記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年10月24日(金曜日)8時19分 於:官邸エントランスホール)
政府担当者の平壌派遣
【テレビ朝日 藤川記者】週明けから政府の担当者が平壌に派遣されますけれども,現時点でどういった成果を期待されているか改めてお願いいたします。
【岸田外務大臣】拉致問題は我が国におきまして,最重要課題です。まず,このことを,このしかるべき責任のある人間に対してしっかりと申し入れをしなければなりません。そして,調査を迅速に進め,そして速やかに,そして正確に結果を我が方に通報するべく,しっかり求めていかなければならないと考えています。そして,そのことを通じて調査の現状についてしっかりと質す,こうしたことをしっかり伝えることが重要だと考えています。こうした我が国の立場,考え方,これをしっかりと先方に伝えていきたいと思います。
【テレビ朝日 藤川記者】日本側の代表団についてお尋ねしたいのですが,前回の北京が7名程度だったと思うのですけれども,今回10名程度ということですがどういった陣容になるのでしょうか。
【岸田外務大臣】外務省,それから拉致対策本部,要は内閣官房,それから警察,そして厚生労働省,合わせて10名程度と聞いております。
【テレビ朝日 藤川記者】今回陣容を拡充といいますか,人数を増やされたというところはどういった狙いを持っていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】今,調査を進めている特別調査委員会,全ての日本人に関する問題について包括的かつ全面的な調査を行うとしております。こうした調査に対して,我が国としても政府全体として取り組むということから先ほど申し上げましたような陣容で今回先方に申し入れを行っていきたいと考えています。
【テレビ朝日 藤川記者】日本側としては拉致問題が最重要であるということをお伝えになるということですけれども,一方でですね,北朝鮮側は4つある分科会の中の拉致被害者のところ以外の分科会の結果を報告してくるのではないかと,事実上の第1回目の通報になるのではないかという懸念も持たれていますが,そうしたことについてはどのように対処されるのでしょうか。
【岸田外務大臣】いえ,これはあくまでも今回の平壌へ代表団を送るということは我が国の立場,考え方をしっかりと然るべき人間に伝えるということであります。今回の訪朝をもって,第1回目の通報等は全く考えておりません。
【テレビ朝日 藤川記者】北朝鮮側が拉致被害者以外の生存者の情報ですとか,日本人妻や残留日本人の生存者の人数等を伝えてきた場合にも,それは報告ではないということでしょうか。
【岸田外務大臣】はい,これは我が国はあくまでも今回の訪朝を第1回目の通報だとは考えておりません。
【テレビ朝日 藤川記者】では,今回の説明内容ですとか向こうから告げられた内容を受けて日本側が何か制裁の解除ですとか,そういった対応措置をとるということはないということでしょうか。
【岸田外務大臣】今回はあくまでも先ほど申し上げました我が国の考え方をしっかり北朝鮮側に伝え,そして何よりも,速やかに調査を進め,結果を我が国に通報していくことをしっかりと求めていく,このことが今回の目標です。
【テレビ朝日 藤川記者】北朝鮮側の誰が協議に参加するかということは固まったのでしょうか。
【岸田外務大臣】誰に会うか,具体的なところについては引き続き調整中であります。ぎりぎりまで調整は続くものだと思っています。
政治活動費問題
【テレビ朝日 藤川記者】全く話題変わりますけれども,新しく閣僚に就任した宮沢大臣の問題なんですけれども,政治資金の使い方の問題ですとか,東京電力の株を保有している問題等が野党側の追及,マスコミの追及等されていますけれども,こういった問題が持ち上がっていることについて政策集団の会長としてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】そのような指摘がされていることは承知をしております。そうした問題につきましては,ご本人が政治家としてしっかり説明責任を果たされるものだと思っています。そうした説明をして,そして理解を得るべく努力をされるものだと考えています。
政府担当者の平壌派遣
【共同通信 市ノ瀬記者】拉致の関係なんですけれども,安倍総理は拉致問題が最優先であると伝えるというお話ですけれども,5月のストックホルム合意はですね,各分野に平行して行うというように合意をしてまして,拉致優先という意向を伝えるというのと,同時並行で行うということの整合性については大臣はどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】特別調査委員会は全ての日本人に関する問題について調査を進めるということになっています。その中にあって,拉致は最優先課題であるという我々のこの考え方を改めてしっかりと伝える,このことが今回の代表団にとって重要だと認識をしています。
【読売新聞 仲川記者】関連ですけれども,先ほど10人の陣容構成の中で厚生労働省の省員が参加されていることをおっしゃいましたけれども,虚心坦懐に伺いますが,どのような役割を担うことなのかということをお聞かせください。
【岸田外務大臣】特別調査委員会が全ての日本人の問題を調査することになっております。そして,我が国として特別調査委員会に我が国の立場や考え方をしっかり伝えるということで,この政府全体としての代表団を構成したということです。その結果として,厚生労働省も入ったということです。
【読売新聞 仲川記者】具体的にどのような役割を担うのでしょうか。
【岸田外務大臣】我が国の先ほど申し上げました立場,考え方を政府全体として先方にしっかり伝えるといった役割を担うことになります。
【読売新聞 仲川記者】遺骨問題についてもなんらかの報告,説明があった時に対応するためでしょうか。
【岸田外務大臣】いいえ。わが国の立場,考え方をしっかり伝えるため政府全体としての代表団を構成したということです。
政治活動費問題
【産経新聞 山本記者】小渕前大臣,松島前大臣,そして宮沢大臣こういった政治資金の不適切な利用等が相次いで見つかっていますが,政治にたるみ,ゆるみがあるのではないかという指摘もございますが大臣はその点はどうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】こうした事案の発生によって様々な指摘,批判があるのはしっかり受け止めなければならないと思います。やはり政府としまして,しっかり気持ちを引き締めて,今大切な臨時国会の最中でありますので様々な重要課題に向けて心を一つにして対応しなければならないと考えます。
【産経新聞 山本記者】今回の事態を受けて,大臣はご自身の政治資金の使い方等あらためて見直された等そういった指示はされましたでしょうか。
【岸田外務大臣】自分の政治資金等につきましては,絶えずしっかりと管理し,対応するようにということは心がけておりますし,絶えずそういった思いで私の事務所等も臨んでおります。