記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年6月17日(火曜日)8時15分 於:大臣接見室前)

日朝政府間協議

【テレビ朝日 藤川記者】日朝合意から3週間目ということになりますけれども,北朝鮮側から特別調査委員会の立ち上げについて連絡はありましたでしょうか。

【岸田外務大臣】特別調査委員会の立ち上げまで3週間程度としてきました。今週3週間目を迎えるわけですが,特別調査委員会の立ち上げに当たりましては,北朝鮮側から組織,構成,あるいは責任者,こういったものを通報してくることになっています。
 現在は通報をいかなる方法で行うのか,こういった点について調整中の段階であります。

【テレビ朝日 藤川記者】通報内容について確認するということで,それは外交ルートを使ってのやり取りではなく,やはり直接対面してのやり取りになるのでしょうか。

【岸田外務大臣】通報の方法について,今調整中です。

【テレビ朝日 藤川記者】それは局長級協議というか政府間協議ということでしょうか。

【岸田外務大臣】その方法について調整中です。

【テレビ朝日 藤川記者】そして,制裁の解除と調査委員会の関係についてですが,そのタイミングについて改めて政府のお考えを聞かせてください。

【岸田外務大臣】特別調査委員会立ち上げにあたって,今申し上げましたような通報が行われます。それをしっかり我が国として,見極めた上で我が国の対応を進めていく,こういったことになると考えます。

【テレビ朝日 藤川記者】ということは,立ち上がったからといって即時解除ということにはならないということでよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】前々から申し上げているように,通報を受けて,それをしっかり見極めて我が国の対応を考える,従来どおりの方針で臨みたいと思います。

石原環境大臣の発言

【産経新聞 山本記者】昨日,石原環境大臣が福島第一原発の中間貯蔵施設の関連で,最後は金目でしょうという発言をされて話題になっておりますが,大臣のご所見と本日の閣議でこの件についてでたのか二点お伺いします。

【岸田外務大臣】まず一点ですが,報道については承知をしております。ただ,石原大臣の発言,前後にどんなやり取りがあったのか,また,どんな雰囲気の中での発言だったのか,私(大臣)は承知しておりませんので,その発言について真意等について申し上げる材料は持ち合わせておりませんので,是非,これは石原大臣自身が真意について説明をされるものだと考えます。
 それから閣議において,この点において特にやり取りはなかったと記憶しています。

集団的自衛権

【フリーランス 上出氏】最近,テレビ,新聞等で報道されていることでお伺いします。集団的自衛権の問題で,邦人の救出条件,邦人がどういうように助けられるかという,日米ガイドラインでノーだというようなことを言われていると。
 これは朝日新聞が最近ではこう言っていますけれども,1997年の日米ガイドラインの交渉の時に,その問題が出て優先順位で,いざという時に米軍が助ける順番で,日本は優先順位をつけられない。1999年の衆議院の特別委員会で97年当時の防衛長官だった中谷さんが証言していまして,残念ながら米国から米軍が先に日本人を助けるということについては断られたということを証言されているのですね。
 そうすると,新しい三要件,自衛隊が出動するための三要件に矛盾することになってしますのですが,この辺については大臣としてはどのようなご所見をお持ちでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,過去の経緯について,今お話をお伺いしましたが,細かい点にまで今申し上げる材料がありませんので,確認はしたいと思いますが,いずれにしましても,今まだ政府としての方針は与党が協議をした上で決める,こういった段階にありますので,まだ結論が出ておりません。その結論と比較しろと言われても,まだ今の段階ではコメントは控えなければならないと考えます。

【フリーランス 上出氏】この問題について,昨日の朝日新聞などで大きくでていたので,当然ご承知かと思うのですけれども。

【岸田外務大臣】我が国の方針,安倍内閣としての方針,政府の方針がまだ決まっていないわけですから,それについて比較してどうこうということは今の段階で申し上げられないと思います。

河野談話

【TBS 久保田記者】河野談話の検証が今週にも報告されると思うのですが,このタイミングで検証する意義と,そして韓国にどのように説明するのか,対応など教えてください。

【岸田外務大臣】検証の意義は予算委員会でのやり取りがあり,河野談話の作成過程について検証するということで,今作業が行われていると承知しております。
 まだ,これから結果が明らかになるわけですので,今の段階では,何か申し上げるのは控えなければなりませんが,いずれにせよ,関係各国にも説明等はしなければならないと思いますが,そもそも結果がいつ公になるのか,まだ確定もしておりません。まだ,その説明等を申し上げる段階ではないと考えます。

日OSCE共催会議

【NHK 渡辺記者】昨日の,日OSCEの会合で大臣が発言されたと思うのですが,ウクライナ情勢とか,東アジアの安全保障状況とか含めていろいろ話し合われたと思うのですが,大臣としてはどういった話を特に強調されたのでしょうか。

【岸田外務大臣】まず日本とOSCEとの会議,昨日から今日にかけて会議を開催しています。
日本,そして欧州の安全保障環境が厳しさ増す中にあって,我が国としましても積極的平和主義に基づいて自由ですとか,民主主義とかの法の支配,こうした基本的価値観を重視しながら貢献をしていきたい。こういったことを申し上げ,そして,OSCEはウクライナ問題に関しましてもロシアを含めて関係国は皆参加する枠組みです。
そういった意味でもOSCEは重要であると,日本にとっても大切なパートナーであるということを申し上げさせていただきました。
 そして,ウクライナ問題については,我が国としまして決して対岸の火事だとは思っていない,アジアを含む国際社会に影響を与えるものであるということも申し上げましたし,またウクライナ問題に関しOSCEが果たしている役割は大変重要であるということ,そして,これまでもこれからも日本としましても財政的にも人的にもしっかりと貢献し協力していきたい,こういったことを申し上げさせていただきました。
 確かそんなご挨拶をしたと記憶しています。

記者会見へ戻る