記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年7月1日(火曜日)10時19分 於:官邸エントランスホール)

日朝政府間協議

【テレビ東京 橋爪記者】本日,日朝の協議がありますが,どのような姿勢で臨みますか。

【岸田外務大臣】本日の日朝の政府間協議ですが,先般の日朝合意をフォローアップするために開催をされます。北朝鮮側から設置で合意をしております,特別調査委員会の組織,構成,そして,責任者,こうしたものについて説明を受ける予定にしております。
 政府としましては,まず説明をしっかり聴取し,特別調査委員会に全ての機関の調査を行うことができる,しっかりとした権限が付与されていること,そして,しっかりと調査が開始されること,これが重要だと認識をしております。
 是非,北朝鮮側の説明をしっかりと聴取した上で,その内容について見極めを行いたいと考えています。

伊原局長と武大偉特別代表との会談

【テレビ東京 橋爪記者】昨日,武大偉さんと会われていたということなのですが,日中間でどのようなお話があったのでしょうか。

【岸田外務大臣】6月30日,日朝政府間協議のために北京を訪問中の伊原アジア大洋州局長は武大偉朝鮮半島問題特別代表と会談を行いました。内容につきましては,外交上のやり取り,詳細は控えさせていただきたいと思います。
 様々なレベルを通じて,中国との間において,北朝鮮問題に関して意思疎通を図っていくこと,これは重要だと認識をしております。
 中国は,言うまでもなく,北朝鮮と歴史的に深い関係を持ち,六者会合において議長国を務め,国連安保理の常任理事国でもあります。北朝鮮問題における中国の役割は大きいと認識をしております。

集団的自衛権

【朝日新聞 村松記者】本日午後にも,集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定,これが行われる予定ですが,自民党が戦後60年使えないと一貫して解釈してきた集団的自衛権を,一内閣の,しかも憲法の解釈の変更で使えるようにする,この手続きについて,大臣はどのようにお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】この度,国民の暮らし,あるいは命を守るためには,安全保障の法的基盤がどうあるべきなのか,こうした観点から議論が行われてきました。そして,本日,与党協議の場で合意が得られ,そして,それぞれの党で手続きが進められると承知をしております。こうした,この努力には敬意を表したいと思っています。
 手続きにつきましても,政府として大きな責任を担わなければならない,国民の暮らし,そして,命,これを守る,こういった役割を果たすために,現実においてどう対応するべきなのか,こういった観点から様々な議論が行われ,そして,それに基づいて手続きが進められるものだと承知をしております。
 こうした大きな目的,政府としての責任を果たすために,この成果につながることを期待しております。

【NHK 渡辺記者】そうしますと,今回の集団的自衛権を巡る議論というのは,やはりまだ,各種世論調査を見ても,説明が足りないとか,納得していない人もいる中で一内閣で進められている側面があると思うのですけれども,閣議決定をした後,これから大臣として,どうやってこれを更に現実のものとして進めていくために,どうやって努力をされるというように考えていらっしゃるのでしょうか。

【岸田外務大臣】これから,与党においてそれぞれ手続きが進められ,手続きが完了し,そして,必要であれば閣議決定が行われると承知をしておりますが,引き続きまして国会においては議論が行われることになると思います。そして,何よりもこうした安全保障の法的基盤についての議論は,これを具体化するためには,様々な法律が作られ,そして,成立しなければなりません。今後,必要であるならば,様々な法律の議論も国会で行われることになると考えます。こうした議論の中で,より具体的に国民に対しても,しっかりと説明責任を果たしていかなければならないと考えます。こうした作業において,是非,丁寧に議論を行うことによって多くの国民の皆様に理解が得られるべく引き続き,努力をしていきたいと考えています。

【日経新聞 宮坂記者】外務大臣として,この手続き,議論されている内容というのを,米国であるとか,近隣諸国であるとか,そういった国にどうやって説明されていくお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】我が国は,現在,積極的平和主義の考え方に基づき,そして,国民の暮らし,あるいは命を守るために,我が国の安全保障の法的基盤をどうするべきなのか,こういった観点から議論を行ってきました。
 こうした我が国の取り組み,あるいは立場につきましては,今までも様々な外相会談等の二国間会談,更には国際会議の場においても説明を続けてきました。多くの国から,既に我が国のこうした取り組みについて支持や理解を得ているところです。しかし,引き続き国際社会の理解を得るべく,努力は続けていきたいと考えております。
 是非,我が国の議論の有りようについて丁寧に説明すると同時に,平和国家として我が国の歩み,これは全く変わりはないという基本的な立場等について,引き続き丁寧に説明する努力は続けていきたいと考えております。

日中局長級協議

【NHK 渡辺記者】本日,伊原局長はカウンターパートの中国の局長とお会いになる予定なのですが,ここでは基本的にはどういったお話をされる予定なのでしょうか。

【岸田外務大臣】伊原局長は,7月1日,本日予定されております,日朝の政府間協議のために北京に出張し滞在をしております。
 日朝の政府間協議以外の日程については,まだ調整中だと聞いております。

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