記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年10月7日(火曜日)8時26分 於:官邸エントランスホール)

イスラム国への大学生の参加企図容疑

【日本テレビ 有田記者】昨日,イスラム国の戦闘活動に参加しようとしたとして警視庁公安部が男子大学生から事情を任意で聴取しました。日本からもこうしたイスラム国の活動に参加しようとする動きが出ていることに対して見解をお願いします。

【岸田外務大臣】まず先日,国連におきましては,国連安保理におきまして決議2178が採択されました。この決議の中において各国はテロに関しまして渡航すること,そして資金提供すること,あるいは便宜供与すること,こういったことに対して,国内法において犯罪化する,こういったことを求められています。我が国としましても,こうしたISILをはじめとする過激派対策にしっかり取り組んでいきたいと考えています。そしてご指摘の事案につきましては,今捜査中でありますので具体的に私(大臣)の方から何か申し上げることは控えたいと思っています。

香港「セントラル占拠」

【日本テレビ 有田記者】続いて,香港情勢についてお伺いいたします。香港行政府ですね,学生側が12日までに対話が再開することで合意しましたけれども,一方で行政府側当局は,強制排除の可能性も捨てているわけではありません。こういった状況に関して日本政府としての見解をお願いします。

【岸田外務大臣】まず香港はアジアの一大金融センターとして繁栄をしています。また我が国とも大変経済関係の深い関係にあります。こうした香港については,民主的に繁栄するということは,我が国を含めてアジア太平洋地域の平和や繁栄に大きく影響してくるものであると認識をしています。是非,一国二制度の元に香港が平和的に,民主的に発展をし,そして我が国との関係も維持されることを期待しています。そういった立場が我が国の立場でありますが,この香港の状況につきましては,是非引き続き注視をしていきたいと思います。平和的に解決することを期待いたします。

日朝関係

【日本テレビ 有田記者】続いて,日朝関係についてお伺いいたします。訪朝団の平壌への派遣について現在検討中ということですけれども,いつまでに検討の結果を出すのか,派遣の時期,人員構成等について現在の検討状況をお聞かせ願えますか?

【岸田外務大臣】先日29日におこなわれました,日朝外交当局間会合の説明を受け,我が国として調査の現状等を把握するために引き続きしっかり努力をしていかなければならないと考えています。そして,この北朝鮮側の説明を受けて,どう対応するかということにつきましては拉致被害者の方々を含め,関係者の皆様方の様々な意見もしっかり受けたまわりながら,政府として今検討しているところです。いつまでにどう対応するかということについては現在まだ何も決まっておりませんが,是非北朝鮮側に対しましては調査を迅速に行い,そしてすみやかにその結果を報告するようしっかり求めていきたいと考えています。

南北高官級協議

【日本テレビ 有田記者】週末に行われました韓国と北朝鮮の高官級会談についてお伺いいたします。北朝鮮の方からアジア大会の最終日に黄炳瑞総政治局長が非常に高いレベルでの政治的対応になったんですけれども,今回のそういった会談が今後の北東アジア情勢あるいは日朝関係について,どういった影響を与えるかについてご見解があればお願いいたします。

【岸田外務大臣】このたび仁川のアジア大会の閉会式にあわせて北朝鮮の高官が韓国を訪問し,会合がもたれ,その結果として南北の高官級会合が開催されるという点において一致したということですが,我が国としましては,こうした動きがこの北朝鮮の非核化ですとか,諸懸案の解決につながることが重要であると認識をしています。今後の動きを注視していきたいと考えます。

憲法9条のノーベル平和賞受賞予測

【中国新聞 藤村記者】海外のノーベル平和賞の予想で,憲法9条が有力というようにされましたけれども,大臣の見解を教えてください。

【岸田外務大臣】様々な報道がおこなわれていることは承知しておりますが,それ以上何も材料がありませんので今後の動きを注視していきたいと思います。

【中国新聞 藤村記者】受賞されれば喜ばしいことというように思われますか?

【岸田外務大臣】様々な関係者が話題に上がっているわけですので,しっかり注視をしていきたいと考えます。

イスラム国(日本人戦闘員の有無)

【日本テレビ 有田記者】イスラム国の件なのですけれども,今回日本側から出ようとして水際で止めたということなのですが,現在イスラム国に活動している日本人がいるという情報はあるのか,またはそういうような状況はあるのかということについて把握の状況をお聞かせください。

【岸田外務大臣】少なくとも私(大臣)は今現在,イスラム国において日本人が活動しているという情報は承知しておりません。

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