記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年10月8日(水曜日)17時46分 於:本省中央玄関ホール)
冒頭発言-日米外務・防衛局長級協議の開催
【岸田外務大臣】本日,日米の局長級によります日米安全保障高級事務レベル協議(SSC)及び防衛協力小委員会(SDC)を開催いたしました。
SSCにおいては,地域情勢や沖縄の負担軽減を含む在日米軍再編について意見交換を行いました。また,SDCにおいては,ガイドライン見直しに関する中間報告がとりまとめられ,これを公表することで一致をいたしました。
中間報告では,見直し後のガイドラインやその下での取組が,日米それぞれの憲法や国家安全保障政策の基本的な方針に従うといった基本的前提,考え方を整理し,その上で,(1)日米が,切れ目のない形で,日本の安全が損なわれることを防ぐための措置をとること,そして(2)より平和で安定した国際的な安全保障環境を醸成するための協力を強化すること,そして(3)宇宙及びサイバー空間における協力を進めること,こうした見直し作業における重点を確認いたしました。
我が国にとって,今回のガイドライン見直しは,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」に対応するものです。中間報告について国内外に丁寧な説明を行っていくことで,この取組への理解を更に促進してまいります。また,中間報告に示されました,見直し後のガイドラインの枠組みと目的に沿って,日米間で引き続き作業を進めてまいります。私の方からは以上です。
日米外務・防衛局長級協議の開催
【朝日 村松記者】切れ目のない対応というのが,一つの大きなポイントになるかと思うのですが,中間報告ですね,日本に対する武力攻撃を伴わない場合でも,日米の迅速で力強い対応が必要だと,これ尖閣諸島とか,そういった離島防衛,いわゆるグレーゾーン事態,こういったものを想定した日米の対応だという理解でよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】今回の中間報告は言うまでもなく中間の段階での報告ですので,具体的な内容については決定されたというものではありません。具体的な様々な対応につきましては,中間報告に示されました見直し後のガイドラインの枠組み,あるいは目的,こういったものに沿って引き続き日米間で作業を進めていくことになります。ご指摘のこうした具体的な点につきましても引き続き作業を行い,最終的な報告につなげていくことになります。
【読売 仲川記者】この中間報告ということですけれども,このような日米ガイドラインというものを実効性のあるものにつなげていくということのためには,やっぱり中国や韓国,反発しそうな国に対して丁寧な説明,今申し上げましたけれども,必要なんだと思うんですが,今回の中間報告,事前説明というのは,たとえば韓国ですとか,そういった国にはされたんでしょうか。
【岸田外務大臣】関係各国に対するこの説明については,この具体的な国名とか,あるいは内容,こういったものについては控えたいとは思いますが,いずれにせよ,この丁寧な説明はしっかり行っていかなけねばなりません。そういった努力はしっかり行いたいと考えています。