記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年10月21日(火曜日)9時16分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言-核兵器の人道的結末に関する共同ステートメント

【岸田外務大臣】10月20日深夜(ニューヨーク時間20日午前中)ですが,国連総会第一委員会において,155か国を代表してニュージーランドが,20か国を代表してオーストラリアが,それぞれ核兵器の人道的結末に関する共同ステートメントを行い,昨年同様,我が国もこれらの共同ステートメントに参加いたしました。両ステートメントは,いずれも核兵器のない世界に向けた各国の強い政治的意志を示すものであり,我が国の安全保障政策や核軍縮アプローチとも整合的な内容であることを踏まえ,我が国としてこれら双方に参加したものです。我が国としては,唯一の戦争被爆国として,軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)における取組等を通じ,核兵器のない世界の実現に向け,引き続き国際社会の現実的かつ実践的な取組を主導していく考えです。

岸田派から2人の閣僚輩出

【フジテレビ 藤田記者】昨日,岸田派から2人も新しい閣僚を輩出したということなのですが今お気持ちというか頭領としてお気持ちをお聞かせくださいますか。

【岸田外務大臣】私たち政策集団の仲間が評価され,入閣したことは歓迎すべきことではありますが,ただ安倍内閣自身にはこれから臨時国会を前にしてその力が試されるときです。大事なときであるからして,政府全体としてしっかりと一体感を持ち,協力していかなければならないと考えます。大切な時だからこそ,責任も感じなければなりません。各閣僚,一致結束して臨時国会に臨んでいきたいと考えています。

谷内局長の訪韓

【フジテレビ 藤田記者】今朝,NSC会合があったということなのですけれども,本日から谷内局長が韓国を訪れているということでAPECで日韓首脳会談に向けての模索という形なのでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,谷内局長につきましては,総理の指示を受け,各国のカウンターパートとの関係構築を進めてきています。今回の訪韓もその一環であり,韓国におきまして金寛鎮(キム・グァンジン)韓国国家安保室長など関係者と会談を行い,安保政策あるいは北朝鮮情勢,さらには日韓関係など幅広い意見交換を行うものと考えています。よって今回の谷内局長の訪韓は日韓首脳会談等を目的として訪韓するものではありませんが,こうした日韓両国のハイレベルの間で様々な意思疎通を図るということは重要であると考えます。こうした各レベル,各分野での意思疎通を積み重ねることによって,政治の高いレベルでの意思疎通につなげていきたいと考えます。

政府担当者の平壌派遣

【フジテレビ 藤田記者】昨日,平壌の方に代表団を派遣するということを決定しましたけれども,時期に関しては今のところまだ発表されていないのですけれども,時期,そしてどういう人と会談することができるのか,そして,どういう人と対応してもらえるのかということに関しては何か決まっていることはありますか。

【岸田外務大臣】昨日,官房長官からも明らかにさせていただきましたように,今回,代表団を派遣して,しかるべき立場の人間に対して拉致が日本にとって最重要課題であるということ,また,調査の現状についてしっかり質問や疑問をぶつけて状況について質問する,こういったことは大変重要だと考えています。そういった観点で,派遣を考えているわけですが,具体的に誰に会うのか,あるいはいつ派遣するのか,この具体的なことにつきましては,引き続き,北京の大使館ルートを通じまして調整を行っています。現状まだ調整の途中ですので,今時点では決まっておりません。できるだけ早く調整を行い,確定したいと考えています。

【フジテレビ 藤田記者】家族会からは,拙速じゃないかとか,何か結果が出るという確信があって今回の派遣に至ったのでしょうか。

【岸田外務大臣】こうした問題については,オール・ジャパンで取り組むことは大変重要であると思っています。よって拉致被害者の家族の皆様方をはじめ,多くの関係者の声には真剣に耳を傾けなければならないということで,様々な機会を通じてご意見を受け賜ってきました。その上で,政府としましては調査を前に進めるという観点から先ほど申し上げましたような点を重視しながら,今回派遣を決断したということであります。是非今後とも関係者の皆様方の意見については真摯に耳を傾けていきたいと思いますが,方針につきましては政府全体として総合的に判断した次第であります。

今後の政権運営について

【日本テレビ 有田記者】昨日,大臣の2大臣の交替ということで今朝の閣議,閣僚懇などで今後の政権運営について安倍総理から指示もしくは各閣僚から意見など出ましたでしょうか。

【岸田外務大臣】今日の閣議においては,予定された議題を予定通り進めたものと受け止めています。ご指摘のような発言は特般ありません。

政府担当者の平壌派遣

【共同通信 蒔田記者】訪朝の派遣時期がまだ決まっていないということですけれども,一部報道で27日からというのもありまして,大体そのあたりが軸となってくるのでしょうか。

【岸田外務大臣】いろいろ今,調整をしております。その27日というのがどこから出た情報か私は承知していません。引き続き調整をしております。様々な調整やりとりをしているのではないかと想像しますが,具体的なものはまだ何も聞いておりません。

NSC会合の議題

【時事通信 松本記者】今朝ほど,9大臣会合,NSCが行われたとのことですが,議題とか決定事項がございましたら教えていただけますか。

【岸田外務大臣】中身は南スーダン,PKOに関する議論でありました。詳細は控えますが,官房長官から何らかの明らかにできる点は明らかにされるものだと思っています。

核兵器の人道的結末に関する共同ステートメント

【朝日新聞 渡辺記者】冒頭の国連総会の件になのですが,ややニュージーランド案とオーストラリア案という性格の異なる声明を今年も両方賛同ということなんですけれども,アメリカの核の傘のある中で唯一の被爆国として日本という立場があると思うのですが,国家として,改めて今回両方に賛同されたことについて大臣の意見をお聞かせ願えますか。

【岸田外務大臣】昨年もステートメントへの参加については様々な議論がありました。ステートメント自体,人類にとって大きな願望であり,核兵器のない世界というのが大きな願望であり,それに対するアプローチは様々なアプローチが認められる。こういった内容でありました。こういった観点から,我が国の様々な政策との整合性が確保できる,こういった判断に基づいて昨年も参加いたしましたが,今年も参加を決定した,こういったことです。

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