記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年9月5日(金曜日)10時13分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

(1)岸田外務大臣のドイツ訪問

【岸田外務大臣】今回の留任を受けまして早速来週8日からドイツを訪問することといたしました。
 さまざまなグローバルな課題にしっかり取り組み,日本の存在感を高めることは,私(大臣)の使命であり再任後の自分の重点課題だと考えておりますが,今回のドイツ訪問は,その第一歩であると考えております。
 ドイツは,緊迫するウクライナ,シリア,あるいはイラク,グローバルな課題に果敢に取り組む重要なパートナーであります。シュタインマイヤー外相とこうしたグローバルー課題についてつっ込んだ議論を行い,積極的に国際社会に貢献していくとの我が国の姿勢を示しておきたいと考えます。

(2)ウクライナ東部の人道状況改善のための緊急無償資金協力の実施

【岸田外務大臣】二点目ですが,7月,私(大臣)がウクライナを訪問させていただきました際にクリムキン外相から直々にウクライナへの支援要請がありました。
 今般,最近のウクライナ東部の人道状況の急速な悪化を踏まえて赤十字国際委員会,そして,国連難民高等弁務官事務所を通じ,30万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。
 これもグローバルな課題の解決に向け積極的に貢献していくとの我が国の外交姿勢を具体的示すものです。今回の支援がウクライナ問題の一助となることを期待いたします。

ウクライナ情勢

【テレビ東京 橋爪記者】今ウクライナの話がありましたけれども,ウクライナとロシアの停戦に関する基本合意が取り付けられましたが,一方でNATO首脳会談ではウクライナへの支援策が打ち出されました。日本政府としての受け止めとウクライナ,ロシア側に対してどのような姿勢を求めていくおつもりか教えてください。

【岸田外務大臣】先ず,停戦に向けて具体的な動きが出てきたことは歓迎すべきことだとは思いますが,実際に停戦が行われるか,そして,停戦から更に和平につながっていくか,このあたりをしっかり注視していかなければならないと考えます。ですから,まずは関係者,関係国に対して和平に向けてそれぞれ努力していく,こういったことを期待したいと思いますし,特にロシアについては建設的な行動を取るようしっかり求めていきたいと考えます。
   そして,NATOの首脳会談ですが,4日から始まりました。しかし,二日目,5日がありますので是非,この会議,二日目もしっかり注視をしていきたいと考えています。

朝鮮総連幹部の訪朝

【テレビ東京 橋爪記者】本日,朝鮮総連のホジョンマン議長が日本を出発し訪朝します。外務省として把握している事実関係について教えていただきたいのと,またこの訪朝に対する受け止めを教えてください。

【岸田外務大臣】そうした報道は承知をしております。ただ,日本政府としてコメントする立場にないと考えます。

岸田大臣のドイツ訪問

【共同通信 市ノ瀬記者】留任後の初外遊がドイツになったわけですけれども,結果的かもわかりませんが,初めての外遊がドイツということの意義と言いますか,そこにされた理由,何かあれば教えてください。

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたが,ドイツは,このウクライナ問題をはじめとするグローバルな課題において大変重要な役割を果たしている国でありますし,我が国に取りましてもさまざまな課題に取り組むに当たって大変重要なパートナーであると考えています。更には,国連改革等のおいてもG4の枠組み等において,我が国にとって重要な国でもあります等々,こうしたさまざまな観点から重要な国であるドイツ,シュタインマイヤー外相とは,これまでも度々会談を行ってきました。今年4月には日本を訪問していただき,私(大臣)の地元,広島でのNPDI外相会合にも出席をいただきました。こうしたシュタインマイヤー外相としっかりと率直な意見交換を行ってきたいと考えています。

世論調査

【日本テレビ 有田記者】弊社と読売新聞の緊急合同世論調査で,今回女性閣僚が5人入ったことを評価される方が67%,岸田大臣をはじめ主要か閣僚が留任されたことに関して評価される方が62%と非常に高い数字になっているのですけれども,この受け止めをお願いします。

【岸田外務大臣】そうした国民の皆様方の評価,あるいは見方,ご意見については我々は謙虚に受け止めていかなければならないと思っています。とりあえず,新しい内閣のスタートについて,さまざまなご意見,ご判断を頂いております。是非,これが今後,内閣の高い評価につながるよう,しっかり努力をしていきたいと考えます。

岸田大臣のドイツ訪問

【読売新聞 仲川記者】ドイツ訪問の関連ですが,同じ時期に北朝鮮の姜錫柱朝鮮労働党の書記が欧州を外遊されると,現地で接触するのではないかという韓国の報道もあるようですが,大臣におかれましては,そういうことを念頭に置いていらっしゃるかどうか教えていただけますでしょうか。

【岸田外務大臣】ご指摘の点については,全く考えておりませんし,何もそういったことに関しては予定等もまったくございません。

記者会見へ戻る