

【岸田外務大臣】今申し上げた点だけは,確認できております。

国際テロ情報収集ユニット

【日本テレビ 有田記者】外務省内にテロ対策ユニットの設置を検討するという報道がありますけれど,これについて,事実関係と,趣旨,目的について教えて頂けますか。

【岸田外務大臣】国際テロに関する我が国の情報収集能力を強化するために,外務省内に「国際テロ情報収集ユニット」,こうしたものを新設することとなりました。
 拠点となります在外公館に,国際テロ,あるいは情報収集,さらには語学の専門家を配置し,情報収集体制を強化する,こうした取組を進めることを明らかにいたしました。
 是非,外務省としましても,シリアにおける邦人殺害テロ事件等を受けて,今後,海外の邦人の安全のために,取組をしっかりと進めていきたい,このように考えています。

ストックホルム合意から1年

【テレビ朝日 藤川記者】先ほどの北朝鮮との調査期間の件なのですけれど,日本は去年の7月に制裁を解除した際に,北朝鮮側が調査を開始すると言ったことと,そして,官房長官がおっしゃった1年という期限に配慮を示したということが,制裁を解除をする際の,大きな判断材料の1つだったと思うのですけれど,それでもその期限はどこがスタートかというのは,決まっていないということなのでしょうか。

【岸田外務大臣】調査が開始したのは7月です。そして,北朝鮮側からも1年を目処で調査をしたいという発言があったのは9月であったと承知をしています。
 7月調査が始まった段階で5月のストックホルム合意に基づいて,日本側も対応した,こういった順番になっていたと思います。
 ですから,1年目処,あるいは1年の起点がどこなのか,調査がいつまで行われるのか,こういったことについては,先ほど申し上げました調査の開始時点,北朝鮮側からの発言等があったということは承知しておりますが,それ以上について,何か確たるものが決まっているというようには認識はしておりません。

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