記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年2月3日(火曜日)8時43分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-日・ウクライナ投資協定の署名の閣議決定について
【岸田外務大臣】本日の閣議において日・ウクライナ投資協定の署名に関する決定を行いました。2月5日キエフにおいて,署名する予定になっております。最近のウクライナ東部での戦闘激化を懸念しておりますが,元来ウクライナは潜在的に有望な大きな市場です。本協定の締結は,日本企業からの強い要望に応えるとともに,日本からの投資促進によるウクライナ支援との意義も有すると考えております。
暴力的過激主義対策閣僚会議への出席者
【テレビ東京 山口記者】2月18日,アメリカが主催するテロ対策の国際会議があると思いますが,これへの出席者の検討状況についてお願いします。
【岸田外務大臣】今回の邦人人質殺害事件におきましても,国際的な連帯の重要性を痛感いたしました。この米国の会議についても,重要性は認識をいたします。しかしながら,時期的に国会審議におきましても大変重要な時期を迎えております。出席につきましては,関係者とよく相談する必要があると考えています。
【テレビ東京 山口記者】大臣としては,ご自身で出席したいという気持ちはありますでしょうか。
【岸田外務大臣】出席については,レベルも含めてよく関係者と相談したいと思います。
安保法制の整備
【テレビ東京 山口記者】安保法制の関係なのですが,今回イスラム国に対応できるような,こういった在外邦人のための自衛隊派遣を可能にするような法整備というのが検討されていることはありますか。
【岸田外務大臣】その件については,昨日の予算委員会でも総理から,今回のケースにおいてシリアに自衛隊を派遣するようなことはないという発言をされていたと記憶をしております。
【テレビ東京 山口記者】そうすると今回の法整備によって,可能になる在外邦人救出というのは,どういったものと考えたらよろしいですか。
【岸田外務大臣】法整備そのものですが,今,与党内で調整を進めていると承知をしています。まだ議論が続いておりますので,今の段階で私(大臣)から中身について何か申し上げるのは適切ではないと思います。
シリアにおける邦人人質殺害事件関連
【読売新聞 大木記者】一部報道で,亡くなった後藤さんがトルコ国境の方に移動されていたという報道が反体制派の情報としてありますが,日本政府としてはそのような情報に接していたのでしょうか。
【岸田外務大臣】これは従来から本当に様々な情報が飛び交い続けてきました。政府として,その1つ1つについて,何かコメントすることは控えさせて頂きます。
【NHK 小嶋記者】今日,官房長官主催で国際テロの副大臣級の会議も開かれましたけれども,今回の事件を受けたテロ対策とか政府の対応の検証について,大臣としては今後どうあるべきかというお考えがありましたらお願いします。
【岸田外務大臣】検証については,政府として政府内で検証を行うということ,これは官房長官が発言をされていると承知をしています。そういった取り組みは行われるものだと思っています。そして,今後については,まず政府としましては,邦人の安全確保が大変重要な課題だと認識をしております。外務省の中においても,安全確保に向けての検討チームを立ち上げますし,政府全体としてしっかり取り組んでいかなければならないと思います。 中長期的にはテロの背景には,貧困や抑圧があるわけですので,こういった中東地域に対する人道的支援等にも取り組んでいかなければならない。様々な課題に向けて,政府全体としてしっかり取り組んでいくべきだと考えています。