記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年6月25日(水曜日)17時30分 於:本省大臣接見室前)
冒頭発言-日朝政府間協議の開催について
【岸田外務大臣】次回の日朝政府間協議に関し,北京の「大使館」ルートで調整を行ってきたところ,7月1日に中国・北京にて開催することとなりました。
日本側の代表は伊原アジア大洋州局長,北朝鮮側の代表は宋日昊(ソン・イルホ)外務省大使が務めます。
今回の協議では,北朝鮮側から,特別調査委員会の組織,構成,責任者等に関する説明を受ける予定です。政府としては,特別調査委員会に対して,全ての機関を対象とした調査を行うことができる権限が適切に付与され,それに基づいた調査が実際に開始されることが重要であると考えており,こうした観点から,今回の協議での北朝鮮側からの説明の内容についてしっかり見極めていく考えです。
引き続き拉致問題を含む全ての日本人に関する問題の早期解決に向け,最大限努力していく考えです。
日朝政府間協議の開催
【NHK 渡辺記者】今ご発表ありましたけれども,この特別委員会のどんな点を特に重視されるんでしょうか。
【岸田外務大臣】今回,協議において,北朝鮮側から特別調査委員会の組織,構成,責任者等が通報されることになりますが,その際にやはりこの全ての機関に対する調査を行うことができるしっかりした権限が適切に付与されている,この点が重要だと考えます。その点をしっかり見極めたいと考えます。
【NHK 渡辺記者】そうしますと,続いて制裁の解除ということも選択肢にあると思いますけれども,どういった段階,何が確認された場合に制裁の解除になるのでしょうか。
【岸田外務大臣】今申し上げたような,権限がしっかり付与されている,そしてそれにふさわしい組織,構成,そして責任者がしっかりと選定されている,こういった点を確認した上で,それを我が国としてしっかり見極めた上で我が国の措置の解除等考えていくことになると思います。
【NHK 渡辺記者】そうしますと,特別調査委員会の陣容が示された上で,制裁の解除に至るまでのタイミングなんですけれども,どのように考えてらっしゃるんでしょうか。一度日本に持ち帰るんでしょうか。
【岸田外務大臣】これは協議をこれから行うわけですから,協議前にその内容について予断を与えるようなことは適切ではないとは思いますが,北朝鮮側の説明をしっかり聴取し,そして我が国としてしっかり見極める,これが重要だと考えています。
【毎日新聞 福岡記者】全ての機関に対して調査を行う権限があるというところは,非常に確認が難しいと思うのですが,どういう形でそれは臨む,確認するというふうにお考えですか。
【岸田外務大臣】その確認の中身,具体的な点について,今この段階で申し上げるということは,我が国の対応,手の内を示すことになりますので控えなければならないと思いますが,今回,組織,構成,責任者,こういったものが示されるということになっています。そうした説明をしっかり聴取し,その全体をしっかりと確認した上で,判断していくことになると思います。
【フジテレビ 山崎記者】1日からということですけれども,期間はいつまでというふうな予定はあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】1日,北京で行うということであります。
【フジテレビ 山崎記者】一日ですか。
【岸田外務大臣】そういうことを両国で確認しています。
【NHK 渡辺記者】そうしますと,日程がかなり一日ということで限定されていると思うのですけれども,事前にある程度の陣容などが判明していて,それに基づいての議論になるのでしょうか。それとも初めて提示されるという形になるのでしょうか。
【岸田外務大臣】この協議において提示されることになります。この協議において議論される議題,中身は,まさにこの特別委員会の組織,構成,責任者,そして権限,こういったものであると認識をしています。
【共同通信 鳥成記者】日本側として,そういった組織や構成を確認した上で,制裁解除に至るまでの時間的なタイムラグというのはどの程度を今考えていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】まだ協議においてどのような説明があるのか,今の段階では予断することはできません。ですから,まずはしっかりと北朝鮮側の説明を注視し,そしてそれを見極める。これがまず第一だと考えております。その上での対応をしっかり考えていきたいと思います。
【NHK 渡辺記者】そうしますと,提示を受けた上で,見極める判断のタイミングなんですけれども,内容が日本が考えているのに十分ではないという判断になった場合には,どのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
【岸田外務大臣】これから協議を行うわけです。北朝鮮側の説明を受けるわけです。今の段階でそうした内容について,何か予め申し上げることは控えなければならないと思っています。
【NHK 渡辺記者】拉致被害者のご家族の方々とか,この経緯をすごく見守っていると思うのですけれども,改めてその問題解決に向けての大臣の思いというのはあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】今回,日朝間で合意をし,そして特別調査委員会を立ち上げるということで合意をしたということは,重要な一歩であるとは考えています。しかし,これからこの特別調査委員会にしっかり実効性を持たせる,実効性を確保する,これが重要だと考えています。是非こうした特別調査委員会の調査が進み,そして北朝鮮側から前向きな行動をしっかりと引き出すべく,我が国としまして全力で促していかなければならないと思っております。是非しっかりとした結果を出せるよう,政府あげて全力で努力をしなければならないと考えます。
【朝日新聞 松井記者】結果を出すためにも,調査開始と同時に3ついっぺんに解除するのは甘いのではないかという声も,家族会,救う会からは上がっていますが,それについてはどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まずは合意に基づいて,北朝鮮側の特別調査委員会の組織,構成,責任者等をしっかり聴取し,そして実際に調査が開始されることが重要であると思っています。そして,調査を進めながら,我が国としてしっかりと結果を出すべく,しっかりと促し,努力をしていかなければならないと考えています。是非これから始まる調査について,我が国としましても,しっかりと結果に結びつけるべく努力をしたいと考えています。
【TBS 法亢記者】メンバーなんですけども,外務省の局長を頭にして,他に前回以外に,警察や拉致対など他の省庁のメンバーは。
【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたが,我が国の代表は伊原アジア大洋州局長ですが,それ以外のメンバーにつきましては現在調整中です。調整した上で,人選を確定したいと思っています。