記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年9月16日(火曜日)11時13分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-岸田大臣の国連総会出席
【岸田外務大臣】諸般の事情が許せば,21日からニューヨークに出張して,国連総会の関連会合に出席したいと考えています。
気候変動やテロとの闘い,安保理改革などグローバルな課題に知恵を出し,汗をかいていく日本の決意を伝えたいと考えております。ニューヨークでは各国外相との二国間会談を行うべく調整を行っております。
また,国連総会の機会を活用して,先週12日から14日まで開催された「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW(ワウ!)!Tokyo(東京)2014)」の成果についても国際社会への発信もしっかり行っていきたいと考えています。
日朝関係
【TBS 久保田記者】国連総会出席となりますと,秋もだんだん深まる時期になると思うのですが,北朝鮮からの報告の時期について現状を教えて頂けますでしょうか。
【岸田外務大臣】北朝鮮からの特別調査委員会の報告については,現状,まだ,日時,あるいは方法,形態等のついては,何も決まってはおりません。現在,大使館ルートを通じて北朝鮮側と意思疎通を図っておりますが,我が国としましては,引き続き,この調査の進捗状況につきまして慎重に見極めていきたいと考えています。
【TBS 久保田記者】国連総会での接触ですとか,または外相会談の可能性というのはどうなのでしょうか。
【岸田外務大臣】今のところ,そういったものは何も決まってはおりません。
日韓関係
【TBS 久保田記者】日本と韓国の関係についてお伺いしたいのですけれども,聞き取り調査の様子の,一部映像が流れたということもあって,慰安婦問題では反発も強まっていますが,一方で文化事業では尹炳世外相が出席するなど融和ムードも出てきているのかなと思うのですが,大臣の受け止めはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】あれは14日ですか,尹炳世長官が日韓交流おまつりに出席をされ,わが別所大使と有意義な意見交換をされたと聞いております。このことは歓迎したいと思っております。
日本と韓国,難しい問題は存在いたしますが,是非,この文化をはじめ,様々な分野での交流を積み重ねることによって,未来志向の日韓関係を作っていきたいと願っております。
国際捕鯨委員会(IWC)総会
【TBS 久保田記者】IWC総会が始まりました。日本の主張をどのように説明し,また,感情的に反発している人たちもいますけれども,どのように理解を求めていくお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】日本としましては,国際法,更には科学的な根拠に基づいて魚類資源管理を行うにおいて不可欠な情報を収集するために調査を行っていく。これが基本方針であり,この基本方針に基づいて取り組んでいきたいと考えております。
この方針につきましては,これまでも我が国としまして説明努力を続けてきましたが,今回のIWC総会におきましても,しっかり説明をし,理解を得るべく努力をしていきたいと考えています。
イラク情勢(パリ会議)
【共同通信 市ノ瀬記者】イラク問題ですが,パリで国際会合が開かれました。イラク対応が話し合われました。
イスラム国に対して,どう対処するかという大臣のお考えを聞きたい,これが一点と,もう一点は,オバマ大統領が,有志連合を作って,イラクで軍事支援を繰り広げていますけれども,日本として何らかの軍事支援に参加するお考えはあるか,この二点を聞かせてください。
【岸田外務大臣】9月15日にフランス政府主催による,イラクの平和と安定に関する国際会議が開催されました。24か国,3つの国際機関が参加したと聞いております。我が国からは梨田イラク大使が出席をいたしました。この場におきまして,イラクの安定化,そして,ISILに対する資金源の根絶ですとか,更には人道的な取り組み,また,イラク政府によるテロとの闘いへの支援,こういったことが議論されたと報告を受けております。
国際社会が一致してISILに対応していく,ISIL対策を講じていく,こういったことについて確認されたことについては評価したいと存じます。
そして,ISILに対する対応,米国等から連合,コアリションというような話も出ておりますが,今回の会議におきましても,軍事的な支援も含めて,あらゆる手段について議論されたと承知をしています。
イラクの国内避難民等の対する人道支援等の必要性等,多岐にわたる議論が行われたと報告を受けています。我が国としましては,これまでもシリア,あるいはイラクに対する避難民に対する支援ですとか,ヨルダンをはじめとする周辺国に対する支援ですとか,こうした様々な支援を行っています。
我が国としましては,是非,我が国の可能な範囲内でこうした支援や協力は続けていきたいと思っています。