記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年5月22日(金曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
(1)NPT運用検討会議
【岸田外務大臣】4月27日から1ヶ月にわたりニューヨークで行われてきました2015年NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議が,大詰めを迎えています。日本時間本日午前,フェルーキ議長が最終合意文書案を提示し,各国に配布する予定になっております。これを受け,各国は本国に確認を行い,最終合意文書案がコンセンサスで採択されるか否かが決まる見通しです。
最終合意文書が採択されるか否か予断は許されませんが,日本が特に重視してきた諸点の趣旨が最終合意文書案に盛り込まれること,また,国際的な核軍縮・不拡散の推進の観点から,同合意文書案が各国のコンセンサスにより採択されることを強く期待し,我が国として努力してまいります。
(2)第二回日朝首脳会談11周年
【岸田外務大臣】本日,5月22日は,2004年に行われた第二回日朝首脳会談から11周年に当たります。この会談により,2002年に帰国した拉致被害者の御家族の帰国が実現いたしました。
しかし,いまだ全ての拉致被害者の帰国は実現しておらず,引き続き北朝鮮が日朝合意を誠実に履行し,迅速に調査を行い,速やかにかつ正直に結果を日本に通報することを強く求めてまいります。
「対話と圧力」,「行動対行動」の原則を貫き,全ての拉致被害者の帰国を実現し,日朝平壌宣言に基づき諸懸案を包括的に解決すべく,全力を尽くしてまいります。
ストックホルム日朝合意から1年
【テレビ東京 好本記者】ストックホルム合意からもうすぐ1年となりますが,未だに何の報告もない部分についてどう捉えておられるでしょうか。
【岸田外務大臣】ストックホルムにおける日朝合意から,もうすぐ1年を迎えます。ご指摘のように特別調査委員会の調査について,まだ通報が行われておりません。
そうした状況でありますので,今日も冒頭発言におきまして,改めて,こうした5月22日という節目の日を迎えた機会に,私(大臣)としまして,すべての拉致被害者の帰国を実現するべく決意を申し上げさせて頂きました。
世界遺産申請案件(明治日本の産業革命遺産)について
【テレビ東京 好本記者】韓国の朴槿恵大統領がユネスコのボコバ事務局長に対して,日本の産業革命遺産の世界文化遺産登録について批判されていましたが,この点についてどう見ていらっしゃるかということと,本日から事務レベルでの協議が始まりますがその点についてお願いします。
【岸田外務大臣】先ずご指摘の点,報道は承知しております。そしてご案内の通り,本日から日韓の文化担当事務レベル会議が開催されることになっております。是非,韓国側の理解を得るべくしっかり取り組んでいきたいと存じます。
イコモスの勧告が尊重されて,世界遺産登録が実現するべく,しっかりと努力していきたいと考えます。
【テレビ東京 好本記者】大統領発言についてどうですか。
【岸田外務大臣】大統領発言は承知しております。だからこそ,その上で,本日から文化担当事務レベル協議が開催されます。その場でしっかりと議論をし,韓国側の理解を得ていきます。
NPT運用検討会議
【中国新聞 藤村記者】NPT再検討会議ですけれど,最終文書案から,広島・長崎の訪問という文言が削除されていますけれども,それについてお伺いしたいと存じます。
【岸田外務大臣】最終文書案はまだ提出されておりません。今,会議は続いております。本日の午前中に最終文書案が提示される予定になっております。最後まで努力を続けていきます。そして我が国としましては,5つの点について最終文書案に盛り込まれるべく,本日まで,努力を続けてきました。日本の国が求めてきた諸点,5つの点がしっかり盛り込まれるべく最後まで努力をしていきたいと思っています。