記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年11月14日(金曜日)8時47分 於:官邸エントランスホール)

日中韓首脳会談・外相会談

【NHK 栗原記者】昨日ですね,ASEAN+3の会合で安倍総理大臣だけではなくて韓国の朴槿恵大統領も日中韓首脳会談の早期開催に意欲を示すような発言がありました。これに先立った日中韓3国の外相会談という話もありますけれども,こうした会談の調整状況,開催の見通しについてはどのようになっているかお聞かせ頂けますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず我が国としましては,対話を重視する立場から日中韓の首脳会談・外相会談これまでも重視してきました。そして8日に行いました日中外相会談の場におきましても,王毅外交部長に対しまして私(大臣)の方から日中韓の外相会談,提案をさせていただきましたし,そして今ご指摘がありましたように,昨日行われましたASEAN+3の場において,安倍総理から早期に日中韓外相会談を開催し,そして日中韓首脳会談につなげていきたい,こういった発言をして頂きました。それに対しまして,韓国の朴槿恵大統領は前向きな反応をされたと聞いております。そうであるならば,歓迎したいと思っています。そして,日中韓首脳会談・外相会談につきましては,現在議長国は韓国ですので韓国を中心に努力が前向きに行われることを期待したいと思っております。

日中・日韓関係

【NHK 栗原記者】こうした日中韓の枠組みだけではなくてですね,中国と韓国をめぐってはバイの首脳同士の対話が実現するのは,ここにきて急速に関係が前向きに変化しているように見られるんですけれど,近隣諸国との協力関係の強化を外交の3本の柱の一つとしている岸田大臣として受け止めとこうした最近の動きの評価についてどのように分析されているか,分析・評価についてお伺いできますでしょうか。

【岸田外務大臣】日中の間において,あるいは日韓の関係においては難しい問題はありますが,難しい問題があるからこそ対話,特に高い政治のレベルでの対話が重要だということを主張してきた我が国としましては,こうした各国との間においてトップ同士の意思疎通が図られ始めたことについてはですね,歓迎すべきことであると考えています。ただ,これから引き続き様々な分野,様々なレベルにおいて意思疎通を積み重ねながら,対話や協力の実績を積み重ねながら具体的な成果を上げていかなければなりません。こうした対話が進む,こうした雰囲気は大いに歓迎いたしますが,あくまでもこれはスタートであると認識をして,これから引き続き努力を続けていかなければならない,このように思っています。

今後の外交日程

【NHK 栗原記者】年内に開催されるのではないかと言われている外交日程が色々あると思いますけれども,その一方で永田町では衆議院解散の話題で持ちきりなところもありましてですね,この解散というのが仮にあったとしたら外交日程に与える影響についてはどのようにお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】外交日程と言っても様々なものがあると思いますが,たとえば私(大臣)が海外各国を訪問する,そういった種類の外交日程ということで申し上げるならば,今現在,具体的なものが決まっているということはありません。よって今,解散について行われるのではないか,そういった報道がさかんに行われていますが,それによってそもそも何も決まってないわけですから変更等は何もないということになります。

【NHK 栗原記者】(3カ国の外相会談の議長国である)韓国から年内にもという話がありますけれども,日本の政治状況ではなかなか難しいというところもあると思いますけれどもいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたように,議長国韓国を中心に是非前向きに努力を進めていただきたいとは思っていますが,今のところ何も具体的な日程については提案もありませんし,決まってはおりません。

日韓関係

【朝日新聞 松井記者】日中韓首脳会談が開かれた場合には,やはり日韓首脳会談の実現をという見方が強いですが日韓首脳会談の見通しについてはいかがお考えですか。

【岸田外務大臣】日中韓首脳会談についてもまだ時期・タイミング何も決まっておりませんので,それに合わせて何が行われるかまだそこまで考えるのは早いのではと思っています。

【朝日新聞 松井記者】日韓首脳会談を開催するにあたっては朴槿恵大統領は慰安婦問題で日本に何らかの努力をというお考えをお持ちのようですが,慰安婦問題については今後どのように取り組まれるお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】日韓の間にある様々な問題については,局長級協議においてこれまでも意見交換・意思疎通を図ってきました。そして,引き続き局長級協議を通じてこの議論を行っていくということになっています。是非,様々なレベルで意思疎通を図っていきたいと考えています。

衆議院の解散

【朝日新聞 松井記者】選挙のことで一つだけお聞きします。派閥の長としてお聞きしたいのですが,今回解散選挙になる場合には大義はあるとお考えですか。あるとしたら,どのような大義があるとお考えですか。

【岸田外務大臣】そもそも解散につきましては,総理の専権事項であり,解散するかどうか,どういった大義で解散するか,そういったことは総理が判断されることだと思っています。私の立場から何か申し上げるのは控えたいと存じます。昨今,解散するのではないかという,解散が行われると予想される記事が沢山出ていることは承知しておりますし,それについては大きな関心を持って注視をしております。

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